※表記は「(背番号/ポジション) 選手名 (在籍年数または出身校)」
【太陽誘電】
退団選手:3人
( 7/SS)水谷直子(15年)→マネージャーとして残留
(11/ C)谷川まき(8年)
(28/OF)和田千鶴(7年)
新人選手:1人
(25/IF)丸本里佳(京都西山)
※退団選手
長年、誘電のショートを守ってきた水谷直子が引退した。200本安打も達成したし、後継者もようやく育ってきた。自身も昨年は怪我をしながらも1年間バックアップとしてチームに帯同し、最大限の貢献もしてきた。もう十分やりきったと清々しい気分での引退になっただろう。それにしてもマネージャーが水谷でスコアラーが廣瀬芽というのはなんとも豪華すぎる(笑)
山路監督の後継者であり数々のホームラン記録を作ってきた谷川まきの引退も今年の衝撃の一つだった。昨年も日本代表に選ばれて活躍していただけに残念でならない。ルネサスの蔭山や山本と同じような感じなのだが、この3人にはどういう形ででもいいからやっぱりいつかはソフトボールに戻ってきて欲しい。
主に代走で活躍していた和田千鶴も昨年で引退。7年間で12打席だったが、ヒットは3本放った。控えめで大人しくどことなくつい応援したくなる選手だった。
※新加入選手
今年は内野手の丸本理佳が一人だけ加入。ホワイトビッキーズからスタートして京都西山と、京都のソフトボールのエリートコースを経て誘電へ入社。丸本のプレー自体はあまり見たことはないが、この進学コースを経てきた選手には外れがないのできっといずれは主力選手として活躍してくれるだろう。
【デンソー】
退団選手:6人
( 5/IF&OF)衣笠久美(7年)
(13/ P)アイリーン・キャニー(1年)
(18/ P)安永ゆり(3年)
(21/1B)新崎涼子(5年)
(27/ C)田中麻里奈(4年)
(33/IF)メーガン・ランゲンフェルド(1年)
新人選手:6人
( 4/OF)西岡宏華(伊勢女子高→園田学園女子大)
(13/ P)近藤光(神戸野田高)
(21/ C)岡田佳織(伊那学園総合高→山梨学園大)
(24/OF)齊藤優華(とわの森三愛高)
(27/OF)メーガン・ウィギンス(アメリカ出身)
(77/ P)ジョーダン・テイラー(アメリカ出身)
※退団選手
サードでベストナインも獲得したこともあり、ファーストも外野も守れた衣笠久美が引退した。キャプテンをしたこともある選手だったのだが、いつもどこかちょっとズレた感じのところがあるボケキャラ。でもそれが如何にも「衣笠久美」と言った感じでみんなから愛されて(おちょくられて)いたような気がする。揖保の糸のように綺麗な弾丸ライナーのホームランを見たこともあるが、ふと目を閉じると思い出されるのが、子供達との入場行進時に一人だけ反対に手を繋いでいたりとか、松岡家結婚式の二次会のビール早飲ませ大会で優勝したりとか、なぜかそんなことばかり。どうも済みません(笑)でも2011年10月24日、シーズン最後の試合が終わったあと、ダイヤモンドを一周しホームへヘッドスライディングした衣笠の姿には、みんなが涙した。
安永ゆり、新崎涼子と言えば我らが「デンソーBチーム」のエースと4番打者。安永は使われ方に気の毒な部分が大きかったが、それでも一昨年に投手になってからは、かつて小学生時代に全国制覇したこともある経験を生かしてソフトボールセンスのあるところを見せてくれた。新崎はパンチ力のある将来性豊かな素材だったが、デンソーでは結局持っている力の半分も出せずに選手生活を終えてしまった。デンソーも良いチームだが、もっと自由奔放にバットを振れる下位のチームにでも進んでいたらなあと残念に思ってしまう。
田中麻里奈と言えばなんと言っても昨年の刈谷大会織機戦での7回2死無走者からの同点ホームラン。あの一打が凄すぎたのでまさかこんなに早く引退してしまうとは思わなかったが、あの一打はずっと思い出に残るだろうし、ファンの記憶にも残り続けるだろう。
※新加入選手
学生ソフトボールの情報をほとんど知らない自分でも聞いたことがあったのが園田学園女子大時代にインカレ決勝戦で決勝ホームランを放った西岡宏華。Hondaの西岡里恵の実妹で三重県出身ということも注目ポイントの一つだ。山梨学院大の岡田佳織も、たまたま昨年トヨタSCに練習試合に来たときにホームランを打ったので覚えていた。体も大きくてなかなか良い選手だ。
高卒新人ながらこの春のオープン戦、県大会と投げまくっていたのが近藤光。神戸野田高出身の左腕といえばなんと言ってもリーグ屈指の左腕・安福智だが、この近藤はその大先輩安福に少しでも近づくことが出来るだろうか。
【Honda】
退団選手:4人
( 1/CF)大橋美奈(6年)
( 2/2B)中村瞳(11年)
(13/ P)サラ・パウリー(1年)
(31/ P)金谷麻美(6年)
新人選手:5人
( 1/OF)結城典子(福岡大附属若葉高→東海学園大)
(12/OF)横山薫(湘南学院高→淑徳大)
(22/ P)モーガン・メロー(アメリカ出身)
(24/IF)菊池優里(埼玉栄高)
(25/IF)森山遥菜(佐賀女子高)
※退団選手
スルガ銀行の生き残り選手でもあったHondaが誇る名セカンドの中村瞳もついに引退してしまった。何を隠そう、2010年に大鵬薬品の中山亜希子がブレイクするまでは、この中村が日本リーグで一番好きな選手だった。とにかく小さい体でセカンドの守備位置を駆け回り、果敢に打球に飛び込んでは全ての打球をダイビングキャッチした。少なくとも1試合に1回はファインプレーを見せてくれる選手で、本当にわくわくさせてくれるセカンドだった。正直、引退するとは全く想像していなかった。こんなことならもっとHondaの試合を見に行けば良かったと悔やんでも悔やみきれない。中村が引退したことで、スルガ銀行を知る選手は日立マクセルの高崎千恵ただ一人となってしまった。
昨年、6年目にして初めて日本代表に大抜擢され、USAカップにも参加した大橋美奈も早すぎる引退を決めた。3年目から4年目にかけて、なかなか試合に出られない現状や今後の人生も考えてこのままソフトボールを続けるべきか真剣に悩んだようであったが、悩んだ末に続けると決めた後からの大橋の成長には目を見張るものがあった。もともと足が速く肩が強かっただけの選手が、守備に安定感が出てスラップバッティングも自分のものにしHondaでは不動のレギュラーを獲得した。2011年夏の日本代表には足で選ばれたが、その後もバッティングに力強さが増し、リーグの最終節ではもの凄い当たりのホームランを放つほどの選手になっていた。ソフトボール選手として最高の状態で引退することになったが、ただ大橋に関してはその終わり方こそが彼女の「美学」のような気がする。もちろんもっともっと成長した姿を見たかったという意味ではとても「残念」なのだが、それ以上に「良いプレーを沢山見させてくれて本当にありがとう」とただただ感謝したい。
コーチから再び選手登録をしていたかつてのホームラン王の金谷麻美は二度目の引退。震災直後でしかも被災地に近い栃木のチームであるHondaに春から合流し試合に出続けてくれたサラ・パウリーには、日本に来てくれたことに対して一人の日本人として心からお礼を言いたい。
※新加入選手
今年は一度も見ていないHondaの新人選手に関してはノーアイデア。どんな選手なのかプレーを見られるまで楽しみをとっておこう。
【日立マクセル】
退団選手:3人
( 9/ C)中村祥子(5年)
(19/LF)東綾華(6年)
(34/ C)河瀬朝子(3年)
新加入選手:0人
※退団選手
大阪大谷大の大学院を経てから日立マクセルに入り、3年やってから一度は第一線を退き2年間チームスタッフ、2010年に再び現役復帰した中村祥子が今回二度目の引退となった。そんなわけでベテランでありながら実働が5年間という短い期間になっているが、スタッフ時代や入れ替え戦勝利した2010年、初の1部残留を決めた2011年と中村がチームに果たした役割は非常に大きかったに違いない。キャッチャーとしてチームをまとめ投手を引っ張ったのはもちろん、ここぞという場面で決め打ちしホームランを放つ意外性のあるバッティングが印象に残っている。
昨年1年間キャプテンを務め、チームを初の1部残留に導いた東綾華も去年で引退し、今年はマネージャーとしてチームに残った。9番レフト(あるいはライト)が定位置だったが、堅実な守備と、相手が油断したときにたまに出るヒットが余計にダメージを与えるような、そんなタイプの選手だった。笑顔の可愛いかった選手で、その笑顔とプレースタイルともに妹の遙菜が後を引き継ぐことになった。
河瀬朝子はキャラクター的に愛されるタイプの選手だったようで、彼女が代打で出てきたときの盛り上がりは今でも覚えている。せめて一部の舞台で1本でもヒットを打たせてあげたかった。
※新加入選手
【太陽誘電】
<200本安打を達成し祝福される水谷直子>
<2011年の開幕戦での谷川まき>
<2011年開幕戦で代走に出る和田千鶴>
【デンソー】
<2011年刈谷大会で自身3本目のホームランを放った衣笠久美>
<2010年秋の東海オープンで投げる安永ゆり>
<2008年春のトヨタカップでの新崎涼子>
<2011年織機戦で起死回生の同点ホームランを放った田中麻里奈>
【Honda】
<2008年佐賀大会対日立マクセル戦、0-0の6回2死満塁でマクセル栫(かこい)の強烈なライナーをダイビングキャッチしてピンチを救った中村瞳>
<中村瞳のファインプレー>
<2011年開幕戦でヒットを放つ大橋美奈>
【日立マクセル】
<2011年開幕戦での中村祥子>
<2011年開幕戦での東綾華>