【2012年/第64回全日本総合女子ソフトボール選手権:4日目最終日の結果】

(A-7)
【準決勝】
トヨタ 000 0001…1
Honda 000 0000…0


【コメント】

 Hondaは満を持してのメローが登板。
 ここまでどんなに危ない試合でも我慢してメローを温存してきた濱中監督の期待に応えるべく好投してトヨタを抑え込んだが、最後に力尽きた。

 

(B-7)
【準決勝】
ルネサス高崎 100 0000 1…2
豊田自動織機 010 0000 0…1

【コメント】

 岩渕のタイムリー、古田のホームランで1-1のまま試合は延長へ。
 延長8回タイブレイカー、無死二塁で市口がバントした打球が投手、三塁、一塁の間に小フライになる。
 これにダイビングしたファーストの古田が好捕。二塁を見るとセンターの狩野がカバーに入っており、飛び出した二塁走者を刺すためにすぐさま起き上がって二塁へ送球した。
 実はこれとほとんど同じ状況が2004年の決勝トーナメントでの優勝決定戦であり、その時はレオパレスの藤本が上げた小フライをファーストの長澤がキャッチし、二塁カバーに入ったセンター狩野に送球して併殺を完成させるというビッグプレーになった。しかし今回はファーストの古田がダイビングキャッチだったというのが大きな違いだったのだろう。すぐさま起き上がって送球するも、暴投ではないがやや低い送球となり、運悪く戻ってきた走者と交錯してしまう。狩野もこの送球を捕球できず後逸したボールがセンターフェンスまで転がる間に二塁走者が生還。ここを抑えていれば勝利も見えてきた展開だっただけに、非常に惜しいプレーではあるが、しかし全てが紙一重のプレー。これはさすがに運が悪かったとしか言えない誰も責められない結果だろう。
 0-0で来た延長戦で、二塁カバーに入ったセンターに一か八かの送球は「無謀」と普通は思うかも知れないが、しかしこの試合は相手が上野。守る方も勝負。攻めて攻めて攻め抜かないと上野は倒せない。そういう意味では、普段は堅実なプレーしかしない古田のこのアグレッシブな判断は、ファンとしてむしろ賞賛したい。
 敗れはしたがリーグ戦で後のない織機にすれば、十分後半戦に向けて自信を取り戻せる大会になったのではないだろうか。目指すは後半戦全勝だ。

(A-8)
【決勝】
トヨタ自動車 000 0000 0…0
ルネサス高崎 000 0000 1…1

【コメント】

 延長8回裏。無死からアボットの高投を渡邊がパスボールで走者を三塁に進めてしまう。ここで次打者の宇野がスクイズを一度失敗し2ストライクとなったあとに再びバント。
 しかしこの宇野のバントがファールチップになりスリーバント失敗。
 しかしそのファールチップが宇野の右膝辺りに当たって跳ね返ってアボットの前に転がる。
 とりあえず跳ね返ってきたボールを捕ったアボットは一塁に送球するも、明らかに体に当たって跳ね返っており、スリーバントからのファールチップが体に当たってる時点でボールデッドなのでひとまずボールを受けたファーストもあれ?といぶかしんでいる間に三塁走者が生還。
 なんと判定はフェア。これで1点が入り、試合が終わってしまった。
 もちろんルネサスが絶好のチャンスの場面だったので有利なのは明らかだが、しかしあそこまで明らかなファールが体に当たって跳ね返った打球をフェア判定されてのサヨナラでは納得しろと言われても土台無理な話。あれはひどい。
 非常に後味の悪い2012年の全日本総合になってしまった…。
 個人的には雨で延期になったのもあるし、今年の決勝戦は成立しなかったこととして処理したいと思う(笑)

キャプション画像出典「ソフトボール協会さん動画」

 

 ただ球審の方に同情するのは投手がアボットだったこと。であの剛球がファールチップして足で跳ね返ったら、むしろ近くでしかも真後ろから見てるほど見えにくかったのかも知れない。
 ただ野手はほぼ全員ファールと気づいていたようだし外から見ていても明らかにファール。そもそも打球の質でなんとか解らなかっただろうか。せめて塁審さんなどと協議して判定を改めて欲しかった…。

※※

 余談だが実はこれと全く同じ状況をオープン戦のトヨタカップで見たことがある。

 その時は靜甲の萩藤が打者で、ファールチップした打球が腹を直撃してコロコロと前に転がる。
 しかし審判が何も言わないから、仕方なく萩藤も走ったらボールが一塁に送られ、なんと判定はフェアで打者はアウト。
 この時、ちょうどファールチップし、腹に当たってる瞬間の写真を撮影したのと、オープン戦ということもありその判定で審判員が試合後に議論しているのを見たので参考証拠になるだろうとその写真を見せてあげた。
 するとそのハッキリと体にボールが当たっている写真を見た上で言った言葉が「この写真ではわからん」だった。正直開いた口がふさがらなかった。
 さらに衝撃的だったのが「俺たちプロはそういうところを見ない。打者を見る。あいつは一塁に走っただろ?あれが証拠だ。体に当たっているなら走らない。走っているということは当たっていない証拠だ」という発言だった。そもそも萩藤は審判がファールともフェアとも何も言わないから仕方なく走っておいただけであって、それで判断されたらたまったもんじゃない。
 ただその時の僕の気持ちは「これはもうダメだ」とうい完全に諦めた心境で、もはやこれ以上この人に証拠を見せても無駄だな、という絶望した気持ちになった。もちろんこれは愛知県の一地区でふんぞり返るある審判長に対してだけではあるが。

 長くなって申し訳ないが、今回のプレーでも動画を見ても明らかに打者の体に当たっている。
 しかし打者は取りあえず一塁に走っている。それを見て「打者が走っているのだからそれは当たっていない証拠だ」と思って判定を反省しないなら。もはや救いようがない。果たしてどうだろうか。

 

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