【2012年2部アドバンスセクション・第1節2日目】
【平林金属○5-3●靜甲】
【テーブルスコア】
2007年に日本リーグに参戦した平林金属と2部の強豪靜甲。2007年と2011年は靜甲が1部、2010年は別セクションであったことで対戦はなく、2008、2009年は靜甲が完封勝ちしているので、この試合が平林金属の靜甲戦初勝利となった。
春先調子の出ない鈴木麻美を攻めて平林金属が先制。靜甲も地力を見せ、中村夏美の2本の三塁打などで同点に追いつくも、最後はリリーフし好投していた半田岬が勝ち越しタイムリーを打たれて力尽きた。
河部祐里、計盛志津子、尾方栄里の抜けた穴は好守に大きく、最後の一打もセカンドの吉田早希には思い切って飛び込んで欲しい打球ではあったが、その3番を打つ吉田にしろリリーフした半田にしろ、今年が初めてフルに1年間を戦う年。序盤は沢山失敗を繰り返し最悪今年は我慢の一年になってもいいから、将来再び一部に上がったときに恥ずかしくないプレーが出来るような選手に育って欲しい。
平林金属はこの日は先発の乾彩華が好投。同点にされた後のエース井茂麻由への継投のタイミングもばっちりと決まり、終始平金ペースの試合運びだった。1年目1セクション制で6位になって以来成績が落ち続けている平林金属だが、今年は久しぶりに楽しみな1年になりそう。
<靜甲で一人気を吐いた“天才打者”中村夏美>
<好投した先発投手の乾彩華>
<野村有梨の決勝タイムリー。セカンド吉田早希、わずかに及ばず>
【日本精工○4-0●伊予銀行】
【テーブルスコア】
日本精工の先発は「エース」の曽根原一葉ではなく新人左腕の吉田遥香。この厚木大会、平林金属→伊予銀行→湘南ベルマーレと3試合の日本精工の先発は普通に考えたら曽根原→曽根原→吉田(柴田、染谷)の順番だっただろうが、この中では最も強い2日目の伊予銀行相手に新人の吉田遥をぶつけてきた。
しかしこの起用が大正解。伊予銀行戦は捨ててでも曽根原で前後二つを取りたかったのかも知れないが、逆にクセ球左腕の新人吉田なら上手くはまれば好投するかも知れないという予感も監督にあったはず。オープン戦で見た範囲でも大崩れしないタイプだと思ったし、こういう好投になるのはある程度は予想できた。
と言っても日本リーグ初登板、初先発で優勝候補の伊予銀行を完封は大金星。四球を出しても我慢して低め低めにボールを集めた結果が好投に繋がった。当たっている1番の近藤琴美に2四球と、勝負所を考えた攻め方も効果的だった(偶然かも知れないが)。
右の曽根原、左の吉田の2本柱が確立されたら、日本精工は本当に面白いチームになりそう。
昨年はNECアクセステクニカに注目して追いかけてみたが、今年は日本精工に注目してみたいと思う。
<動画>
【吉田遥香(日本精工)のピッチング】
【安井聖梨菜(日本精工)のホームラン】
【大満百央(日本精工)のホームラン】
【甲賀医専●0-8○東芝北九州】
【テーブルスコア】
甲賀医専の先発投手は岩田みゆきではないということで最初から継投でしのぐ試合展開だが、長澤佳子-森田千晶効果で勢いに乗る東芝北九州が序盤で勝負を決めた。
前日3二塁打の4番長澤はこの日は単打1本ながらも、3番笹田知里が3安打、5番松岡ゆり枝が1安打2四球1犠飛と全打席で仕事、投手の森田も3打点と、この厚木大会では東芝はちょっと手の付けられない打線だった。
長澤と言えば織機では8番あるいは9番ファーストが定位置だった「守備の人」。しかしその当時と言えば8番に田中幹子が入ったりというすごい打線だったし、打てなくて守備の人ではなく「日本で一番のファースト守備」だったからこその「守備の人」。それゆえ長澤に関してはその規格外のパワー以上に、ファーストの守備力を是非とも多くの2部選手に見て欲しい。1部リーグでも飛び抜けていたファースト守備、打球への入り方、場面場面に応じた動きなど、これ以上ないお手本なのだ。
それにしても、バッティングでのパワーは織機時代から凄かったから2部で打ちまくるのは分からなくはないのだが、しかし2年間のブランクも全く関係なしかよ、と…(笑)
そして森田。トヨタ時代は投げれば四球連発の自滅パターンが多かったが、それでもアボット、山根に次ぐ3番手扱いで期待も大きかった投手。トヨタでは結果を出せなかったが、投げて打ってソフトボールを楽しめる今の環境が合っているのかも知れない。最多勝と打撃タイトルの両取りも決して夢ではない。
来年以降のチームの存続も不透明だし、人数もギリギリにまで減ってしまった東芝北九州だが、だからこそ開き直って自由奔放に試合を出来るこのチーム、優勝する可能性も大いにありそう。
<2部ではさすがに好投する森田。投打に大活躍。靜甲戦が楽しみだ>
<好選手の山本澪もショートで溌剌としたプレー>
<甲賀医専の注目は3番センターの數原(すはら)顕子。三宅美咲二世>
【東海理化○5-1●湘南ベルマーレ厚木】
【テーブルスコア】
相手に合わせた試合をいつもしてしまう東海理化。この日も失策から同点にされるなど3回まで1-1の展開も、終盤はしっかり点を取って突き放した。先発した西川英里奈はもともと力はある投手なだけに普通に好投。しかし前日は岩田みゆきに投げ負けているので、今後は味方が得点出来ない時には0で抑え続けて行けるくらいのレベルが求められる。
ベルマーレも負けはしたが、ウェルネスから来た田谷めぐみ、コーチ兼任の佐藤真澄という「大盛りコンビ」が気迫のピッチング。これに寺田由香が加わった「どんぶり三杯飯」トリオが実はなかなか迫力満点の好投をするので、去年までのような大差大敗はきっとなくなり、元気な応援団の期待に応える試合を毎試合してくれそうだ。
そしてこの3人に加えファーストの荒舞衣も合わせた「おかわり4杯目」カルテットが…(あかんこれ以上書いたら殺される…)。
<動画>
【石田沙也佳(東海理化)のホームラン】