【2010年飛躍した選手(野手編)~ソフトボール日本リーグ1部】

 

【2010年飛躍した選手たち~野手編】
 ※忘れている選手がいないか、確認中。

 


 

☆☆☆中山亜希子(大鵬薬品・4年目(24)・右翼手)


(2007(2部)→2008(2部)→2009(2部)→2010(1部)の成績)
打率:-.—(2部)→0.500(2部)→0.235(2部)→0.406(1部)
打点:0(2部)→?(2部)→10(2部)→5(1部)
 ※今年2部から昇格し1部残留したチームとともに大きく飛躍した選手がこの中山亜希子。しかも打撃成績がワトリーと首位打者争いをし且つベストナインに勝るとも劣らない数字を残したという意味では近年希に見る飛躍だろう。しかもただ単に2部から上がって1部で好成績を残したと言うだけではなく、DP2番での出場が多かった前年までの2部ですら大した成績を残してこなかったという二重の意味での大飛躍なのだ。
 とにかくバッティングセンスが素晴らしい。そのバッティングセンスや残した数字以上に個人的に中山を強く印象づけたのが今年の全日本総合でのシオノギ戦での一場面だ。この試合チャンスを作りながらも得点できず、4番の山崎にまでスクイズをさせるなど苦労していた多田監督だが、チャンスの場面で中山に打順が回ったときには「お前に任せた」のただ一言だった。よほどの信頼の表れだろうと実感した。
 今年劇的に飛躍を遂げた中山の1部リーグ1年目だが、前の記事にも述べたが、やはり本当の真価を問われるのは来年だろう。来年どれくらいの成績を残せるのか、個人的には最大の楽しみだ。

 

☆☆☆紺野智美(シオノギ製薬・6年目(24)・二塁手)
(2005→2006→2007→2008→2009→2010の成績)
試合:4→13→9→10→14→22
守機:0→7→0→2→43→111
打席:0→1→0→6→23→62
安打:0→0→0→1→1→18
打率:-.—→0.000→-.—→0.167→0.063→0.346



 ※苦労して苦労して6年目にしてようやく掴んだレギュラーポジションで一気に開花したという点では、ある伊意味中山以上に劇的だったのがこのシオノギの紺野。正直、昨年までは坪田との違いがとうにわからず、ましてや印象としては出ればたいていエラーをして打つ方ではまるで期待できない、というものだった。
 それが今年の活躍はどうだろう。
 過去5年間で2安打だったのに今年1年で18安打、打率も昨年は1割の半分ほどだったのが3割4分6厘の13位。失策3は御愛嬌ながらも守備機会は100を超え、堂々としたシオノギの投打の中心選手に成長した。
 しかも今年は良いところでよく打った頼もしい印象で来年ますます成長しいずれキャプテンとして背中でチームを引っ張って行ってもおかしくないような頼もしさを感じさせる。
 とにかくまさかこの選手が、というような、過去5年間まるで飛躍しそうになかった選手の大ブレーク。これだからソフトボールはとことん面白い。

 

☆☆渡辺瞳(戸田中央総合病院・3年目(21)・DP)


(2008→2009→2010の成績)
試合:5→22→18
打席:5→58→43
安打:0→8→14
打点:0→7→12
本塁:0→0→4
打率:0.000→0.148→0.378
三振:2→16→5
 ※立派な体格からも元から期待をされてきた選手であったが、大きな体が災いして去年まではどことなく「鈍い」感じが先行したのは否めない。しかし今年は急に精悍さが増し、力強さにシャープさが加わった。表情も去年までのぼーっとしたところがなくなり、キリッとした感じになってきた。特に後半になって急に開花した。
 それは成績にも表れていて、規定打席未満、昨年より減った打席数ながらも4割近い打率に全体4位の4ホームラン。何より三振が昨年の16から5と三分の一に減り明らかに確実性が増し本来の実力の片鱗が見え始めた。4本のホームランも第7節から4節連続でまさに今急激に成長している選手である。
 残念ながらその矢先でのチームの2部降格だが、こういう経験を経て一回り精神的に強くなった選手も多い。とにかく2部で打って打って打ちまくる姿を来年は見せてくれるだろう。

 

☆佐藤みなみ(太陽誘電・3年目(21)・一塁手)


(2008→2009→2010の成績)
試合:21→13→22
打席:54→21→66
安打:5→3→9
打率:0.114→0.167→0.214
四球:6→1→16
{出率:0.204→0.286→0.424
 ※1年目から試合に出ており3年間それなりの成績を収めていることから「飛躍」という意味では若干当てはまらないかも知れないが、しかしそれにしてもはやり今年の成績の急激な向上には目を見張るものがある。
 もちろんそれは安打数を倍近く上回る四球数であり、打率の倍近くある出塁率である。
 もともと四球というのは相手の投手の能力や攻め方にもよるし、打順や場面によって意図的に出すことも多いもので、ソフトボールのように少ない打席での成績では個人的にはあまり重視してはいないのだが、しかし打率2割ちょっとの打者が出塁率4割を超えるほど四球を奪っているとなると、やはりこれは四球を奪える高度な選球眼を持つ打者として認めざるを得ない。
 毎試合毎試合「お前次ミスしたら替えるぞ!boke!」と山路監督に怒鳴られているのを見ていて逆に「この選手は何かを持っている」と感じていたがシーズン後にこの四球数を見てやはりそれが本物であったことを実感した。
 ちなみにさすがに山路さんも「boke!」とは言ってない。言い過ぎた(笑)

 

☆鮫島優子(日立ソフトウェア・5年目(27)・捕手)


(2006→2007→2008→2009→2010の成績)
試合:15→16→8→6→19
打席:35→31→8→7→42
安打:5→4→2→1→6
打点:4→1→0→0→9
二塁:1→0→0→0→3
守機:0→0→9→13→76
 ※鮫島はもともと1年目から35打席に立ち、安打数も今年の6に対し1年目も5とさほど変わってないことからここだけ見ると飛躍したように見えない。
 打撃に関しては1年目から「そこそこ」の評価と期待はされてきた証拠なのではあるが、ただ守備機会0を見てもらえばわかるように一二年目はDPでの出場だったのだ。それが今年から正捕手的立場で多く試合に出て決勝トーナメントでも2勝して最終2位に大きく貢献した。捕手として初めて数多く出たシーズンでこの成績を残したという意味では、十分「飛躍」に値するだろう。
 その打つ方でも二塁打3に打点9が示すように、時々チャンスでガツンと二塁打を放っていた印象もあり、レギュラー1年目の捕手としてこの打撃成績もそれなりに十分な成績だったのではないだろうか。
 とにかく、昨年引退した名捕手鈴木由香の後釜の捕手のポジションを、1年目の眞鍋に時々奪われかけながらも腐らずに地道に守り抜いたということ自体が素晴らしかった。今年の決勝トーナメントでの快進撃には鮫島の活躍は不可欠だった。

 

☆菅野愛(豊田自動織機・6年目(24)・二塁手)
(2005→2006→2007→2008→2009→2010の成績)
試合:0→3→6→5→8→18
打席:0→3→12→0→9→36
安打:0→0→2→0→1→5
打率:-.—→0.000→0.200→-.—→0.143→0.161
三塁:0→0→0→0→0→2
守機:0→2→17→7→9→55



 ※名手酒井が大鵬薬品に移籍し、開幕スタメンも新人の吉良に奪われながらも、持ち前のグラブ捌きの巧さとソフトボールセンスで織機のセカンドのレギュラーを掴んだのがこの菅野。1年目からあまり期待もされてないながら、6年という長い下積みの末ようやくレギュラーポジションを掴み1年間を乗り切るという選手は、即戦力や鳴り物入りの選手が多い織機の中では非常に珍しいタイプの選手だった。
 こういう選手こそ応援していて応援のし甲斐がある選手かも知れない。もちろんこの菅野の今年の飛躍には、彼女の持っている潜在能力を先入観なしに見て引き出してくれた永吉監督の存在が大きかっただろう。ただ前任者のカサレス監督も2009年の開幕のトヨタ戦で最後の打者としてアボット相手にこの菅野を代打に出したように、持っているセンスは誰しもが認めるものだったのかも知れない。
 とは言いながら打率も1割台だし目立った成績ではないのかも知れないが、やはり燦然と光り輝くのはあの上野からはなった三塁打だろう。第4節浦和大会でのルネサス戦、バークハートと上野の投げ合いで0-0のまま6回をむかえた織機はこの菅野の三塁打を足がかりに2点を奪ってルネサスを撃破した。
 まさにこれからという選手なのだが、残念ながら決勝トーナメントでは結果を残すことはできなかった。しかし彼女の美しいグラブさばきとカナブン色のグラブは、いつまでも僕の心の中に残りつづけるに違いない。

 

☆岡本由香(太陽誘電・2年目(24)・左翼手)


(2009→2010の成績)
試合:20→22
守機:0→23
打席:8→65
安打:1→17
打率:0.143→0.293
 ※確かに1年目と比べるとレフトのレギュラーポジションもつかみ、安打数も打率も飛躍的に増した選手ではあるのだが、まだまだ2年目の選手でこれからさらに実力を発揮するはずなので今年は☆ひとつにとどめ置いた。
 とにかく僕が彼女に注目する一番のポイントが庄原格致高校という広島県の庄原市という三次よりさらに中国山地の中にある地方都市出身ながら、大阪国際大で大学日本代表に選ばれるまでに成長し、太陽誘電に入ってさらに成長し続けているというそのプロセス。
 大鵬薬品の中山もそうだが、やっぱり名門高校出身で当たり前のようにぶいぶい言わせとるような選手なんかよりも、田舎の高校から叩き上げてきたような選手が好きだ。自分が田舎モノだからこればっかりは仕方がない。


 

【2009年】
☆☆☆ 林佑季(日立ソフトウェア)
☆☆☆ 鈴木美加(トヨタ自動車)
☆☆  蔭山遥香(レオパレス21)
☆☆  田中梢子(レオパレス21)
☆☆  大橋美奈(Honda)
☆   野木あや(デンソー)
☆   東美紀(戸田中央総合病院)

 

【2008年】
☆☆☆ 永吉理恵(レオパレス21)
☆☆ 溝江香澄(日立ソフトウェア)
☆☆ 濱本静代(日立ソフトウェア)
☆ 酒井かおり(豊田自動織機)
☆ 今泉早智(戸田中央総合病院)

 

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