大鵬薬品
000 003 0 …3
000 010 3x…4
日立マクセル
大鵬薬品:井俣茉莉、●梅津佳奈子 - 増井知美
日立マクセル:○西村瑞紀 - 中村祥子
(本):阿部環、小野奈津子(マ)
(二):佐々木瞳(大)
【戦評】
大鵬はキャプテン佐々木の逆転タイムリーと稲垣のエンドランで3-1とした時点でかなりの確率で翌日のデンソー戦が運命の1戦となることを予想した。
もともと土曜日デンソー、日曜日マクセルと対戦だったのが土曜日の中止で順番が逆になり、この節は日曜日のマクセル戦から。前日の土曜日にライバルのシオノギが敗戦していることから、この日曜日に大鵬がマクセルに勝ち、シオノギが太陽誘電に敗れると大鵬に自力残留の目が復活していたのである。
そしてその自力残留復活目前で迎えた運命のマクセル戦7回裏。先頭の阿部がいきなりホームランで1点差。しかしこの時点でも「2点差つけておいた意味は大きかった。ソロホームランならかまわない」という雰囲気だった。いくら小野がいい打者だとはいえ、あの場面で2本目のホームランがマクセルから生まれるとはさすがに予想できなかった。
その最後の小野のホームランを呼び込んだのはこの日好調だった頼のヒット。1点目も彼女のセカンド内野安打から生まれており、この回も粘って井俣からレフト前ヒットを放った時点で大鵬側も投手を梅津に代えざるをえなかっただろう。今日は頼は本当にラッキーガールだった。
小野はシーズン最後の節をサヨナラホームランで締めるという、しかもそれでホームラン王に並ぶというあまりにも出来過ぎた終わり方であったのだが、逆に大鵬にとってはまさに悪夢としか言いようがない結末。
あれほど良い打者、良い投手が揃っていながら結果的に4勝止まりで入れ替え戦に回ることになった大鵬薬品。ここぞという場面で勝負弱いところが目につくので非常に心配な部分はあるが、しかしこの入れ替え戦はその勝負弱さを克服するために与えられた試練だと思う。
本来の力を発揮して、何が何でも1部に残留してほしい。もちろんそうできると強く信じている。
【スターティング・メンバー】
【先攻:大鵬薬品】
1(5):佐藤光紗
2(4):酒井かおり
3(D):中山亜希子
4(7):佐々木瞳
5(9):千原香奈
6(3):稲垣ゆみこ
7(8):上釜恵
8(2):増井知美
9(6):森田まゆ
FP(1):井俣まり
【後攻:日立マクセル】
1(8):阿部環
2(9):頼モンティ
3(6):小野奈津子
4(D):田中梢子
5(5):小林朝子
6(2):中村祥子
7(3):高崎千恵
8(4):田中涼子
9(7):東綾華
FP(1):西村瑞紀
【1回表:大鵬~0点(西村)】
佐藤:一ゴロ
酒井:右飛
中山:四球
※次の佐々木の5球目に二盗死
佐々木:-
【1回裏:マクセル~0点(井俣)】
阿部:遊飛(お手玉しながらも)
頼:空振り三振
小野:右前打
田中梢:右前打
小林:遊直
【2回表:大鵬~0点(西村)】
佐々木:左飛(大)
千原:二ゴロ失
稲垣:一犠打
上釜:一飛
<チェンジアップに体をためてすくい上げた佐々木の打球がレフトへ。東綾がこれをジャンプして好捕。ほんのわずかにタイミングがずれたためホームランにならず>
【2回裏:マクセル~0点(井俣)】
中村:一ゴロ
高崎:遊直
田中涼:空振り三振
【3回表:大鵬~0点(西村)】
増井:一ゴロ
森田:空振り三振
佐藤光:中飛
【3回裏:マクセル~0点(井俣)】
東綾:三ゴロ
阿部:四球
頼:投ゴロ二封
小野:右直
【4回表:大鵬~0点(西村)】
酒井:四球
中山:一犠打
佐々木:遊直
千原:左飛
【4回裏:マクセル~0点(井俣)】
田中梢:一飛
小林:中飛
中村:遊ゴロ
【5表:大鵬~0点(西村)】
稲垣:見逃し三振
上釜:投ゴロ(セフティバント)
増井:中前打
※代走に濱田京香
ph鷲野留美(←森田):遊ゴロ
<鷲野この回代打、代打!早くベンチに戻らなきゃ!>
【5回裏:マクセル~1点(井俣)】
※ショートに森田、捕手に増井が再出場
高崎:左前打
田中涼:一犠打
ph篠田美穂(←東綾):左飛
阿部:四球
頼:二内安
※二塁へグラブトスも判定セーフ、塁審にアピールの隙に高崎がホーム生還
小野:左飛
<頼のセンターに抜けそうな当たりを名手酒井がダイビングキャッチ!セカンドにグラブトスするも惜しくもセーフ。しかしその判定へのアピールの隙を突き、高崎が好走塁で先制のホームイン!>
【6回表:大鵬~3点(西村)】
※レフトに東綾が再出場
佐藤光:中前打
酒井:犠打野選
中山:一犠打(初球)
佐々木:右中間2点二塁打
※二塁代走に佐藤このみ
千原:左前打
稲垣:遊ゴロ(初球エンドラン成功)
上釜:遊ゴロ
<1死二三塁の場面で打席は最も頼りになる佐々木。そしてその期待には必ず応えてくれる。完璧に捉えた打球が右中間フェンス際へ>
<佐藤、酒井が生還しキャプテンのひと振りで大鵬が一気に逆転!ベンチも佐々木も大喜び>
<さらに千原のヒットでチャンスを広げると地元豊橋出身の稲垣が見事にエンドランを成功させ3点目。これでかなりの確率で勝てると思ったのだが…>
【6回裏:マクセル~0点(井俣)】
※レフトに佐々木が再出場
田中梢:左飛
小林:死球
中村:三遊間左前打
高崎:中前打
ph林杏奈:三ゴロ本封
東綾:遊ゴロ二封
【7回表:大鵬~0点(西村)】
増井:中飛
森田:左飛(東綾がナイスプレー!)
佐藤光:右直
【7回裏:マクセル~3点(井俣)】
阿部:左越本塁打
頼:左前打
※投手交代、井俣→梅津佳奈子
小野:左越えサヨナラ2点本塁打
<まずこの回先頭の阿部がレフトへソロホームラン>
<頼のヒットのあと代わった梅津から、小野が打った瞬間わかる完璧な当たり。打球がレフト佐々木の頭上を越えたこの瞬間、大鵬薬品の入れ替え戦出場と、シオノギ製薬の1部残留が決まった>
【試合終了】