【今週末、第52回実業団女子選手権開催】
きたる27日(金)より3日間、7月最大のイベント、待ちに待った“2部リーグ以下の(実業団)チームの、2部リーグ以下のチームによる、2部リーグ以下のチームのためだけの大会”、「全日本実業団女子選手権」が開催されます(しかしクラブ選手権と丸かぶりなのが何とも残念)。
今年の特徴は佐川急便グループから4チームも出場すること。これだけ佐川急便関連のチームがあれば、どこかに高木美晴さんが紛れ込んでいても決しておかしくはありません。というか80%くらいの確率で紛れ込んでいるでしょう。
しかし1部所属のトップチーム以外にも4チームも持ってるなんて、ここまでソフトボールに貢献してくれている佐川急便という会社はファンにとっても本当に感謝してもしきれない素晴らしい会社です。
これだけやってくれるなら、予定時間より1時間も早く荷物が運ばれてきても、僕は決して何の不平も言いません(キッパリ)。
しかしこの時期の大会の開催場所がよりによって兵庫県の「高砂」市とはどうでしょうか…。「高温の砂漠」、「高熱の砂地獄」、略して「高砂」。あ~想像しただけで暑くて死にそう…。
【優勝は『島根三洋電機』と予想】
さて優勝予想です。願望もかなり入っていますが島根三洋を優勝に予想します。
前回島根三洋が優勝したのが2005年で、現在エースの古瀬由梨亜が入社したのが2006年。島根三洋はここ最近も総合や国体ではいつもいい試合をしますが、2006年以降はどのレベルの全国大会でも1位にはなってはいないはず。そろそろエースの古瀬に一番上を取らせてあげたいという願いも込めての予想となりました。
昨年は決勝戦で1イニング20点とか無茶苦茶やってしまって予想通りに戸田中が優勝。2010年も予想通りに靜甲と日立マクセルの一騎打ちになり、2009年も予想通り靜甲が危なげなく優勝。2008年の優勝は三島中央病院でしたが、実は決勝戦で優勝候補でその年2部1位の伊予銀行が勝っている段階で雷を伴う豪雨になり試合が中止。翌日再試合で三島中央病院が優勝というイレギュラーな形でした。つまりここ数年は予想通りのチームが優勝していることになります。
しかし今年は中堅どころのチームが力をつけてきたのと、伊予銀行や靜甲が戦力ダウンしたことで群雄割拠。5年ぶりくらいにどこが優勝するのか予想ができない面白い大会になりそうです。
【各試合予想】
では当たる確率が限りなく50%に近い勝敗予想を始めます。
外れるほど面白い大会になるはずなので、特に佐川急便やイカイの選手たちには番狂わせを期待します!
<1回戦>
【佐川急便中四国vs.東海理化】
○90%:東海理化
確認情報によると佐川急便中四国には元太陽誘電の川原若菜と元大鵬薬品捕手の眞鍋が所属している。
川原で思い出すのは2008年の最終節豊橋大会。あの「世界のミッシェル・スミス」から右中間に火の出るような当たりの二塁打を放ったのだ。ミッシェルとなんて対戦したことがあるだけでも自慢できるのに、リーグの公式戦で二塁打なんてそれこそ一生自慢できるようなこと。ブランクあるけど、今もあのバッティングは健在だろうか。
とはいえ、2部の強豪東海理化がそう簡単に負けることはないだろう。
序盤で大量点を奪い、先発の西川英里奈を早々にスイッチして東海理化が快勝、と予想する。
【佐川急便九州vs.ドリーム☆ワールド】
○90%:ドリーム☆ワールド
佐川急便九州には、元佐川急便1部チームでも活躍し小倉商時代は栗田美穂に投げ勝って選抜優勝も果たした豆タンク外山美紀が所属しているらしい。
外山にあと10㎝、いや5㎝でもいいから上背があれば打って投げて1部リーグでも屈指の選手になっただろうに、ありあまる素質がありながらも1部は早く引退してしまった。それでもこうやって再びプレーを見られるのが嬉しい。
とはいえ、2部の強豪ドリーム☆ワールドがそう簡単に負けることはないだろう。
序盤で大量点を奪い、先発の松村綾菜を早々にスイッチしてドリーム☆ワールドが快勝、と予想する。
【ペヤングvs.佐川急便関東】
○95%:ペヤング
佐川急便関東と言えば、元佐川急便トップチームに所属していた横浜清風出身の長山祐子が2年前までは所属していたが、今もいるだろうか。1部は2年で引退してしまったが、数少ないリーグで投げていた姿をしっかり覚えている。去年までイカイにいた投手の薄井友美も今年から佐川関東に移籍したらしい。
とはいえ、2部の強豪ペヤングがそう簡単に負けることはないだろう。
序盤で大量点を奪い、先発の菊池遥を早々にスイッチしたくても他の投手が小長井しかいないのでそのまま菊池が完投してペヤングが快勝、と予想する。
【大和電機vs.イカイ静岡】
○80%:大和電機
佐川急便の4チームには及ばないが、イカイグループからも2チームが参戦。去年今年と同じ静岡のNECアクセステクニカが不参加なのが、ことこういう場面ではイカイにチャンスを与えるいい方向に働いている。
イカイ静岡には元東海理化の若松梨沙や、去年までイカイにいた江藤真美が所属しているはず。江藤は大分県の東九州龍谷では元シオノギの佐藤早苗さんや東芝北九州の笹田知里の確か一つ下でそのあと福岡大学に進んだはず。去年イカイの試合を見たときに唯一怪我で見られなかった選手でもある。
大和電機は去年までの戦力が一気に減って前半苦しんだが、新人の渡辺由美が良いので1回戦は無難に勝利するだろう。
【佐川急便中部vs.靜甲】
○60%:靜甲
靜甲の勝利予想だが叱咤の意味も込めて確率はうんと下げた。
本来なら優勝候補の筆頭になるべきチームだが、今年はとにかくヒットが出ずにホームが遠い。先日ミナモに敗れた総合予選でも増淵まり子相手とはいえヒットは中村夏美の2本だけ。ミナモカップでもデンソーには完封負けで、勝った大学相手にもヒットは4本。打線が湿りっぱなしだ。
その靜甲と1回戦で当たるのが同じ東海地区の佐川中部。お互いに知らないチーム同士じゃないが、逆にその「靜甲はよく打つ」というイメージを捨ててかかることが佐川中部にとって大事。しっかり守って僅差勝負に持ち込み、エースの浦上純奈が好投すれば佐川中部が勝つ可能性も大いにある。
靜甲としてはとにかくエースの鈴木麻美に負担をかけないように1回戦1回表から打線が爆発するしか優勝の可能性はない。
【カネボウ化粧品小田原vs.島根三洋】
○75%:島根三洋
実業団大会に参加する2部チームの中で唯一今年未観戦のチームがこのカネボウ小田原。
実力的には島根三洋が上だが前半戦の対戦ではカネボウが勝利している。しかも4敗の島根三洋だが、NEC、ペヤング、ドリームという強豪には0-1、0-1、1-2と1点差の惜敗なのに、カネボウ相手には2-4と2点差。3節終了で3敗ならまだ十分可能性はあったのだが、このカネボウに負けた1敗が今年の島根三洋にとって非常に痛かった。
苦手意識のようなものもあるのかも知れないが、前半の借りを返す意味でも島根三洋はこの試合は絶対に負けられない。カネボウとしては気負いこんでくる島根相手に前半戦の結果をふたたび。
【日本精工vs.YKK】
○55%:日本精工
今年の前半を見る限り日本精工が一番の優勝候補になるかと思ったが、リーグ終了後にガクッと調子が落ちてきた。
前半戦快進撃の時は4番安井聖梨奈と5番大満百央の若い二人が打ちまくっていたのだが、この二人がサッパリ打てなくなって6月の全日本総合予選でも園田女子大に負けてしまった。その後に見た島根三洋との練習試合でも特に大満が不調でちょっと長引きそう。
逆にYKKは2番手の血分智香がいいので坂本佳子との2枚体制でアドバンス1位の日本精工相手に互角の勝負をするような気がする。
【イカイvs.伊予銀行】
○95%:伊予銀行
チーム力的には2部の中では頭一つ抜けていながら、今年は試合ごとに好不調の波が激しくなかなか勝ちきれない伊予銀行。ただ選手個々の能力は高いのでこういう力量差のあるチーム相手には全く危なげなく大勝するはず。
とはいえ次の2回戦を考えてなめすぎると前半戦の湘南ベルマーレ戦のように何が起きるかわからないので、しっかり打って早々に大差をつけて安心して勝ちたい。
イカイは昨年までいた元ウェルネスの安次富愛や北翔大出の原井未菜が辞めてしまったので個人的に知ってる選手がいなくなってしまった。でも元日立ソフトウェアの菅原綾乃や、元レオパレスの山下美奈子、元ルネサスで左投げショートの益田沙弥香、元マクセルの加茂香織はまだ元気に頑張ってる様子。
<2回戦>
【東海理化vs.ドリーム☆ワールド】
○80%:ドリーム☆ワールド
どうなるか予想がつかない対戦。昨年のリーグでの戦績では相性がいいようで東海理化が2勝しているが、今はあまり関係ないだろう。
3節最終戦で島根三洋に負けたドリームだが今年はそこまでは全勝。逆に甲賀に2敗したように今一つ乗り切れないのが今年の東海理化。ここは無難にドリームの勝利か。
【ペヤングvs.大和電機】
○85%:ペヤング
今年のリーグではペヤングが勝利しているが、4-2といい勝負。しかし試合展開的にはそれほど危なげはなかったような記憶がある。
直前の奥多野交流戦を見ても、森投手の太陽誘電相手に快勝するように、ペヤングは今は調子が上がってきている感じがするので、大和電機が善戦したとしてもペヤングの勝利は堅いか。
【靜甲vs.島根三洋】
○60%:島根三洋
2回戦屈指の好カード。
靜甲の鈴木麻美、島根三洋の古瀬由梨亜と言えばリーグでも常に僅差の投げ合いを演じる、2部ファンにとっては楽しみな対戦。
ゆえにここで両投手が死闘を演じてしまうと、勝ったとしても準決勝以降では完全に力尽きてしまい相手を利するだけ。両チームのファンとしては、出来れば接戦も見たいがどちらかが早めに勝負を決めてほしいというジレンマもある。
しかし予想通りに接戦となり0-0のまま迎えた7回裏島根三洋の攻撃、2死一塁から代走で出たチワワの諭吉が二盗、三盗。三盗の時に捕手からのボールが耳に当たりレフト側に点々とする間に諭吉が生還、島根三洋がサヨナラ勝ち。
【日本精工vs.伊予銀行】
○55%:伊予銀行
ここも好カード。前半戦は日本精工がエースの曽根原一葉を温存しながら吉田遥香が好投して完封勝利したが、今度は曽根原がどんなピッチングをするか。
ただ先にも書いたが打線、特に地元須磨ノ浦出身の大満百央の調子が上がってこないと日本精工は苦しい。
接戦になりながらも最後はこちらも地元園田大出の近藤琴美がタイムリーを放ち伊予銀行が勝利する。
<準決勝>
【ドリーム☆ワールドvs.ペヤング】
○55%:ペヤング
同じ年に2部リーグに参入し、同じように強くなって毎年同じような成績を収めている因縁のライバル対決。
この試合もどちらが勝ってもおかしくない好ゲームになるが、奥多野交流戦での戦いを見ると今はペヤングが1部相手にも腰を落ち着けた戦いを出来るくらいにチーム状態はいい。リーグではドリームが0-10という大差で勝利しているが、何があったのか、今のペヤングの状態からは想像しにくいくらいで、ここはペヤングの勝利か。
この戦いに勝利したペヤングが後半戦に向けても弾みをつけそう。
【島根三洋vs.伊予銀行】
○52%:島根三洋
この試合の見所は、何と言っても伊予銀行のファースト加藤文恵の声に島根三洋のチワワの諭吉が反応して一緒に吠えるかどうか。
って、加藤の声はラッパじゃねぇ。
島根三洋1点リードで迎えた7回裏伊予銀行の攻撃、疲れの見えた古瀬を攻め無死満塁の大チャンス!
ここで待ってました、島根三洋伝家の宝刀「グランドへのチワワの諭吉の乱入」により試合が中断。押せ押せの反撃ムードをぶち壊された伊予銀行打線が古瀬の前に三者三振でゲームセット。
<決勝>
【ペヤングvs.島根三洋】
○51%:島根三洋
決勝戦は予想通りに勝ち上がったペヤングと、接戦をものしてきた島根三洋の対戦。
もちろん先発はペヤング・小長井実希子と島根三洋・古瀬由梨亜のエース同士の対決。
試合は灼熱の太陽降り注ぐ35℃の炎天下で、両投手が必死の投球を続け2-2のまま延長に。
チワワの諭吉も結局は犬。この暑さにやられベロを出したまま白目をむいて半死半生の状態で、全く使い物にならず。
そして延長8回裏、7番打者の投手古瀬が優勝を決めるサヨナラホームランを右中間に叩きこみ、島根三洋が7年ぶりに実業団大会での優勝を決める。
<自分でみてもどうかと思うような当たらなさそうな予想(笑)>
<第52回実業団大会結果詳細>