2011年第6節初日、北海道に来るものとしては史上最大規模と予想されている台風が迫る中、わずかな晴れ間を利用して奇跡的に試合が行われた。この日は台風が本州の真ん中に上陸している状態で、それを考えると2部を合わせて5会場のうち4会場で試合が行われたこと自体が奇跡的だったのかも知れない。
でもやっぱりそうは上手く行くものでもなく、札幌での第1試合は結局試合終盤の一番盛り上がるところで豪雨になりコールド試合となってしまった。
その雨の降り方やルネサスの攻撃、大鵬の守備の乱れが劇的だったのでその場面だけ詳しく振り返りたいと思う。
【(1)6回表ルネサスの攻撃】
5回裏に大鵬が3点を追加し4-0とした時点では「これは大鵬が勝てる!」と正直見ている自分は浮足立った。でもそれ以上に、大鵬の選手が浮足立っていた(笑)
6回の表はルネサスが反撃を開始した、というより大鵬の完全なる自滅。冷静なキャプテンの佐々木に至るまでの信じられないプレーの連発。それを起こさせるのがルネサスの見えない力かも知れないのだが。
まずはその6回を詳しく振り返ってみたい。
関:三ゴロ失(記録はヒット?)
※セフティバント強い当たり、佐藤光が捕るもガチガチになって一塁へ悪送球
大久保:投犠打・悪送球
※梅津正面への強い打球、余裕すぎて慎重に投げようと逆に肩に力が入り過ぎふわっと一塁へ悪送球
峰:左飛失(記録はヒットだったが…)
※超平凡なレフトへの浅いフライ。初回のプレー(注1)が影響したかも知れないが、レフトの佐々木がショート森田が捕るようにムチャ振りの指示。自分の打球と気づき慌ててダッシュし追い付いたがグラブに当てて落球。
<この試合好守だった佐藤光と(1,2)、梅津(3,4)が悪送球>
<ショート森田にここまで追わせて自分は最初打球を捕りに行かなかったレフトの佐々木。そりゃ無茶だ(笑)>
※信じられないプレーの連発で、三者凡退のはずがまさかの無死満塁に。
※ここで投手交代し、梅津→小澤(リエントリー)
蔭山:押し出し四球
※投手交代、小澤→井俣
中野:左邪飛・儀飛
粘って3-2からレフトのファールゾーンへのライナー。これを犠飛覚悟でレフトの佐々木がダイビングキャッチのファインプレー。
押し出しが続くのを避ける意味でも大きなプレーだった。
※しかしこれで2-4と2点差、なおも走者二三塁で打者は上野
上野:-
<しかしこの絶好のチャンスにカウント1-1となったところで…>
<突然の豪雨。向いの山も見えなくなるくらいのすごい土砂降り>
(注1)実は初回、センター正面近い飛球に対してレフトの佐々木が張り切り過ぎて捕りに行き、センターの上釜と衝突していた。そのプレーが頭にあったのか、あるいは逆風を計算しすぎたのか、フライが上がった瞬間、レフト定位置からほとんど動かず「ショート!」と指示。ショートの森田もこれにはびっくり(笑)
【(2)中断からコールドゲームに至るまで】
<12:38~中断>
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<13:30まで待って次の判断をするとアナウンス>
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<13:27~20分頃から雨が小降りになり止みかける。しかしグランドには大きな水たまり>
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<13:41~球場、大会係員や札幌東商の選手などが一生懸命グランド整備>
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<13:44~必死の作業で水たまりがほとんどなくなる。試合再開か!?>
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<と思った矢先、突然また雨が強く降り始める>
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<13:52~5回終了時点での降雨コールドゲーム成立。6回の攻撃は幻に>
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<13:56~結局グランドには再び水がたまり元の木阿弥に>
【(3)ルネサスにとって不運が重なったこの試合】
何にもまして、1死二三塁で打者上野、あと1打で同点という場面での突然の豪雨なんて不運以上の何ものでもない。
梅津→小澤→井俣と投手を継投することで時間がかかってしまい、突然の豪雨がちょうどその場面にさしかかったのも不運だった。
加えて雨の降り方と運営上の予定。「13時半まで待って次の判断をする」と決めたあと30分以上は強い雨が降り続いたものの、その13時半の10分くらい前から雨が弱まり、徐々に雨が上がる。まさに予想ピッタリ。そしてその後必死の作業で水を大部分吸い取り終わったところで、再び強い雨…。
久々に部屋の床の拭き掃除をしてピカピカにし終わりかけた途端、猫が土足で上がり込んで走りまわったら「もう掃除なんか止めや!」ってなる。この日もまさにそんな感じ(なのか?、笑)。でもやっぱり、予想通り雨が小やみになりあそこまで水吸い取った後にまたあんな雨が来たら、もう諦めるのは仕方がなかろう。
しかもさらに大きな理由が、この円山球場には照明設備がなかったこと。前半戦の刈谷球場では4時間半待っての再開などということもできたのだが、この球場ではおのずと終了時間が限られてくる。2試合目の延期が早々に決定したのもそのせいだが、この1試合目もこの天気ではあまり後に延ばせない事情があったのだ。
そしてもちろん大型台風接近で天候回復も見込めない現状もあり、そんないくつもの不運が重なっての降雨コールドゲームだったのだ。
それにルネサスにしても、仮に6回に同点なり逆転なりしても、恐らくその裏の攻撃はあの雨では無理だったはず。その同点、逆転した状態で5回コールド負けになるよりは、負けてる状態でコールドになった方がまあナンボかはマシだったのではないか。そうでも思って諦めるしか仕方がないですね。こんなこともあるさ(笑)
しかし前半戦の刈谷での4時間半待ち試合の時も大鵬の井俣がマウンドに立っていて突然の豪雨。この日も井俣がリリーフでマウンドに上がってからの突然の豪雨。彼女は豪雨を呼ぶ女なのだろうか(笑)