【卯之町の町並みと愛媛国体開始式】

さて、今日10月1日から「愛媛国体(愛顔つなぐえひめ国体)」のソフトボール競技が開催されます。
前日は松山市で、天皇皇后両陛下を御招待しての総合開会式が行われ、ソフトボール成年女子も卯之町にて「開始式」が行われました。
その開始式、レセプションの様子と、卯之町の町並みを紹介しましょう。

 


##【歓迎レセプション】

開始式が行われたのは卯之町駅からすぐ近くの「西予市総合文化会館」。
昨年の全日本実業団選手権大会の開会式もここで行われました。
開始式の前には歓迎レセプションが行われ、女性だけのグループの「おイネ太鼓」の皆様による演武が披露されました。

<女性ばかりの和太鼓集団「おイネ太鼓」の皆さんによる歓迎の演武。「おイネ」の由来は下に>


このおイネ太鼓の「おイネ」とは、歴史上有名なシーボルトさんとお滝さんの間に生まれた一人娘の「楠本イネ」さんのこと。

<江戸時代に日本にやってきたシーボルトさんの一人娘、「おイネ」さん(卯之町の先哲記念館にて)>

その後シーボルトは国外追放されますが、その時に高弟の二宮敬作さんらに「おイネとお滝を頼む」と言い残して日本を去ります。
おイネさんは成長すると、自分もオランダ語を勉強したい、書物をもっと読みたいと思うようになります。
江戸時代ですから、そんな娘を見た母のお滝さんは「女に学問は要りません。いいお嫁さんになれませんよ」と書物を取り上げます。
それでも隠れて書物を読む娘に手を焼いたお滝さんが、その頃卯之町に住んでいた二宮敬作さんに「娘を注意してあげてください」と手紙を出します。
それを読んだ敬作さんは逆にお滝さんを諭し、「そんなに学問したい気持ちが強いのなら続けさせてあげてください。私で良ければ受け入れて学問を教えますよ」と手紙を書きます。
そしてわずか13歳のおイネさんが単身長崎から卯之町にやってきて、二宮敬作さんに師事し、医学の道を歩みだしました。

当時では珍しがられる「あいのこ」として生を受け、かつほぼ完全に男社会であった医家の道に進み、日本で最初の女医となったおイネさん。
そんな時代を切り開いた女性のおイネさんと繋がりの深い卯之町で、成年女子のソフトボール競技が行われるというのも、何か感慨深いものがありますね。

<おイネさんが師匠とした卯之町の偉人「二宮敬作」さん。貧しい人からは診療代をもらわず「医聖」と呼ばれました(卯之町の先哲記念館にて)>


<その敬作さんを頼って同じシーボルトの門人で幕府に追われていた高野長英さんが逃げてきたこともあります>

<おイネさんに関しては吉村昭の小説「ふぉん・しいほるとの娘」に詳しいです。卯之町に潜伏したこともある長英さんに関しては「長英逃亡」で。でもどっちも上下で1300ページくらいある大著>



必要以上に長くなりました。

長くなりついでに、、(笑)
実はその「おイネさん」には一人娘の「おタカ(楠本高子)さん」がいました。おイネさんも若い頃は美しかったそうですが、娘のおたかさんがこれまた絶世の美女。
おイネさんは卯之町の「医聖」と呼ばれた人間的にも学問的にも素晴らしい二宮敬作さんを師匠としましたが、娘のおたかさんはその二宮敬作さんの甥っ子で、これまた学問、人格に優れた「三瀬周三(諸淵)」さんに嫁ぎます。
そういう意味でもおイネさんとこの卯之町は切っても切れない深い仲なのです。
ちなみに、そのおタカ(楠本高子)さんは「銀河鉄道999」の「メーテル」のモデルとしても有名です。

<江戸時代で一番の美人(と個人的には思う)のおタカ(楠本高子)さん>



<和太鼓演奏の最後は選手を何人か壇上に呼んで踊りました>
<滋賀県から壇上に行くなら村井彩乃選手だろうなと思ったらやっぱり行った(笑)>
<もうちょっと大勢いってほしかったな。みんな恥ずかしがりなんだから。こういうところに上野が行けばちょっとは印象変わるのに、絶対に行かない>


<兵庫県と愛媛県の顔ぶれが意外(笑)>


##【開始式】

<開会式、ではなく「開始式」なんですね。司会には手話もつきます>
<お偉いさんの挨拶もあり>
<選手紹介もあって>
<最後は愛媛県代表の主将、對馬弥子選手による選手宣誓で締めました。>


##【試合会場、大会前練習など】

<この愛媛新聞の記事は昨年のプレ大会(実業団選手権)の決勝戦前のもの>

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<昨年の会場の様子(多目的広場)>
<昨年の会場の様子(野球場)。まだ工事中>
<ここからは今年の写真。宇和中学校で9月30日に前日練習を行う愛知県、兵庫県。その前の時間帯は岡山県と徳島県>
<宇和町小学校で練習を行う福井県(その前の時間帯は北海道)>
<練習を行う福井県の上方、山裾に建つ校舎が気になります>


##【卯之町の町並み】

<じつはこの校舎、廊下の長さが109m(だったかな)と日本一長い廊下で有名な宇和町小学校旧校舎でした(もともとグランドにあったものを移築)。>
<この長い廊下の雑巾がけ競争が行われているようですが、どうも1分18秒くらいが平均っぽい>


<校舎の横には立派な体育館も移築されています>
<卯之町は街並みも綺麗なのですが、愛知県はその近くに宿泊>
<これは昨年の夏に咲いていたカノコユリ>
<幕末の偉人で日本随一の蘭学者、高野長英さんが脱獄逃亡後に二宮敬作さんに匿われて住んでいた家が現存>
<高野長英先生について。時代を先駆け過ぎた不運な天才学者>


<これはおそらく昔の古い長屋なのかも。これも歴史的建造物に指定されています。>
<民俗資料館にあった五ツ鹿のお面。子供には確かにこれは怖い>
<先哲資料館の2階に展示されていた昔のすごろく。>
<「又も広田のラッキーゾーン」(笑)>
<卯之町駅>
<卯之町のお酒「開明」>
<結局、去年も今年もこの「わらぐろ」でカンパチ食べた。ここのお姉さんは宇和町小学校の旧校舎(長い廊下の)で学んだ最後の生徒の一人らしい>


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