3月15日(木)~25日(日)にオーストラリア・キャンベラで行われていた日本代表第1次海外強化合宿が終了し、選手達も帰国した。その合宿の締めくくりとして行われた「2012インターナショナル ソフトボール チャレンジ」での豪州代表との7試合の成績をまとめたので掲載する。
2012年の日本代表候補は23人で、今回合宿に選ばれたのが20人、捕手で眞鍋幸維(日立ソフトウェア)、内野手で松本尚子(デンソー)、外野手で永吉理恵(デンソー)が選ばれていないが、特に松本と永吉は今更わざわざ見る必要がないくらい実力は確かなので、その代わりに日体大の相馬満利とルネサスの関友希央が試しに選ばれたのだろう。
今回の7試合はオーストラリアもフルメンバーで臨んできた有意義な試合だったようだが、どうも豪州投手の状態があまりよくなかったようで、打者に関してはこの7試合の結果は参考資料程度のものだろうか。日本の選手もシーズンに入る直前と言うことでスロースターターな選手はあまり良い結果を残せていないようで、世界選手権に向けての代表選考に関しては今後のリーグでの調子なども見極めて慎重に且つ広い視野を持って公平に選んでもらいたいものだ。
ソフトボール協会のサイトに合宿報告があるのだが、それを読んでいて若干気になったのが「まだ選ばれていない選手にもチャンスはある」「夢を持ち続けている限り誰にでもチャンスはある」と強調しているところ。僕のような二重にも三重にもひねくれた人間からみると「日本代表のチャンスは“上に気に入られた選手”、”ある特定のチームの選手”、“ある特定の高校を出た選手”に特に多くのチャンスが与えられている」ようにしか見えないのだが、やっぱりソフトボール協会さんのような純粋な関係者から見たらみんなにチャンスが与えられているのがわかるのだろう。まさかアンチテーゼではあるまいし(笑)
とにかく世界選手権へ向けての選手選考に関しては注視していきたい。
しかしそれにしてもポーターと河野はよく打つ。手がつけられん。
そして最後の最後にまた鈴木がやらかしたようだ…(「第7試合」の詳細参照)。むしろこうなったら毎試合やらかすくらいのつもりで気楽に思い切りやってほしい(笑)
※注意※
結果はオーストラリア協会のサイトを慎重に転記し何度も確認してからまとめたつもりですが、間違いがあるやも知れません。ご了承下さい。
選手の「○○枠」は僕が勝手に決めつけたものです。
【日本代表・投手合計】
7試合,49.3回,防御率 2.84,被打率0.225,被安39,失点28,自責20,四球24,奪三32,死球1
【投手(別枠)】
上野由岐子(ルネサスエレクトロニクス高崎)
1試合, 2.0回,防御率 0.00,被打率0.000,被安 0,失点 0,自責0,四球0,奪三 5,死球1
染谷美佳(デンソー)
1試合, 0.7回,防御率 0.00,被打率0.667,被安 2,失点 1,自責0,四球0,奪三 0,死球0
【投手(若手次世代枠)】
栗田美穂(豊田自動織機)
4試合,17.3回,防御率 2.42,被打率0.207,被安12,失点 7,自責6,四球9,奪三12,死球0
藤田倭(太陽誘電)
4試合,17.0回,防御率 2.06,被打率0.250,被安15,失点10,自責5,四球8,奪三 6,死球1
山根佐由里(トヨタ自動車)
4試合, 9.7回,防御率 3.62,被打率0.182,被安 6,失点 6,自責5,四球4,奪三 8,死球0
【投手(育成枠)】
平原かすみ(東京女子体育大)
2試合, 2.7回,防御率10.50,被打率0.333,被安 4,失点 4,自責4,四球3,奪三 1,死球0
※上野は顔見せでさすがの投球。春先の染谷は問題外。正直、ここ数年はシーズン前に投げてるのを見たことすらない(笑)しかしシーズンに入ればちゃんと仕上げてくるから大丈夫。
※若手枠の3人はほぼ横並びの好成績。栗田は回途中にリリーフで出た7戦目に試合への入り方に失敗し2失点したのが痛かったが、次の回はきっちり3人で抑えた。藤田も初戦完投、防御率も2点ちょっとと実力発揮。代表経験豊富な山根も少ない回ながら三振が取れることを示した。3人の競争はこれからが本番。
※平原は去年から毎回選ばれてるのだが、正直まだしんどいんじゃないだろうか。良かったことが一度もない
【日本代表打者・合計】
7試合,打率0.273,198打数,54安打,37打点,40得点,32四球,33三振,7二塁打,3三塁打,2本塁打
【捕手】
峰幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)
6試合,打率0.313,16打数,5安打,4打点,2得点,2四球,0三振,1二塁打,0三塁打,0本塁打
渡邉華月(トヨタ自動車)
5試合,打率0.143, 7打数,1安打,2打点,0得点,2四球,3三振,0二塁打,1三塁打,0本塁打
※捕手はこの二人が実力的にちょっと抜けているので怪我でもしない限り決まりか。眞鍋もいいんだけどなあ…。峰は代表4番も板に付いてきた。
【内野手(一塁手)】
大久保美紗(ルネサスエレクトロニクス高崎)
7試合,打率0.235,17打数,4安打,3打点,4得点,5四球,1三振,1二塁打,0三塁打,0本塁打
濱本静代(日立ソフトウェア)
5試合,打率0.400,10打数,4安打,3打点,4得点,3四球,1三振,1二塁打,1三塁打,1本塁打
※濱本の打撃は本物。直接見ていないが迫力としては山田以上だったかも知れない。大久保は打率は低いが第2戦で必殺のファール打ちを披露して2四球を選んだ。
【内野手(二遊間)】
西山 麗(日立ソフトウェア)
6試合,打率0.188,16打数,3安打,2打点,5得点,3四球,1三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
鈴木美加(トヨタ自動車)
7試合,打率0.067,15打数,1安打,1打点,1得点,1四球,6三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
※西山も体調の問題さえなければ「別枠」扱いだろう。唯一今回不満が残ったのが鈴木。いくら春先不調とはいえちょっとエンジンかけるのが遅すぎた。松本が控えているので、開幕からフルスピードで巻き返さないと。
【内野手(三塁手)】
古田真輝(豊田自動織機)
6試合,打率0.273,11打数,3安打,4打点,0得点,3四球,3三振,1二塁打,0三塁打,0本塁打
坂元令奈(トヨタ自動車)
5試合,打率0.444, 9打数,4安打,2打点,4得点,3四球,1三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
※この二人は悩ましい。右打ちの大砲、本職サード、ともにクラッチヒッターとタイプがとても似ている。成績も似ている。内野を複数守れるし、どちらも外しがたい選手だ。
【内野手(育成枠)】
相馬満利(日本体育大)
5試合,打率0.000, 8打数,0安打,2打点,1得点,2四球,2三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
※ヒットは出なかったが、そこそこ試合に出てしっかり守って、犠打も決め四球も奪った。初のフル代表としては及第点をあげたい。
【外野手(別枠)】
山田恵里(日立ソフトウェア)
7試合,打率0.286,28打数,8安打,5打点,6得点,1四球,5三振,0二塁打,1三塁打,0本塁打
河野美里(太陽誘電)
7試合,打率0.471,17打数,8安打,6打点,4得点,2四球,0三振,0二塁打,0三塁打,1本塁打
※この二人は世界的に見ても別枠。河野は今の日本で最強の打者だろう。山田が現役でいる間に是非とも世界選手権で優勝しておきたい。できれば何連覇も。
【外野手】
岩渕有美(ルネサスエレクトロニクス高崎)
6試合,打率0.222,18打数,4安打,0打点,5得点,2四球,7三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
藤野遥香(トヨタ自動車)
5試合,打率0.313,16打数,5安打,1打点,1得点,3四球,1三振,3二塁打,0三塁打,0本塁打
関友希央(ルネサスエレクトロニクス高崎)
7試合,打率0.400,10打数,4安打,2打点,3得点,0四球,2三振,0二塁打,0三塁打,0本塁打
※藤野は5戦目での4打数4安打、関は3戦目での4打数3安打が効いた。ひとまず今回は3人ともそれぞれ持ち味を生かして活躍。外野では他に永吉理恵が控えているので残りは1枠か。バランスを考えると右の藤野を選びたいが、果たして。
【日本代表のページ】
【第1試合詳細】
【第2試合詳細】
【第3試合詳細】
【第4試合詳細】
【第5試合詳細】
【第6試合詳細】
【第7試合詳細】
【2012年世界選手権・予想(希望)代表選手】
(17選手、4月8日決定)
※長崎望未も、鈴木美加も入れたいのだが、まあ候補者から実力的に考えたらこの17名で決まりだろう(順不同)。
【投手】
上野由岐子(ルネサスエレクトロニクス高崎)
染谷美佳(デンソー)
栗田美穂(豊田自動織機)
山根佐由里(トヨタ自動車)
藤田倭(太陽誘電)
【捕手】
渡邉華月(トヨタ自動車)
峰幸代(ルネサスエレクトロニクス高崎)
【内野手】
濱本静代(日立ソフトウェア,1B&DP)
大久保美紗(ルネサスエレクトロニクス高崎,1B&DP)
松本尚子(デンソー,2B&SS&PR&3B)
西山麗(日立ソフトウェア,SS&2B)
坂元令奈(トヨタ自動車,3B&2B&DP)
古田真輝(豊田自動織機,3B&DP&1B)
【外野手】
山田恵里(日立ソフトウェア,CF)
河野美里(太陽誘電,RF&DP)
藤野遥香(トヨタ自動車,LF&RF&PH)
永吉理恵(デンソー,LF&PH&PR)