【2011年・飛躍しそうな選手】

【2011年・飛躍しそうな選手】

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☆☆☆中山亜希子(大鵬薬品・右翼手・5年目)
 中山に関しては昨年大いに飛躍したのでここにあげるのはおかしいと思われるかも知れないが、あくまで飛躍したのは打つ方だけ。守りに関しては特に下手なわけでもないが、同僚の名手酒井に言わせると「判断が悪い」らしい(キビシイ)。
 何度も書いたが、去年の飛躍にしろ本物と証明するには今年もあれに近い成績を残してこそだ。それに加えて守りや走塁に関してはさらに一段も二段も上を目指して欲しい。特に守りに関しては本人の努力と意識の持ちようでまだまだいくらでも上達できる。
 あのバッティングに守りが加われば、一気に日本代表クラスの選手に成長できる。中山が目指すのは次世代日本代表の正外野手で、そのためには今年のさらなる飛躍は不可欠なのだ。

 

☆☆☆池原恵(豊田自動織機・遊撃手・3年目)
 2011年、とうとう池原の時代がやってきた。
 織機の、というよりもはや日本ソフトボール界の生ける伝説でもあった松岡恵美が引退したあと、いったい織機のショートはどうなるのかということが前々からの不安であった。19才で日本代表にも選ばれた松岡(内藤)が10年以上守り続けていたショートの後を引き継ぐというのは並大抵のことではないし、その時に織機は一番の危機が来るのではないかと感じていたが、その最大の懸念が意外とスムーズに解決するかも知れない。
 まず松岡が2008年シーズン前にアキレス腱断裂の大怪我をした時は、セカンドの酒井かおりが急遽ショートを守り、レフトの白井沙織がセカンドを守るという急場しのぎでありながらもこのセンスのありすぎる二人のおかげで1年間を無事に乗り切れた。
 2009年に池原が入部するが、その年には怪我から復帰した松岡が1年間ショートを守り通した。さらに2010年にはセカンドの名手酒井が大鵬薬品に移籍し、菅野&吉良の若手がセカンドを守ることになったが、ここでも松岡が1年間ショートで頑張って内野を束ねてきた。
 まさにこの2年間は、怪我から復帰した松岡がチームを支え続け、後継者である池原の成長を待っていたようなものである。松岡もまだまだ安心して任せられる気分ではないかも知れないが、もう三十路も過ぎたしそろそろ結婚式もあるし、いい加減池原に一本立ちしてもらわないと困るのだ。
 でも個人的には何も心配はしていない。1年目に7打数4安打、2年目に20打数8安打と、打数は少ないが2年とも打率は4割を超えているし随所にセンスあふれるプレーをみせてくれている。なによりあんなにチャラそうでいながら人間的にもしっかりしていて根性のかたまりみたいなところが実に頼もしい。
 といっても、いざふたを開けると池原がシーズン8失策で織機も撃沈、なんて状況もなきにしもあらず。とにかく池原がショートでどれだけ守れるか、織機の2011年はそこにかかっている。

 

☆☆☆渥美万奈(トヨタ自動車・内野手・4年目)
 池原と並んでいよいよシーズンフル出場して大ブレイクするのがトヨタの渥美。「しそう」ではなく「する」と断言していいほど、彼女のバッティングの実力は素晴らしい。
 今年はファーストの伊藤幸子が引退したことで、藤崎由起子とともにファーストとDPで交互に使われるようになるかも知れないが、鈴木美加の肩の状態が思わしくないならその立場に鈴木を追いやって代わりにセカンドのレギュラーとして1年間常時出場するかも知れない。鈴木も肩が治ってもまた去年のようにバッティングが迷路に入ってしまうようだと、渥美にセカンドのレギュラーを取られるかもしれない。ただチームとしてはいつまでもワトリーにいてもらうわけにもいかないので、将来的には鈴木&渥美の二遊間で一時代を築きたいという希望はあるはずだ。
 中学時代から愛知の実業団チームに練習に来ていたくらいセンスもやる気もあった選手で、実業団入りしてからも打率が2年目に0.417、3年目に0.467と大器の片鱗をみせている。昨年ようやく守れるようになったことからセカンドで60以上の守備機会も得た。今年1年終わってどれくらいの数字を残しているのか、本当に楽しみだ。

 

☆☆☆田中里依(佐川急便・内野手・3年目)
 池原、渥美と並んで今年一気に実力発揮と密かに期待しているのが佐川急便の田中。
 一昨年高卒1年目から規定打席に到達し15安打で打率0.254は新人賞にも値する素晴らしい活躍だと思う。若干数字的な印象が薄かったのは、一昨年の年末に「2009年新人野手の成績」をどうもまとめ忘れていたようでそのせいだろう。あと佐川急便が試合速報を流してくれないので個々の選手の打順や成績がわからないという理由も大きい。
 2年目の昨年は開幕戦出場はならなかったが、2戦目のデンソー戦に1番DPで出場するといきなり1対0の試合で決勝点となるホームランを放った。その次の節でもホームランを放ち、その後はクリーンナップにも座り、さあこれからという時に怪我をしてしまい後半はほとんど試合に出られなかった。
 2011年はその怪我が完治して本来のパフォーマンスが戻っているという前提のもとだが、1年間フルに試合に出られればいよいよ今年は3年目にしてチームを背負い、リーグ屈指の強打者に成長する年になるかもしれない。

 

☆☆鹿出千奈美(シオノギ製薬・内野手・3年目)
 去年終盤から試合に出だしてバッティングセンスの高さを見せつけた鹿出も今年ブレイクするに違いない選手の一人。昨年のままだと、主にDPでの出場であることからもう一人打撃の良い上田恵との競争になるが、今年のシオノギはレフトとファーストのポジションが空いたことから、DP、ファースト、レフト、ライトのポジションをこの鹿出と陽山、上田、新人の三宅の4人を中心として、レギュラーを確約されていない若手全員で争っていくことのなるだろう。
 どのポジションにせよ鹿出のバッティングは外せないので常時出場することになるだろうが、できれば守れるポジションを手に入れて主力打者に成長して欲しい。去年チームが苦労した大きな要因に一昨年まで主力だったベテラン高木由美子が抜けた穴も大きかったはずだ。鹿出にはその高木を追い越せるような選手に早くなってもらいたい。

 

☆橋本留美(ルネサスエレクトロニクス高崎・捕内外野手・4年目)
 正直ルネサスに関しては翌年どういうチーム構成になっているのか予測が難しく、使われ方もよくわからないのだが、しかし何人かが引退し、ポジションが空き、若手にもチャンスが回ってくるのならまず間違いなく昨年の成績を上回りそうなのがこの橋本。
 1年目から打席に立ち2年目には10打数4安打と結果は残していたが、有名選手の多いルネサスでは正直ほとんど印象になかった。夏の星野メモリアルで捕手をやっていたときも「あれ、こんな捕手いたっけ?」と悩んでしまったくらいだ。
 1、2年目は外野手登録だったはずだが、昨年は内野手登録でサードも守り練習試合では捕手もやった。バッティングの良さからいろんなポジションを経験させられてきたのだろうが、今年は穴の空いた外野手か内野手で試合に出られて規定打席に到達するようならば、ひょっとするとチームのカギを握るような活躍をするかも知れない。

 

☆吉良真利菜(豊田自動織機・二塁手・2年目)
 昨年は菅野愛との併用で起用され、最終的にはレギュラーを譲ったが、菅野が引退した今年は吉良が1年間フルに出場して織機のセカンドを守りきらないといけない。吉良がしっかりしないと、またしてもレフトの白井がセカンドにコンバートされてしまい、そして白井の機嫌が悪くなってしまう(笑)それに高卒新人内野手の高坂の動きが非常にいいことからも、うかうかしていると追い抜かれてしまいかねない。
 しかし吉良本人に関しては走攻守全てにおいてソフトボールセンスは抜群であり性格的にもしっかりしているので安心してみていられる選手ではある。ただ若干不満なのが「何かをやってくれそうな」期待感にまだまだ乏しいところ。簡単なエラーも多くて見ていて常にハラハラさせられた菅野には、上野から三塁打を放ったような何か変に期待できるところもあった。その点吉良に関してはあまりにも落ち着きすぎていて大きな期待を持てない部分もあるのだが、そこはシーズン始まったらガツンと大きな仕事をして印象を覆して欲しい。
 それでもチームとしてはやはり今年1年は地味にでもいいから堅実に守ってくれるのが願いだろう。そしてそれは十分かなえられるはずだ。かつて織機のセカンドを守っていた東女体大の先輩でもある大鵬薬品の酒井と張り合える位の玄人受けしそうな守備の素質は十分備わっていると個人的には確信している。それに何より、「目立たない」「地味」という部分に関しては、もうとっくに酒井を追い越しているのだ(笑)

 

☆柳瀬友紀(佐川急便・二塁手・4年目)
 2年目にレギュラークラスの扱いで主にセカンドで22試合に出場し49打席に立ったが、昨年は29打席と出場機会が減少した。ただ最終戦でエラーを連発した梅村麻弥に代わってショートに入ったときの溌剌とした動きを見ていると、あれが一つヒントになるのかも知れないと感じた。佐川急便は今は若手が多く、2011年にどういうコンバートが行われ、どういう使い方がされるのか正直開幕してみないとわからないのだが、梅村主将の下、昨年を基準にして戦い乗り切るとしたら、最終戦で試したショート柳瀬、サード梅村がいいのではないか。それくらいしっくりきていた。近年遊撃守備に苦しんできた佐川急便において、センスのある柳瀬がそのポジションを埋めるとかなり締まりそうだ。
 柳瀬と同じように期待してはいたがまだ飛躍をしていない選手に松下友里がいるが、彼女も去年の終盤くらいから再びチャンスをもらって結果を出した。監督が替わって使われ方も変わるだろうし、こういった実力を発揮し切れていないセンスのある選手達が出てくれば、今年の佐川急便はかなり面白い存在になりそうだ。

 

 そんなわけで、意外と魅力的な若手選手の多い佐川急便において、個人的に期待の若手選手だけでメンバーを組んでみた。この中で実際にブレイクして活躍する選手が何人出るか。その人数次第では決勝トーナメント4つ目の枠も決して夢ではない。

 

投手:信長香菜
捕手:山科真里奈
一塁:田中里依
二塁:高木美晴
三塁:梅村麻弥
遊撃:柳瀬友紀
左翼:岩川奈美絵
中堅:前田遥
右翼:寺本有希
DP:松下友里

 

 どうですか意外に面白そうな若手が多いと思いませんか?
 特にセカンドの選手(笑)


<2011年、今年は間違いなく池原の年になる。葉っぱ野菜さえ食べれば>


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