【2018年日本リーグ2部・順位決定節2日目~1部昇格はNECプラットフォームズ!】

(10月14日に速報版として12時、15時に更新しましたが、16日朝に加筆して写真を追加し、記事を完成しました)

【2位以上および3位決定戦:10:00~】
NECプラットフォームズ(H)
 020 0010…3
 001 0000…1
大和電機(A)

NECプラットフォームズ:○三木綾菜 - 小嶺来未
大和電機:●北山柚花、大串都未希 - 岡村香織
(本):望月朱里(大)
(三)
(二):松本風香、瀧下麻理(N)、角山瞳(大)

【テーブルスコア】

<戦評>
 2回表、NEC-PFは1死満塁とした場面で8番松本風香が完璧な当たり。やや前進守備のレフトの頭上を遙かに越え、ワンバウンドでフェンスを越えるエンタイトル二塁打となって2点を先制する。NEC-PFはさらに6回にも1死二塁から瀧下麻理が左中間を抜く二塁打を放って貴重な追加点をあげる。
 3点を奪われたが大和電機の2投手、北山柚花と大串都未希が打たれたヒットは失点した3回と6回の2本ずつを含めて5本のみ。得点を許した回以外はほぼ完璧に抑えていたわけで、投球内容は十分評価できるものだった。それだけに3回と6回に許した先頭打者への四球が痛かったが、実はその2回とも打者は和田美樹だったのだ。ただこの大会は和田はここまでやや不調で、しかも前日に守備で足を負傷もしていた。この試合の敗戦後に大和電機の主砲中嶋瞳選手も「あそこは先頭でホームランを打たれても1点だし、勝負した方が良かった」と北山柚花投手に話していたが、確かに自分もその通りだと思った。結局先頭で和田を歩かせることによって犠打を絡められてピンチを招き、自らピッチングを苦しくして結果タイムリーを浴びた。勝負していたら試合の結果は変わったかも知れない。ただ先頭で打席に立っても、相手が勝負を避けざるを得なくなってしまうのが和田美樹の存在感なのだろう。この試合は無安打2四球だったが、「結局は大和電機は和田にやられたか」と感じてしまうほどの存在感だった。
 それにしても大和電機は良い試合をしたが惜しかった。
 相手投手の三木綾菜が打ち込まれた昨日とは全く投球内容を変えてきて、いわゆる千切っては投げ千切っては投げのテンポ重視のピッチング。それでも立ち後れず、望月朱里の弾丸ライナーでのホームランを含め7本のクリーンヒットを浴びせたが、最後は良い当たりが野手の正面を突くなどの不運もあって結局得点はホームランの1点で終わってしまった。一塁線を強烈に破る三塁打コースの新田和音の打球が、なんと塁審を直撃して単打に終わるという悪夢もあった
 ただ最後まで明るさ一杯の元気なソフトボールを見せてくれた大和電機。本田美穂監督が自由にやらせて作り上げた素晴らしいチームで、今年は本気で1部昇格も入れ替え戦出場も目指せた年だったがあと「1勝」届かなかった。ただそれに最も近い成績は残せた。願わくばこのままのチームで来年もっと成長した姿をみたいものだ。

 

<残念ながら3位に終わった大和電機ナイン>

【6-7位決定戦:10:00~】
YKK(A)
 102 0000…3
 000 0100…1
東海理化(H)

YKK:○川尻いずみ - 青木千秋
東海理化:●吉川瑞紀、河津かおり - 朝田雅音
(本)
(三)
(二):宮坂佑希、青木千秋(Y)、阿部千尋、朝田雅音(理)

【テーブルスコア】

<戦評>
 前日takagi北九州に0-7と完敗したYKKだがこの日はまるで別のチームのようなしっかりした戦いっぷり。1年目の川尻いずみが普段よりスピードもコントロールも5割増しになったくらいの見事なピッチング。結果的に東海理化打線に9安打は浴びたが、ピンチを作っても慌てることなく1失点で抑えきった。この日は守りもよく、ショートの宮坂佑希が難しい当たりを何度も好守備でアウトにして川尻を助けたのも大きかった。
 攻撃ではYKKは初回、好守備連発の宮坂が左中間への二塁打で出塁すると4番の大内麻里奈が三遊間タイムリーを放って先制。3回には関口紅里のセンター前タイムリーと剣田あかねの右犠飛で2点を追加した。
 一方の東海理化は毎回の9安打を放っても得点は5回に2死二塁から阿部千尋が放った左中間二塁打の1点のみ。6回に2死一塁から朝田雅音に左中間を破る二塁打が飛び出し、一塁走者が本塁に還ったが打球がワンバウンドでフェンスを越えて得点できず。このひびきコスモスのグランドは、今年の天候によるものか今回はコンクリートの床なみにカッチカチ。なので外野の後ろに飛んだ打球がバウンドしてフェンスを越えることが度々。自分が見ただけでも5-6本はエンタイトル二塁打になっていたはずで、それがこの場面では東海理化に不運になった。

 

 

【12-13位決定戦:10:00~】
ペヤング(H)
 024 1010…8
 000 0000…0
甲賀健康医療専門学校(H)

ペヤング:萩原あゆみ、中島智奈都、○野村ひかり - 清水菜々子、宮原葵、橋本真奈美
甲賀健康医療専門学校:●永井美里、大依春奈、永井美里 - 岡田琴音、多田真理子、岡田琴音
(本)
(三):小松田夏菜(ペ)
(二):磯貝保乃(ペ)

【テーブルスコア】

<戦評>
 ペヤング、甲賀健康医療専門学校ともに今シーズン最終戦ということで大勢の選手が出場。ペヤングは今まであまり試合に出られなかった選手も最後は代打や守備で出場し、試合も8-0と快勝してシーズンを締めくくった。

 

 

<最後のノックを放つペヤング白井沙織監督>


 


【4-5位決定戦:12:30~】

靜甲(H)
 000 0000…0
 002 100x…3
takagi北九州(H)

靜甲:●渡部恵里花、藤田真理子、清水琴乃 - 佐藤友麻
takagi北九州:○小林咲嬉 - 増田みゆき
(本)
(三)
(二):増山由梨、有吉萌々子、内藤共笑(t北)

【テーブルスコア】

<戦評>
 takagi北九州は地元北九州での今シーズン最後の試合を快勝で締めくくった。
 0-0の3回裏、畠田奈実、有吉萌々子に連続タイムリーが出て2点を追加。4回にも増田みゆきにタイムリーが出て3点目を奪う。
 靜甲は初回に山崎奈美佳、鹿目真実にヒットが出るも無得点。3回にも2死一三塁、最終回にも中尾萌と白井奈保美にヒットが出て一二塁とするも無得点。takagi北九州のエース小林咲嬉の粘りのピッチングの前に結局は無得点に終わり、ホープセクションを2位で通過しながら結局は総合5位に転落してしまった。

 

 

【10-11位決定戦:12:30~】
平林金属(A)
 102 2002…7
 000 0014…5
花王コスメ小田原(A)

平林金属:岡崎栞菜(未登板)、○中村絢夏、岡崎栞菜、浜西千那美 - 佐藤倫、弦田彩加
花王コスメ小田原:●高橋悠衣、山賀緋那子、高橋悠衣 - 本田菜緒子
(本):大柴麗、菊地咲絢(花)
(三)
(二):川渕真由、大坪真子、嶋本さやか(平)、倉田実沙(花)

【テーブルスコア】

<戦評>
 平林金属は初回、先頭の川渕真由が初球を右中間二塁打を放ち犠打で三塁に送った後、3番中村絢夏が妹と弟含め家族が見守る中を三塁の頭をワンバウンドで越すタイムリーヒットを放って先制点。3回には弦田彩加、岡田千波に連続タイムリーが出て2点、4回にも酒井美咲の犠飛と中村絢夏の三遊間タイムリーが出てさらに2点を追加。序盤で5-0と大きくリードする。
 一方の花王コスメ小田原は投手陣が不調で平林金属打線に序盤から失点を許したが、痛かったのが3回の攻撃。1死から1番川平典華、2番柿崎萌乃に連続ヒットが出てチャンスメイク。すると3番菊地咲絢の打球はジャストミートで右中間を深々と破りそうな当たり。抜けるのは確実で、あるいはそのままホームランかと思った矢先、この日が引退試合でライトで先発出場していた嶋本さやかが必死に追って最後は空を飛ぶような滞空時間の長いジャンピングスーパーキャッチ!まさか捕られると思ってなかった走者がそれぞれ塁を回っており、戻りきれず悠々二塁でダブルプレーに。2点を返してなお走者三塁となれば試合展開は全くわからなかったが、このスーパープレーで花王コスメは完全に勢いを止められてしまった。ただ終盤は大柴麗、菊地咲絢にホームランが出るなど最終回に4点を奪って意地を見せた。

 

 

<1回表、中村絢夏が渋いレフト前タイムリーで平林金属が先制>

<投げても活躍した中村絢夏>

<3回表にセンターにタイムリーを放つ岡田千波>

<3回、川平典華がヒットで出塁>

<ヒットでチャンスを広げた柿崎萌乃>

<ライトの嶋本さやか、1死一二塁から菊地咲絢の打球をジャンピングキャッチ!>

<ファインプレーでチームを救った嶋本さやか>


 

【優勝決定戦:13:30~】
NECプラットフォームズ(H)
 000 2001…3
 000 0000…0
日本精工(A

NECプラットフォームズ:○三木綾菜 - 小嶺来未
日本精工:●藤嶋涼菜、山田蓮 - 馬場未波
(本):和田美樹(N)
(三)
(二):岸波亜美(N)

【テーブルスコア】

<戦評>
 (試合の詳細は別の投稿でお知らせしようと思います)
 ダブルヘッダーとなったNECプラットフォームズはこの試合も三木綾菜が先発。そして第1試合同様に投球間隔を極端に詰めたテンポ重視の投球に、ストライクをどんどん奪っていく攻め方が奏功。日本精工打線をどんどん打たせてアウトにしていく。結局7回を投げ被安打4、奪三振は「ゼロ」ながらも日本精工打線を完封してしまった。
 一方の日本精工の藤嶋涼菜も豪快なピッチングを披露。初回にピンチもあり、良い当たりのライナーも連発されたが正面を突く幸運もあり3回を無失点に抑え、このまま尻上がりに調子を上げていくのかと思った矢先、やはりそこに立ちはだかったのがNEC-PFの和田美樹だった。
 4回表、先頭の3番辻井晴名が初球をジャストミートで三遊間をライナーで破るヒットで出塁すると、4番和田美樹が大黒柱の仕事。ファールを重ねたあとアウトコースの速球をすくい上げレフトに強烈な打球。高々と上がりながらもフェンスを悠々と越えていく完璧なホームランで、NEC-PFは2点を先制する。NEC-PFは7回表にも2死一塁から暴投で走者を進めた後に代打増田マリアに貴重なタイムリーが出て3点目をあげた。

 5回まで江口裕里の三塁線を破るヒット一本に抑えられていた日本精工は6回からようやく反撃。1死から松田愛実が2-2からの死球で出ると、1番の中村白が初球を三遊間真っ二つのクリーンヒット。黒木美佳の一ゴロで二三塁となると、ここでとっておきの代打野木あやが登場。一打同点、つないで満塁となれば4番安井聖梨奈に回る大事な場面で会場も大いに盛り上がったが、残念ながらレフトへのフライで無得点に終わる。
 しかし日本精工は最終の7回にも意地を見せ、先頭の安井聖梨奈が初球に三遊間を破るヒットで出ると、江口裕里の投ゴロで走者が入れ替わって1死。しかし山本悠未の強烈なショートゴロを名手岸波亜美がハーフバウンドで弾くエラーで一二塁とチャンスを広げる。
 ここで打席に入った馬場未波が粘りに粘った後レフトにツマリながらも打球を落とすヒット。この打球で二走の江口が一気に本塁を狙うも痛恨のタッチアウト。最後は代打の高岡佑衣もショートフライに倒れて試合終了。NECプラットフォームズが優勝し、2年ぶりの1部昇格を決めた。

 さて問題は最後の場面、1死一二塁で馬場未波がレフトにヒットを打った後のプレー。点差は3点で、二走のスタートから見ても本塁突入は微妙なタイミング。あそこは「セオリー」としては100%走者を止める場面で、1死満塁にして8番杉山まれいにつなげたい場面だった。ただ試合の流れを見ていたら、ヒットも2本出て相手にエラーも出て勢いが出ていたところ。満塁にしたら1-2点は取れただろうが、そのまま同点、逆転となったかどうか。それより一か八か走者を回して、1点入ってなお1死二三塁と一気に持って行くしかなかったのかも知れない。直後は、走者をまわした三塁コーチの穐山奈央の痛すぎる判断ミスだと個人的にも思ったが、よくよく考えると、あの場面はあれくらいの強い気持ちで攻めていかないと同点も逆転もなかっただろう。チームメイトもそう思っているようなので安心したが、あの本塁突入は決して判断ミスではなかったと個人的には思う。

 

<1部復帰を果たしたNECプラットフォームズとその関係者の方々>

<無念の準優勝だった日本精工。確実に優勝すると思っていたのだが…>


 


【8-9位決定戦:15:00~】

Dream Citrine(A)
 120 0000…3
 400 001x…5
厚木SC(H)

Dream Citrine:●松本菜摘、髙野里穂 - 角川美佐子、林佑奈
厚木SC:○大塚巳那子 - 大石麻里奈
(本)
(三)
(二):西畑安美、角川美佐子(D)、宇田川愛美、永井葵、松林汐李奈、大石麻里奈(厚)

【テーブルスコア】

<戦評>
 1回表、ドリームシトリンは先頭で四球で出た好川真悠子を三塁に置いて暴投で先制点。しかしその裏厚木SCがすぐさま反撃。1死二三塁とした後に4番宇田川愛美が左中間を破る二塁打を放って逆転するとさらに2点を追加し4点を奪う。だがドリームシトリンも2回に角川美佐子のタイムリー二塁打が出て1点差に追いつく。2回以降は立ち直った厚木SC大塚巳那子と2回からリリーフしたドリームシトリン髙野里穂が好投し試合は膠着状態に。厚木SCは6回裏、2死二塁から大場彩香がセンターへ貴重なタイムリーを放ち追加点。7回表を大塚が締めて、今年の2部リーグ全体の最終試合を白星で飾った。
 一方のドリームシトリンは順位決定節2連敗で順位を落として総合9位。ドリーム☆ワールドから続くチームとして過去最低の成績に終わってしまった。来季への巻き返しを期待したい。

 

<厚木SC初回、宇田川愛美の打球が左中間を破る>

<貴重なダメ押しタイムリーを放った厚木SC大場彩香>

<今年の2部リーグも入れ替え戦を除きこれで終了>


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