【Hondaの後半戦を考える・その2〜低迷の原因と後半戦に 向けて】

こっそりとですが実はかなり応援しているHondaチーム。もちろん20年乗り続けてきたバイクもずっとHondaのオフ(関係ない)。応援したい気持ちと、現状あまりもの不甲斐なさについつい文章が長くなってしまったことをお詫びいたします(笑)

 

☆Honda低迷の原因☆

【攻撃面での低迷の原因】
1:極端な得点力不足
ただし、Hondaの貧打は何も今年になって始まったことではなく、ここ数年来の課題である。一人一人の打者を見ると実力的には期待できる打者も多いのだが、いつも結果には表れてこない。それでも昨年の志水麻里や一昨年の菊池亜佐美、平林真由子のように、毎年一人はそれなりの結果を残しているのだが、今年は前半を追えて打撃30傑入りがゼロ。3割を超えた打者もいないという揃っての不振である。安打数52本はシオノギの53本に及ばず最下位、チーム打率も唯一の1割台(0.198)、得点に至っては14点と、1位レオパレス(68点)のほぼ5分の1である。とにかく11試合戦って「得点14」はちょっと酷すぎるのではないか(11位の佐川でも20点である)。ソフトウェアなら1試合で軽く超えてしまう数字だ。しかも2塁打が8本、本塁打が3本と長打も出ていながらこの数字である。いかに得点力が不足しているかがわかる。
それを象徴するかのように犠打が12本とリーグ最少である。ヒットを打てないながらもなんとか得点を取るというチームにもなりきれていない。この点、同じように打撃力の弱いシオノギ(打率、安打数はほぼ同じで、長打力はHondaより低い2塁打5本に本塁打1本)は犠打数が28と断トツで、前半戦の得点はHondaの1.5倍の22である。貧打チームの先輩としては面目躍如であろう。シオノギは打てないながらもなんとか点を取ろうとする形に特化してきたチームであり、それと比べると今のHondaは何とも中途半端である。

 

2:主力打者(平林真由子、田中清香、ヘザー・スカグリオネ)の打撃不振
打撃不振と指摘したが、ただ新人の加藤や復活した菊池はそこそこの活躍をしており、新キャプテンの村上も3割に近い打率を残している。得点力不足の問題は打ってもらわないと困る3人が揃って極度の不振だからだ。
ホームラン打者として期待の大きい田中清香が33打席で打率0.167の2打点で長打は二塁打1本のみ。春先は調子が良いように思えたヘザー・スカグリオネが31打席で打率0.200の2打点1二塁打1本塁打。いずれ4割打者になるだろうと確信していた天才打者・平林真由子に至っては36打席で打率0.129で打点はゼロ、1二塁打と極度の不振である。中軸を任される3人がこれでは11試合で14得点もうなずける。

 

3:志水麻里が使えない
毎年期待した選手が怪我で出られなくなったりいなくなったりして不測の事態が生じるHondaだが、去年の菊池の脱臼に続いて今年は志水を試合で使えなくなった。昨年規定打席に達して打率0.326と結果をのこしただけに、今年出場できないのは本人にとってもチームにとっても痛い。

 

【守備・投手面での低迷の原因】
1:中村瞳の控え温存
Hondaの昨年までのキャプテンであり、日本リーグきっての守備の名手でもある。昨年までは不動の二塁手だったが、今年は内野手に新人も加わり併用されることで出場機会が減った。しかし守備が基本のソフトボールでもあり、特にこの中村は神懸かり的なファインプレーを連発する名手でもある。打てないHondaにとっては大きな武器である中村を全試合レギュラーで使えなかったことも低迷の原因ではないか。
今年前半を終え最下位と、窮地にあるHondaだが、実は昨年の前半戦もシオノギに1-0、全敗のマクセルに4-0と2勝しただけで下位に低迷していた。その4-0と勝利したマクセル戦は、この中村の美技で勝利したような試合であった。第2節の佐賀大会。0-0のまま迎えた6回裏、Hondaは2死満塁のピンチを迎えバッターは代打の栫(かこい)。追い込まれながらもジャストミートした完璧な打球が二遊間に。そのまま抜ければ2点、右中間も破れば走者一掃で3点入るような打球を、セカンドの中村が完璧なタイミングで横っ飛び好捕するスーパープレーで最大のピンチを救った。次の7回にその中村のヒットから4点を奪って結果的には楽に勝てたようなスコアに見れるが、あの中村のプレー一発で勝った試合だった。もしあのプレーがなかったら、Hondaは前半戦1勝10敗でマクセルと勝敗が並び、かつ直接対決敗戦なので前半戦最下位で折り返すところだった。
逆に今年は開幕節の誘電戦で満塁の場面で中村が打席に立ち、レフト線ギリギリの当たりがファールになってしまい結局走者もかえせず、その試合を1点差で落とすとそのまま負け続けて最下位に低迷している。中村は昨年守備で満塁のピンチを救いチームも救い、打で満塁のチャンスを惜しくも生かせずチームも救えなかった。皮肉なものである。
確かに今年はセカンドを守れる新人の加藤恵里という素晴らしい選手が入り、ショートの村上やサードの原田、五十嵐などとの起用法から言えば昨年打率5分未満の中村を外さざるを得なかったのだろう。しかしそれでもやはり中村はずっとセカンドで使ってほしいし、それくらい彼女の守備はHondaにとって大きく、守りで試合を作れる数少ない選手なのである。ただ後半戦はどうやら加藤をサードポジションに回して中村をセカンドで起用するような流れになるらしい。昨年と違って打つ方の調子も良いようだし、中村瞳の守備が、チームの軸として後半戦の巻き返しにどう貢献してくれるのか、本当に楽しみだ。
(ただし、中村瞳の守備の大ファンなので、この指摘にはかなり個人的な思い入れが強く反映されてますw)

 

2:金尾和美への信頼度
前半戦のリーグの規定投球回数が25回で金尾24回1/3。わずかに届いてはいないのだがほぼ規定投球回数を投げての防御率1.73は立派な数字だろう。この数字は規定回数に達した投手の中で比較するとレオパレスのティンチャーを抜き、デンソーのギブソンに続く5位の数字である。4位以上には日本人では上野しかおらず、もちろん染谷、藤原、山根、坂井といった新旧の代表投手より金尾の前半戦は良い数字なのである。
これだけの回数をなげ防御率1点台の記録を残した投手が、強豪のソフトウェアとルネサスに2敗で勝ち星0とはなんとももったいない。春先から好調なのはわかっていたのだからうまく下位チームに当てるような戦略はとれなかったのか。その点が非常に悔やまれるが、しかしHondaには元代表投手である庄子麻希、外国人のジーナ・オークスという二枚看板がいる。昨年まで防御率が5点台、4点台だった金尾に対する信頼性が確立されていないのも仕方がなかったか。しかしながら伊予銀戦でも打たれたようにジーナが防御率4.57と極度の不振で庄子も3.36。後半戦もこのままの状態だと金尾に対する期待ももっと高まってくるのではないだろうか。とにかく、今年何かを掴んだ感のある金尾の後半戦のピッチングが、Hondaの将来の鍵を握っていることは確かだ。

 

☆後半戦に向けての明るい話題☆
さて、応援する裏返しでついつい不安を煽るような指摘ばかりを続けてきてしまったが、結局は打撃不振といわゆる「歯車」の組み合わせの悪さ。どの試合も惜敗続きでの負け続けは戦い方のまずさ以外の何ものでもないだろう。
ただそんなHondaにももちろん明るい話題はある。この項の最後に、後半戦への期待も込めて前半活躍した選手と上で言及出来なかった選手達にエールを。

 

【前半戦活躍した選手】
1:新人・加藤恵里
ここ数年大学ソフトボール界では敵無しの東北福祉大の昨年の主将。前半は10試合に出場し28打席で打率0.280、二塁打4本に本塁打1本は立派の一言。後半、極端な不振や怪我でもない限り、今年の野手部門の新人賞はこの加藤で決まりだろう。
潜在能力の高さを見せつけたのがアボットとの対決。1番打者加藤が内野ゴロでアウトになったあと、8者連続三振を奪われ再び1番加藤に。今度はあと1mでホームランとなるような大飛球を左中間に放って新人離れした噂通りの実力を見せつけた。新人ながら今Hondaで一番期待できる打者でもある。後半も若さをぶつけて大暴れしてくれるはずだ。

 

2:菊池亜佐美の復活
昨年は春先のトヨタカップで右肩を脱臼。すぐに復活してシーズンの規定打席には到達したが、それでも0.340、0.311と2年続けて3割を超えていた打率が0.234と大幅に下落した。ただ今年は一昨年までの菊池が徐々に戻りつつあり、打率も0.250で決勝の本塁打も放つなど菊池らしい活躍をしている。前半戦を終え規定投球回に達していながら被本塁打ゼロの投手はバークハートとギブソンの二人だけなのだが(上野ですら3本)、その織機のバークハートから幻の本塁打を放ってもいる(狩野亜由美にもぎ取られたが)。この調子だと後半戦はさらに数字を上げて他チームにとっては厄介な存在になるだろう。

 

3:村上由里子のがんばり
2年目からサードのレギュラーとなり0.283と及第点の打撃成績を残しながらもその後3年間は2割前後。昨年からショートメインで守るようになり、今年からキャプテンにも抜擢され自覚が戻ったか、0.286と久々にいい打率を残している(8安打はチーム最多)。何かと苦労の多い後半戦になるだろうが、キャプテンとしてぜひチーム浮上に導いていって欲しい。

 

【その他の選手もみんなガンバレ】
中川原麻衣:いくつものチームを渡り歩いてきた苦労人。実は捕手の守備はリーグでもかなり上位に位置するのではないかと密かに注目していた選手。今年はDEFOとして試合に出ることが多く守りで十分貢献している。この選手がマスクを被るとチームが落ち着く(というかヘザーがバタバタし過ぎ、笑)
五十嵐美緒:1年目からレギュラーで活躍した好選手だが、ここ2年は控えに甘んじている。しかし毎年それなりの成績は残してきた好選手で、今年も五十嵐らしい打率(0.280前後)でキッチリ仕事をしている。
芝崎恵梨:芝崎も1、2年目にレギュラーで活躍したがその後チャンスが減ってきた。今年はここ3年では一番出番をもらっているが結果が出ていない。しかしあの気持ちのいいフルスイングで、勝負を決める一打をどこかで放ってくれるだろう。
原田美樹:毎年準レギュラー的な扱いだが今年はやや出番が減ってる。しかし内野はどこでも守れる器用な選手であり、チームにとっては後半も貴重な存在だろう。
又吉薫:島崎と高校時代の同期で高校時代は全国制覇もした(はず)。昨年は地元佐賀でのリーグで出番をもらい初ヒットも放ったが、今年はまだ出番無し。いつもベンチで元気に声をだしている気になる選手。密かにかなり応援している。
沢幡優佳:今年2年目の未完の大器。前半戦は打席なしだが、熊野オープンで打ったホームランが印象に残っている。田中があんまり不振だったら取って代わるくらいの気持ちで頑張って欲しい。
平澤こずえ:山形出身で2年目の選手。去年も今年もまだ代走でしか出場はなくプレーをみたことがほとんどないので、いつか見れることを楽しみにしている選手。
穴澤那月:8人が実業団に進んだという昨年の木更津中央高出身の新人選手。まだ代走で1試合だけだが、高校時代のチームメートの戸田中の尾崎、レオパレスの松村などはすでに活躍の場をもらっており、尾崎などは大事な試合で重要な働きもしている。穴澤も負けてられない。
志水麻里:上述したが、この選手が元気に試合に出てくれていたら前半戦はこんな成績になってなかった。志水を使えないのがHondaにとって大きな痛手。後半戦、元気な姿を見たいものだ。
大橋美奈:いわゆるHondaのラッキーガール。この選手が出れば何かが起きる。今年ようやく掴んだチャンスである。塁に出たら自慢の俊足を披露して、どうせ後続打者は打ってくれないのだから(笑)大橋が走り回ってみるのも面白いかも知れない。
島崎望:毎年期待されて起用されながらいつも打率は0.240前後。潜在能力から見てまるで力を発揮できていない。スイングスピードや思い切りの良さなど素晴らしいものがあるのだから、あとほんの少しだけ確実性を上げて欲しい。

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