【2011年全日本総合ピックアップ(1)~トヨタ自動車 VS 島根三洋電機 「島根三洋大健闘!」】

(先日終わった2011年の全日本総合女子ソフトボール選手権大会。観戦できた試合のうち、何試合かをピックアップしてお届けします。まずはこの開幕戦から)


 トヨタ自動車のベンチや選手や関係者、そしてファンからしたら「トヨタが2部チーム相手に下手な試合をしたなあ」というところかも知れないが、なんの。
 毎年2部では上位に食い込み、先の実業団大会でも伊予銀行を破ったり、一昨年のリーグでは呂投手擁する日立マクセルに古瀬由梨亜の一発&完封で1-0勝利したりと、この島根三洋というチームは山陰島根という地理的ハンデを背負いながらも毎年ソフトボールを盛り上げてくれるとっても良いチームなのだ。
 だからこの試合だって古瀬ならあれくらいの投球はするし、打線だってアボット以外には十分付いていけるし、勝利の一歩手前まで行ってもなんら不思議はないのだ!

 と思いつつ、島根三洋のホームページを見てズッコケた。

 「島根三洋電機vsトヨタ自動車
  島根三洋電機は6対3でトヨタ自動車に敗れました。
  (8回コールド)」

  「コールド」?…
 タイブレイカーを思わず「コールド」と書いてしまうというのは、
 やっぱり内心「コールド負け食らうかなぁ…」って思ってたのかなあ…。
 もっと勇気と自信を持って!(笑)

 そんなわけでせめてこの記事内では、島根三洋のいいところをいっぱい取り上げます。



トヨタ自動車
 002 0100 3…6
 000 0300 0…3
島根三洋

(8回“タイブレイカー”)
トヨタ自動車:山根、森田、上村、アボット-渡邉、藤崎、渡邉
島根三洋:古瀬-古関
本:長崎(ト)
三:馬渕(ト)
二:平川(島)
【テーブルスコア】



【1回裏:島根三洋~0点】

 先頭の平川香奈子がショート後にラッキーな二塁打を放ち絶好の先制のチャンスも、続く2番の南満希が送りバント失敗のファールフライ。3番の久保真理奈がセカンド左への詰まった当たりを放つとこれをセカンドの鈴木がジャンプして好捕。しかしこの当たりで二走の平川が飛び出してしまい最悪のダブルプレー!

<南の送りバント失敗と、平川の飛び出しゲッツーで、初回0死二塁の先制のチャンスも結果的に三者凡退>

 
※「島根三洋のいいところをいっぱい」と言いながらいきなりミスの指摘。
  銀猫ブログが素直に褒めると思ったら、大間違いだ!(まさに外道!笑)

(でもここからちゃんと「島根三洋推し」で行きます)

【3回表:トヨタ自動車~2点】
 ナターシャ・ワトリーの内野安打に盗塁、送りバントの1死三塁から3番長崎望未がさすがの一発。古瀬がこの長崎をどれくらい警戒していたのかが問題だ。ソフトウェアの山田恵里並の警戒をしていたら、果たしてどうだったかと少々悔やまれる。

<若き天才打者の長崎が先制のツーラン>

【3回裏:島根三洋~0点】

<古瀬のヒットのあと平川もバントヒットで再びチャンスも>

<代打山本がショートゴロで得点ならず>

【4回裏:島根三洋~0点】
<この回も2本のヒットでチャンスを作ると、古瀬がレフト前にいい当たり。しかし前薗に好捕されてこのチャンスも得点ならず>

【5回表:トヨタ自動車~1点】
 先頭の代打山崎早紀のヒットをレフトの舟木千恵がファンブル。こういうミスをトヨタは決して見逃してくれない。ワトリーのセンターライナーで走者が三塁へ進むと、続く前薗理絵があっさりとタイムリー。
 3-0となった時点でこのままトヨタが難なく勝利するのかと思われたが…。

【5回裏:島根三洋~3点】
 ここまで毎回のようにチャンスを作りながら得点できない島根三洋がようやくチャンスをものにする。
 この回から代わった森田千晶が相変わらずの立ち上がりの悪さを露呈。2者連続で四球を与えると、平川の内野安打性の遊ゴロは二走の那須愛加がワトリーと接触してしまい守備妨害アウト。無死満塁になるところが1死一二塁となってしまったが、ここで島根三洋で一番長くやっている選手の南がいい仕事をする。
 一塁方向にセフティーバントをするとファーストベースめがけて全力疾走!

<トヨタ相手に好ゲームを展開している喜びが全身から伝わってくるような躍動感のある南の全力疾走!もうほとんど飛んでる!^^>

 この南のヒットで満塁とすると、3番久保が反撃ののろしを上げるセンター前への2点タイムリーヒット!

<キャプテンらしい仕事で久保が2点タイムリー!そして江本奈穂ばりのダブルピース!(笑)>

 さらに4番の古関亜美が2球ボールとなったところでトヨタはたまらず投手を上村さつきに交代。
 古関がさらに二つボールを選んで四球を奪い、再び満塁とするも期待の5番荻原美也子は見逃し三振で2死に。このチャンスで打席に入ったのが代打の柿山知子。その柿山が淑徳大の同級生・関友希央ばりの奇麗な流し打ちでサードの頭の上をライナーで越すタイムリーヒット!

<代打柿山の奇麗な流し打ちタイムリー!>

 三走の南に次いで二塁からキャプテン久保がホームを狙うも、ここはこの試合好プレー連発のレフト前薗からの完璧な返球の前にタッチアウト。
 あわや逆転、トヨタを破る大金星か!?という展開だったが、結局ここで同点どまりに終わってしまったことが大きかった。

<逆転かと思われたが、しかしまたしてもレフト前薗の好守備に阻まれた>

【8回表:トヨタ自動車~3点、そして…】
 さてここから先は試合展開としては少々蛇足的な感が否めない。
 6回からトヨタは業を煮やしたかのようにモニカ・アボットを登板させるパワープレー。
 島根三洋も古瀬が力投を続け、6回、7回と無失点で切り抜けて延長まで持ち込み、8回も2死まで漕ぎ着けたが最後は馬渕朝子に決勝の2点三塁打を決められ終戦となった。

 しかしトヨタを本気で慌てさせアボットをマウンドに引きずり出し、調整登板などではなく本気で勝ちに行く投球をさせた時点でこの試合は島根三洋の勝ちだ。

 いわゆる試合に負けて勝負に勝った、というまさにその言葉通りの島根三洋の大健闘であり、そして何より、「コールド」ではなく、紛れもない「延長タイブレイカー」という言葉にふさわしい試合だったのだ(笑)

<最後は8回2死から馬渕のライトオーバー三塁打で試合が決まった。8回を投げ抜いた古瀬(背番号27)、無念>

【試合終了】


<“山陰のカリスマ”で押しているが実は生まれは岐阜県でかのFUKUJUSO出身の古瀬由梨亜(高校は鳥取敬愛)。凱旋登板となったが「ピッチャー、ふるせ・ゆりわ」のアナウンスにこの苦笑い。名前間違ってたというより、噛んだかなw>

<こういう黄色い声援はなんとも微笑ましくて和みます>

<選手のことを考えるとベンチにテントはありがたいのだが、ただかなり死角ができて観戦者泣かせでもある。いい方法はないものか>

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