【2012年日本リーグゴールデングラブ賞】

【2008年銀猫的GG賞】
【2009年銀猫的GG賞】
【2010年銀猫的GG賞】
【2011年銀猫的GG賞】

 さて過去4年間迷走を続けてきた感じの銀猫的GG(ゴールデングラブ)賞。5年目にしてようやく自分が何をやってるのか何となく分かってきた。
 方程式にするとつまりはこういうことですか。

 “0.6x「一発芸」+0.3x「守備の実力」+0.1x「個人的守備の好み」-(西山+山田+狩野姉+増山)”

 目の前で「美技(一発芸)」を見せてくれた選手に対してだいぶん重みをつけて選びつつ、且つ「巧い」と唸らせてくれる選手も選ぶが、しかし個人的趣味も入る。そして長く活躍し続けるこの「4人」は最初から除外する、というもの。
 係数は気分で毎年変わりますが、なんとなくこんな感じで今年も行きます。



【投手~川口千晶(甲賀健康医療専門学校)】

 投手で言えば上野や栗田は別格。信長もフィールディングは抜群だし藤田も巧い。しかし巧い投手ほどそれが災いして無理にグラブを出し失策を犯すこともしばしば。
 そんな中で今年選んだのがなんと「初の2部選手」である甲賀健康医療専門学校の川口千晶。
 2部の試合を見に行ってたまたま仕掛けたビデオに映っていたのが、この川口の1試合での「ピッチャー返しキャッチ3連発」だった。一発芸どころか3発芸だ(笑)
 帰宅してからビデオを見直してこの映像を見たときの衝撃は忘れない。なんだこれは、と。ただ1発目は確かに腹にめり込んだが、その後の二つのグラブ捌きは絶妙だった。
 これは言わば、イリオモテヤマネコの研究している人が山中に仕掛けたビデオを回収して後で見直してみたらサキシマハブと戦う衝撃の映像が映っていたのを発見したような、それと似たような気持ちのような気がしないようでもない(笑)
<投手返しをナイスキャッチの川口千晶>

【川口好プレーの動画】

【捕手~眞鍋幸維(日立ソフトウェア)】
 捕手の守備機会と守備率の関係はかなりの部分で投手の能力にも左右される。それは守備率10割の4チームの捕手がベスト4のチームであるのを見てもわかる。
 そんな中であえて選んだのがレギュラー捕手としては山科についで守備率が低かった眞鍋幸維。
 後半疲れの見えたエースの山中しほが上へ下への大暴投を繰り返しても必死になって投球に食らい続けた眞鍋。
 何よりその山中の好投を引き出し他チーム打者を翻弄したのは眞鍋の抜群のリードだったのではないか。リード以外にもフットワークの軽さに思い切りのいい打撃も眞鍋の魅力だ。
 毎年名捕手を生み続けている日立ソフトウェアの歴史においてはこの眞鍋はまだまだ未熟な捕手かもしれないが、しかしその歴史を汚すことのない名捕手への道を着実に歩んでいる。

<将来の代表捕手・眞鍋幸維>

【一塁手~佐野志津香(太陽誘電)】
 ジャパンにも名を連ねる職人の大久保美紗や古田真輝が1年間無失策で乗り切ったこのファーストのポジションだが、今年はやっぱりどうしてもこの佐野志津香を選びたかった。
 左投げの利点を最大に生かし一二塁間への強い打球は軽妙なグラブ捌きで処理するし、何より犠打処理での二塁、三塁への素早い送球は絶品だった。
 相手チームはこの佐野のバント処理でどれだけ犠打を阻止されたかわからない。
 そう言えばさっきから佐野佐野と絶賛してるけどもしかしたら太陽誘電関係者には誰かわかってもらえないかも知れない。
 佐野というのは「ヨネ(桂米助)」のことですよ。これでわかるかな(笑)

<フィールディングの素晴らしい佐野志津香>

【二塁手~酒井かおり(大鵬薬品)】
 セカンドの守備において今年個人的に大絶賛したいのが織機に来て鍛えに鍛えられ1年間無失策で乗り切った中森菜摘。ただ前半戦は不運ながらもDPが多かったので若干守備機会が少なく選びきれなかった。来年はほぼ決まりだろう。
 守備機会と守備率を見ると最高の守備を見せてくれたのがデンソーの松本尚子なのだが、正直言って松本もほとんど西山麗レベルのレジェンド的な名手なので1失策だけでも個人的には許せない。正直ゼロでも許せない。マイナス5失策レベルでなければ(笑)
 でもそういうのは抜きにしてやはりセカンドは大鵬薬品の酒井かおりしかいないだろう。今年はファーストとの連携ミスなどで2失策はあったが、やはり見ていて惚れ惚れするようなグラブ捌きを見せてくれるのがこの酒井。
 試合前のノックを見ているだけでもご飯3杯行ける。生中なら8杯いける。

<職人的グラブ捌きの酒井かおり>

【三塁手~坂元令奈(トヨタ自動車)】
 三塁手に関しては、正直個人的には後半に三塁に回った織機の吉良真利菜を選びたかった。吉良の三塁守備は抜群に巧い。しかし前半戦のセカンドでの5失策(たぶん)が響いて断念した。
 そんな中、投手がアボットで打球が飛んでこないとはいえ唯一無失策で乗り切った名手坂元令奈を再び選ぶのが無難だなと言う結論に至った。
 しかし一つだけダメ出しをしておこう。
 今年無失策で乗り切った坂元には1点だけインチキがある。それが開幕のルネサス戦。
 ルネサスの峰の平凡なサードゴロをファンブル。弾いて拾い直し慌てて一塁に送球したが普通の打者なら明らかにセーフだったのだが、打者走者が鈍足の峰だったおかげで余裕でアウトになった。
 エラーを一つ得した(笑)

<名手坂元令奈、幻のエラー(笑)>

【遊撃手~柳井春菜(戸田中央総合病院)& 小野奈津子(日立マクセル)】
 今年はショートに関しては二人を選んだ。
 その二人が、日立ソフトウェアの名手西山が2失策のなか、下位チームに属しガンガン打球が飛んでくる遊撃を守りつつも1年間を無失策で凌いだ戸田中央総合病院の柳井春菜と日立マクセルの小野奈津子。
 堅実な守備を誇る柳井と、抜群のリズム感で華麗に乗り切る小野の二人、タイプは違うがどちらも見ていて楽しい遊撃手としてどちらか一人に決めることはできなかった。
<1年間無失策だった柳井春菜(上)と小野奈津子(下)>

【左翼手~原田のどか(太陽誘電)】
【中堅手~河野美里(太陽誘電)】
【右翼手~杉山真里奈(日立ソフトウェア)】
 さて外野手であるが今年は銀猫GGの常連である日立マクセルの阿部環を落とすことからスタートした。
 昨日までは選ぶつもりだったのだが、しかし記録を見ていて阿部が失策しているのが個人的にはいただけない、と思った。
 もちろん阿部はそれを上回るようなファインプレーも連発してきたのだが、ちょっと今年は他の選手も選んでみたくてあえて阿部を外してみた。
 そして同じように外したのがトヨタ自動車の小野真希と藤野遥香。はっきり言ってトヨタ自動車は外野に打球が飛ばなさすぎる(笑)

 そして選んだのが太陽誘電の原田のどか。
 他の外野手に比べ極端に多い64の守備機会があり無失策。さらに補殺が最多の5というのも大きなポイントだった(4が3人いたが)。個人的には文句なしだと思っている。
 その原田が意外な感もあったかもしれないが、残り二人は正直面白味がかけるくらい常識的な二人になってしまった。
 しかし河野美里も当然か。太陽誘電をバッティングでも守備でも常に引っ張り続ける姿にはとても好感が持てる。もちろん毎試合好プレーを見せファンを楽しませてくれた。
 もう一人が日立ソフトウェアの杉山真里奈。彼女も常にファインプレーを見せてくれる。今まで選んだことがなかったはずだが、なぜ今までのこの名手を選んでいなかったというと、単にうっかり忘れていただけで、それ以上でもそれ以下でもない。てへぺろ。

<今年の外野手はこの3人。原田のどか(上)、河野美里(中)、杉山真里奈(下)>



<ポジション別、各チームレギュラークラスの選手の守備データ>
「※かっこ内は(守備率-守備機会-失策数)」


【投手】

山中しほ (1.000-25-0)
江本奈穂 (1.000-23-0)
藤田倭 (1.000-18-0)
M・アボット  (1.000-14-0)
山根佐由里 (1.000-14-0)
栗田美穂 (1.000-14-0)
森真里奈 (1.000-13-0)
J・テーラ ー (1.000-11-0)
李琪 (0.963-27-1)
上野由岐子 (0.957-46-2)
呂偉 (0.955-22-1)
J・スメサート  (0.938-16-1)
安福智 (0.925-40-3)
金尾和美 (0.92-25-2)
信長香菜 (0.909-22-2)
田家由里 (0.875-16-2)
D・ローリー (0.867-15-2)
M・メロー (0.867-15-2)


【捕手】

渡邉華月 (1.000-198-0)
峰幸代  (1.000-160-0)
M・ウィリス  (1.000-157-0)
伊藤綾香 (1.000-138-0)
L・ラッピン  (0.990-98-1)
佐藤みなみ (0.987-77-1)
増井知美 (0.982-112-2)
鶴澤眞緒 (0.979-140-3)
橋元春華 (0.978-89-2)
篠田美穂 (0.976-127-3)
眞鍋幸維 (0.974-76-2)
山科真里奈 (0.974-78-2)
※ウィリスの無失策には感慨深いものがある。日本に来て本当に努力して巧くなった


【一塁手】

大久保美紗 (1.000-177-0)
田中清香 (1.000-161-0)
古田真輝 (1.000-96-0)
佐野志津香 (0.993-145-1)
濱本静代 (0.993-144-1)
田中里依 (0.989-184-2)
杉本夏子 (0.989-182-2)
狩野香寿美 (0.987-156-2)
馬渕朝子 (0.987-75-1)
小沢佳那子 (0.986-140-2)
髙崎千恵 (0.976-125-3)
佐藤このみ (0.951-61-3)
※守備率は一番低い佐藤このみだったが、本職はセカンドあるいはサード。緊急的に今年は一塁を守りむしろよく頑張った


【二塁手】

中森菜摘 (1.000-90-0)
松本尚子 (0.990-104-1)
中野久美 (0.987-77-1)
鈴木美加 (0.986-70-1)
酒井かおり (0.979-96-2)
村上由里子 (0.973-73-2)
石濵真実 (0.969-97-3)
溝江香澄 (0.965-115-4)
山根すずか (0.965-115-4)
柳瀬友紀 (0.958-120-5)
村井美保 (0.956-90-4)
田中涼子 (0.945-91-5)
※中森は来年以降の常連になるだろう。とにかく1日1日巧くなっていく


【三塁手】

坂元令奈 (1.000-53-0)
山本晴香 (0.983-60-1)
林佑季  (0.983-60-1)
田中梢子 (0.972-72-2)
今泉早智 (0.966-59-2)
佐藤光紗 (0.964-56-2)
小川絵里加 (0.955-67-3)
唐橋亜由佳 (0.947-38-2)
橋本留美 (0.939-33-2)
吉良真利菜 (0.936-78-5)
S・ポーター  (0.935-93-6)
川原愛美 (0.923-52-4)
※来年は山本晴香と吉良の争いか


【遊撃手】

小野奈津子 (1.000-78-0)
柳井春菜  (1.000-74-0)
髙坂香月  (0.986-73-1)
西山麗   (0.981-103-2)
倉成真子  (0.981-54-1)
遠山佑奈  (0.944-89-5)
渥美万奈  (0.944-54-3)
森田まゆ  (0.943-70-4)
市口侑果  (0.941-85-5)
横野聖奈  (0.929-42-3)
又吉薫   (0.927-55-4)
椎木明日香 (0.905-42-4)
森田歩   (0.87-54-7)
※強烈なライバルの入った織機の高坂の守備にさらに磨きがかかるだろう


【外野手】

原田のどか (1.000-64-0)
千原香奈 (1.000-36-0)
山田恵里 (1.000-36-0)
鹿出千奈美 (1.000-31-0)
河野美里 (1.000-30-0)
杉山真里奈 (1.000-30-0)
塚田真美 (1.000-28-0)
小野真希 (1.000-27-0)
太田あゆみ (1.000-27-0)
頼孟ティ (1.000-27-0)
島崎望 (1.000-26-0)
丸山実希子 (1.000-25-0)
岩渕有美 (1.000-24-0)
狩野亜由美 (1.000-23-0)
本田小百合 (1.000-20-0)
長﨑望未 (1.000-17-0)
藤野遥香 (1.000-15-0)
松下美稀 (1.000-15-0)
駒野まみ (1.000-14-0)
M・ウィギンズ (1.000-13-0)
永吉理恵 (1.000-13-0)
関友希央 (1.000-7-0)
佐々木瞳 (0.976-42-1)
阿部環 (0.976-41-1)
三宅美咲 (0.968-31-1)
小林朝子 (0.968-31-1)
平林真由子 (0.968-31-1)
増山由梨 (0.966-29-1)
稲垣ゆみこ (0.96-25-1)
内田千恵美 (0.958-24-1)
田邊奈那 (0.956-45-2)
小松美樹 (0.952-21-1)
陽山亜美 (0.944-36-2)
芝﨑恵梨 (0.944-36-2)
国吉早乃花 (0.913-23-2)
松下友里 (0.867-15-2)
※個人的には来年は塚田真美、島崎望、駒野まみ、松下美稀に注目したい。みんないい守備を見せてくれる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です