【早くも最終節を残すのみとなった2020年2部リーグ展望~2020年10月14日】

今シーズンは新型コロナの影響で後半一回戦のみとなったソフトボール日本リーグ。
チーム数が8と少ない2部は、すでに半分以上の4試合を消化し、残すは今週10月15日金曜日から16日の日曜日まで行われる最終節の各チーム3試合だけとなった。
とにかく互いに1回しか戦わないので、すでに負けてしまった相手側のアドバンテージはもう取り戻せない。
かつてチーム数が20弱と多かった時代に、同じように年間1対戦のみのことがあったが、その時代に開幕戦で1-0で靜甲に勝った大鵬薬品が、その後ともに全勝した靜甲を1勝差で下して1部に昇格したことがあった。今年もそうなる可能性が大いにある。

ただ逆に言うと、対戦がのこっている場合にはその1試合で一気に取り戻せる、ということもできる。
最終戦でNECプラットフォームズがtakagi北九州に点差を広げて勝利すればそのままNECプラットフォームズの昇格も十分ありえる。
とにかくまだまだわからない2部の優勝争い。今シーズンの戦いを振り返りながら最終戦を占いたい。

 


【1位:takagi北九州WaterWave(4勝0敗)】

<ここまでの結果>
○3-1:大垣ミナモ
○6-0:ドリームシトリン
○2-1:大和電機工業
○4-1:YKK

<最終節の相手>
vs. 東海理化
vs. 平林金属
vs. NECプラットフォームズ★★

 

<コメント>
ここまで全勝でマジック3のtakagi北九州。短縮シーズンの恩恵を被っての勢いでの1部初昇格が現実味を帯びてきた。とにかく一発勝負の恐さを見せつけたのが今シーズン初戦の大垣ミナモ戦。相手投手がサラ・パウリーということを考えると、いくらミナモが打てないからと言って「結局はパウリーが完封して1-0でミナモが勝利だろうか」と予想していたが、まさかの3-1勝利で、その3点が佐藤果歩のスリーランというまさに「一発」での勝利だった。
ただそのミナモ戦も含めて計4試合で3失点なのだから、ここまで全勝で来ているのも投手陣のおかげ。エースの小林咲嬉の好投もさることながら、1年遅れで大学を卒業して今年入部した吉崎菜々海の存在が大きい。防御率も0.00で1位と未だ失点無し。ちっちゃい左腕がチームにとって大きな存在になっている。
さて残す最終節は理化、平金、NEC相手の3試合。まずは連勝して、全勝のままNECとの最終決戦に挑みたいところ。このNEC戦が、2チームのみならず、ミナモも含め、今年の2部の優勝を決める大一番になる。
とはいえ、初戦で当たる東海理化も1勝3敗ながら全て好ゲームを繰り広げており油断出来ない相手。ミナモとも互角の戦いをしてきており、特にエースの永谷真衣が絶好調。それに最下位の平金も中村絢夏がはまればなかなか打てないので、どちらにも気は抜けない。

 

【2位:大垣ミナモ(3勝1敗)】

<ここまでの結果>
●1-3:takagi北九州
○t2-1:東海理化
○12-1:平林金属
○2-0:NECプラットフォームズ

 

<最終節の相手
vs. ドリームシトリン
vs. 大和電機工業
vs. YKK

 

<コメント>
初戦の敗戦があまりにも痛すぎた。最少失点差ならまだしも、スリーランを浴びての2点差での敗戦が、のちのち響いてくるかも知れない。三つ巴のことも考えると、ライバルのNECに2点差で勝利したことで点差に関してはひとまずタイに近い形にはなったが、あとはtakagi北九州の敗戦を願うしかない立場。しかも相手のNECには大勝ではなく絶妙な勝ち方をしてもらう必要もある。苦しい立場にあることは変わりは無い。
ただその初戦の敗戦が痛かったとはいえ、実は2戦目も東海理化に辛勝で、1点先制されたのをその裏なんとか田島のホームランで追いつき、タイブレイカーで勝ち越したその裏も最後は1死満塁と攻められての絶体絶命のピンチだった。それを思うとむしろなんとかこの位置をキープできていることを「ラッキー」くらいに考えて、最終節はとにかく開き直って打ちまくって3連勝するしかない。
とはいえ、2部では唯一の外国人選手在籍チームであり、しかもファンの後押しも地元のバックアップも絶大のチームでもある。最後こうなったら、もう神頼みでも祈祷でも、お祓いでも、雨乞いでも、百日参りでも、呪詛でも藁人形に五寸釘でも…、できることなら何してもいいから、今年になんとかして1部に上がりたいだろうな。特に監督さんは(笑)

 

【2位:NECプラットフォームズ(3勝1敗)】

<ここまでの結果>
○6-3:YKK
○4-1:大和電機工業
○7-0:ドリームシトリン
●0-2:大垣ミナモ

 

<最終節の相手>
vs. 平林金属
vs. 東海理化
vs. takagi北九州★★

 

<コメント>
大方の予想では今年の優勝は「ミナモかNECかのどちらか」で、4節の直接対決で0-2と敗れた時点で「ハイ、終戦~」となるところだった。それが最終節まで希望が出てきたのは、今年絶好調のtakagi北九州が3節で最大のライバルの大垣ミナモに2点差勝利をしてくれたこと。takagi北九州のミナモ戦勝利によってクビをつないでもらったNECが、そのtakagi北九州と最終戦で戦うというのがまたドラマになる。
直接対決以外の残す対戦相手が奇しくもそのtakagi北九州と同じで東海理化と平林金属。最終節は文字通りの一騎打ちの三日間になる。
ただこの辺りの下位チームに対する戦いはNECの方が一枚も二枚も上手なので、おそらくNECが落とすことはないだろう。むしろtakagi北九州に頑張って連勝してもらって、最終戦を大いに盛り上げてほしい、というのが身勝手なファンの願いだ。
とにかく最終戦も含めて全勝が絶対条件。そして最終的に三つ巴になった時の条件もシミュレーションしながら、全3試合の戦い方を模索することになる。

 

【4位:大和電機工業(2勝2敗)】

<ここまでの結果>
○3-1:平林金属
●1-4:NECプラットフォームズ
●1-3:takagi北九州WaterWave
○1-0:東海理化

 

<最終節の相手>
vs. YKK
vs. 大垣ミナモ
vs. ドリームシトリン

 

<コメント>
上位のNEC、takagi北九州には連敗したが、それでも2部の上位レベルの力は常にキープしている大和電機工業。ここ数年で望月朱里や中嶋瞳といった打者の主力が抜けたが、今年は新海雪奈が頭角を現すなど、また面白い選手が何人も出てきた。
2勝2敗だが試合内容を見ても常にエースの北山柚花は好投し、終盤までどの試合も僅差。最終節は好調のYKK、ようやく1勝したDream Citrineと、ミナモが相手になるが、特に優勝争いしているミナモにとっては、この大和電機工業はとにかく不気味で戦いにくい相手だろう。何やらかすかわからないチームなので、ミナモ相手でも十分勝機はあると思う。

 

【4位:YKK(2勝2敗)】

<ここまでの結果>
●3-6:NECプラットフォームズ
○6-3:平林金属
○2-1:東海理化
●1-4:takagi北九州

 

<最終節の相手>
vs. 大和電機工業
vs. ドリームシトリン
vs. 大垣ミナモ

 

<コメント>
今年意外と善戦している印象が強いのがYKK。初戦のNEC戦も初回に不運なヒットの連続で大量失点して以降は互角の勝負で最後は3点差まで迫った。平金戦では2部の名選手、宮坂佑希の勝ち越しホームランが出て勝利し、東海理化戦では敗戦目前から4番の大内麻里奈が逆転サヨナラツーランを放った。
残念ながらtakagi北九州戦は力負けだったが、それでも今年は古川由乃がいいピッチングをしており、開幕戦で不調だった川尻いずみもその後上向いてきたので、最終節も期待できそう。対戦相手は侮っていたらサヨナラ負けした東海理化のように思わず足下をすくわれる可能性もある。特に最終のミナモ戦では、優勝争いのある意味鍵を握る試合なので注目される。

 

【6位:東海理化(1勝3敗)】

<ここまでの結果>
○1-0:ドリームシトリン
●1-2:大垣ミナモ
●1-2:YKK
●0-1:大和電機工業

 

<最終節の相手>
vs. takagi北九州
vs. NECプラットフォームズ
vs. 平林金属

 

<コメント>
今年もっとも誤算なのが東海理化。開幕のDream Citrine戦に1-0で勝利し、2戦目の大垣ミナモも勝ってもおかしくないような試合内容。センター川辺ちなつの超ファインプレーが出たり、永谷真衣が好投したり、今年の東海理化はやるぞ、と思ったところ、まさかの4節の2連敗で優勝争いから脱落どころか一気に最下位争いになった。
1勝3敗もすべて1点差負け。正直、4節の2試合も勝てた試合で、間違いなく今年は最後まで優勝を争うと思っていたのだが、やはり超短期決戦は本当に恐い。上でのべたようにYKK戦のあとアウト2つからの逆転サヨナラ負けがすべてか。打たれた永谷真衣も不用意にいったわけではないが、あの1球が全てだった。
ただ、そのフラストレーションを一気に晴らす機会こそがこの最終節。
対戦相手が優勝を争うtakagi北九州とNECプラットフォームズなので、ここは是が非でも連勝して優勝争いを大いにかき回してほしい。最後の平林金属戦は直接最下位を争う相手だけに絶対に負けられないし、最後まで大事な戦いが続く。

 

【6位:ドリームシトリン(1勝3敗)】

<ここまでの結果>
●0-1:東海理化
●0-6:takagi北九州
●0-7:NECプラットフォームズ
○1-0:平林金属

 

<最終節の相手>
vs. 大垣ミナモ
vs. YKK
vs. 大和電機工業

 

<コメント>
今年は初戦の愛知県のライバル東海理化戦に完封負けしたのが全てのような気がする。
そこから打線が全く機能せず、まさかの開幕3連続完封負け。勝利した平金戦も1得点のみで、4試合で1点は寂しすぎる。打線の柱の青野可奈が8番に座ってる時点で不調を絵に描いたような感じだが、これが最終節まで続くのかどうか、今年はいったいどこまで点が取れないのか、むしろ逆に楽しみになってきた。
その最終節での初日の相手が大垣ミナモ。統計を取ったわけではないが、このミナモがなぜかDream Citrineを苦手にしているような気配があり、過去にも大事なところで負けたことがあったような気がする。そのイメージがDream Citrine側に残っていたら、たとえ相手がパウリーだろうが、いい試合を期待できる。
ただ現実的な最下位争いということを考えると、大事なのはその他の2試合。YKKか大和電機工業、どちらかに1勝しないと3部落ち(入替戦行き)の危険性も大いにある。もし全敗した上で、平金が東海理化に勝利し1勝でならんだりすると、また計算がややこしくなる

 

【8位:平林金属(0勝4敗)】

<ここまでの結果>
●1-3:大和電機工業
●3-6:YKK
●1-12:大垣ミナモ
●0-1:ドリームシトリン

 

<最終節の相手>
vs. NECプラットフォームズ
vs. takagi北九州
vs. 東海理化

 

<コメント>
ここまで全敗で3部落ちの危機にある平林金属。もちろん入替戦に敗れればの話だが、3部から上がってくる靜甲がやはり2部でも上位レベルの力があるので厳しい戦いになる。なんとしでも2部の最下位は避けたい。
ここまで負けた4試合にしても、ミナモ戦以外は試合内容も悪くないし、何よりベンチが楽しそうにソフトボールをやっていて見ているだけでこっちも嬉しくなるようなチーム(ミナモ戦の大敗も、正直、ストライクゾーンが狭すぎての四球連発が響いた)。
とはいえ3部落ちは現実味を帯びてきたので、最後は何が何でもまずは1勝。それしかない。
ただ残った相手が優勝を争うNECプラットフォームズとtakagi北九州という強豪ばかり。これは下位を争う東海理化も同じ相手なので、やはりここは最終戦で争う東海理化との一騎打ちに全てを賭ける。

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