(2019年9月7日,13:00~)
豊田自動織機
000 0020…2-6-0
000 0000…0-3-0
日立
豊田自動織機:○ダラス・エスコベド - 椛山奈々
日立:●アレシア・オカシオ - 清原奈侑
(本):カースティ・メリット(織)
(三):
(二):
【テーブルスコア】
<戦評>
この日の日立の先発投手は後半戦から加入したアメリカ出身のアレシア・オカシオ投手。日立は前身の日立ソフトウェアとしてチームが発足して以来過去34年間、日本人選手のみのチーム構成という「純血」を貫き通しなおかつ常に強豪で有り続けてきたのだが、やはり時代の波には抗えず、か。春からは野手のシェルビー・ペンドリーが加入し初めて純血の伝統に終止符が打たれると、ついに後半戦からは投手にアレシア・オカシオが加入し、そしてこの日が初登板。つまり、この後半戦の開幕試合は、日立35年目にして初めて外国人投手が登板するという、歴史的な試合でもあったのだ。
そのオカシオ投手。初登板は残念ながら負け投手となったが、織機打線を助っ人のカースティ・メリットの一発による2失点のみに抑えた。そのメリット以外では、初対戦のどんな知らない投手だろうが打つときは普通に打つ不思議な打者、佐藤光紗には2安打1四球とやられたが、その他の打者はきっちりと押さえ込んだので、今後も大きな戦力になることは間違いない。
ただむしろ驚いたのが投げる方より打つ方の能力。スラップは上手いし足も速いし、強打でクリーンヒットも放ったし、まるで元トヨタ自動車のN・ワトリーを見ているような打者だった。全身がバネのように身体能力も抜群なので、これは相手にとっては「打者オカシオ」の方が厄介な存在になるかも知れない。
一方の勝った豊田自動織機だが、とにかくダラス・エスコベドが良かった。被安打はたったの3だが、クリーンヒットはオカシオに打たれた1本だけ。見ていて全く危なげがなかった。そしてそのダラスとバッテリーを組んだ捕手が怪我から復帰してリーグ戦初出場となった1年目の椛山奈々。正捕手の永溝早紀が怪我で離脱したのと入れ替わりにマスクを被ったが、とにかく相手の裏をかく良いリードだった。ダラスもそれに乗せられてがんがんストライクで攻めて行けた感じだった。そしてこの日の球審も左右のストライクをビシバシ取っていく気持ちいいタイプで、その球審との相性もばっちりだったのかも知れない。
<この試合の始球式は平塚市立神明中学校ソフトボール部のみなさん(1試合目は平塚市立春日野中学校のソフトボール部)。ポジション別に9人が全員守備位置に>
<独特の投球フォームの日立の新外国人投手、アレシア・オカシオ>
【豊田自動織機:先発と交代選手】
1(9):江口未来子
2(7):金江爽友
3(5):佐藤光紗
4(3):洲鎌夏子
5(4):中森菜摘
6(8):カースティ・メリット
7(D):中川彩音→(打)小寺真琴
8(6):竹中真海→(打)金田汐央里→(再6)竹中真海
9(2):椛山奈々
FP(1):ダラス・エスコベド
【日立:先発と交代選手】
1(9):松本怜奈
2(7):松岡くるみ→(4)松岡くるみ
3(2):清原奈侑
4(5):シェルビー・ペンドリー
5(D):木村千春
6(6):那須千春
7(1):アレシア・オカシオ→(7)山口みどり
8(3):松畑美希
9(8):加福直子
FP(4):屋禰未奈
→(1)泉花穂
【1回表:豊田自動織機~0点】
江口:二ゴロ(3-2から)
金江:空三振(3-2)
佐藤:中前打(ゴロで二遊間の真ん中)
洲鎌:四球
※カウント3-2の時にイリーガルピッチがあり自動的に四球に
中森:遊飛
<センターへクリーンヒットを放つ佐藤光紗。未知数の新外国人投手に対して早い段階で1本ヒットが出たのは大きな意味があった>
【1回裏:日立~0点】
松本:空振り三振(高め)
松岡:一ゴロ
清原:見逃し三振
<リーグ戦初マスクとなった織機の椛山奈々>
<今大会は絶好調だった織機のダラス・エスコベド>
【2回表:豊田自動織機~0点】
メリット:左前打
中川:一ゴロ併殺打(強い打球も正面)
竹中:空振り三振
<併殺を完成させる日立のショート那須千春>
【2回裏:日立~0点】
ペンドリー:左邪飛
木村:二飛
那須:遊ゴロ
<那須千春の強烈なショートゴロを処理する織機の竹中真海>
【3回表:豊田自動織機~0点】
椛山:二ゴロ
江口:スラップ・二飛
金江:遊飛
<椛山の初打席はセカンドへのゴロ。翌日に初ヒットが出た>
【3回裏:日立~0点】
オカシオ:スラップ遊ゴロ
※代走に山口
松畑:三犠打
加福:投ゴロ
※二走の山口が三塁に走るもエスコベドが落ち着いて三塁送球しタッチアウト
※加福が二盗
松本:見逃し三振
<アレシア・オカシオの初打席はN・ワトリーばりのスラップでショートへの内野安打>
【4回表:豊田自動織機~0点】
佐藤:中前打
洲鎌:捕犠打
中森:中前打
※二走の佐藤、三塁回りかけるもストップ。加福の返球はカットの松畑までストライク返球
メリット:三ゴロ(ベースより強いゴロ。二三塁に)
中川:空振り三振
<2打席連続でセンターへヒットを放った佐藤光紗>
<中森菜摘もヒットで続き、1死一三塁とチャンスを作ったがここは得点できず>
【4回裏:日立~0点】
松岡:スラップ遊内安
清原:投犠打
ペンドリー:左飛
木村:一ゴロ
【5回表:豊田自動織機~0点】
竹中:空振り三振
椛山:二ゴロ
江口:四球
金江:右飛(バットの先)
※右翼線に落ちそうだったがライトの松本が前進してキャッチ
<バットの先でひっかけた金江爽友の打球はライト前に落ちるかと思ったがそこは松本怜奈が素早く追いつく>
【5回裏:日立~0点】
那須:空振り三振
オカシオ:右前打(初球、一二塁間真っ二つ)
松畑:中飛
加福:スラップ空振り三振
【6回表:豊田自動織機~2点】
佐藤:四球(3-0、3-1から)
洲鎌:左直
※バント見逃し、バントファールで追い込まれ、走者を進められず
中森:一ゴロ(二塁)
※ファースト左の併殺コースだったが松畑が若干ファンブル
メリット:左中間2点本塁打
※初球を完璧に
(打)小寺(←中川):三ゴロ
※サードのシェルビーファンブルし一塁クロスプレー
<先頭の佐藤光紗がしっかりボールを選んで出塁。この日は3出塁>
<2死二塁となったあとの初球、カースティ・メリットが完璧に捉える>
<打った瞬間にわかる当たりで、打球は左中間へ>
【6回裏:日立~0点】
松本:空振り三振
松岡:三ゴロ
清原:右飛
<松岡くるみのスラップはサードの佐藤光紗がカットしてサードゴロに>
【7回表:豊田自動織機~0点】
※日立は選手交代、FP屋根に代わり投手に泉、レフトの松岡がセカンドへ、オカシオに代わりレフトに山口
(打)金田(←竹中):投ゴロ
椛山:二ゴロ
江口:一弾く右前打
金江:四球
佐藤:二ゴロ
※金田に代わりショートに竹中が再出場
【7回裏:日立~0点】
ペンドリー:中直
木村:二飛
那須:見逃し三振
<最後の打者、那須千春はアウトコースを見逃し三振>
<リーグ戦初マスクを完封勝利で締めた捕手の椛山奈々。ダラスと抱き合って喜ぶ>
【試合終了】