【2017年 第57回全日本実業団選手権 1日目】

※記事は少しずつ、コツコツと追加中→完成

【1日目・A会場第1試合】

東海理化
006 33…12-14-0
000 01…1-4-1
佐川急便九州
(5回コールド)

東海理化:○吉川瑞紀、河津かおり、横山楓香、鈴木成実、香川桃南
佐川急便・九州:●土居玲穂、本田美優、横田唯 - 木本もえ
(本):
(三):
(二):後藤祐月②(理)、日高よしえ(佐九)
【テーブルスコア】

<戦評>
佐川急便九州の登録メンバーを見てびっくり!なんと元佐川急便1部の中村歩さんと日高としえさんの仲良しコンビが名を連ねているではないですか!(代わりにクルクルバットの田中萌選手と、小さな大投手外山美紀選手の名前がないのが非常に残念ではありましたが)。
中村さんは九女で日高さんは中村学園と二人とも地元。そして二人ともミキハウスに5年以上在籍し、廃部になったあと引き継いだ佐川急便関東から再出発し、3部、2部、1部と全部経験しているというまさに生き字引。そんな二人が引退して何年も経った後に、今度は佐川急便の九州で復活とか、なんかもうそれだけで嬉しいじゃないですか。
日高さんと言えば1部佐川時代はライトを守っていてホームランを捕ろうとしてひっくり返ってフェンスの向こう側に落ちた唯一の選手(笑)中村選手と言えばレフトを守って普通のフライもヨタヨタして危なっかしいんだけど何故か相手のホームランは上手に奪い取るという不思議な選手で、全盛期には1部でホームラン王を獲ったこともある強打者。
二人とも引退後はマネージャーやったり、チームのカメラマンを買って出たり、裏方でも働いていたりしたのを見ると、やはりほんとソフトボールが好きな人たちなんでしょうね。今回プレーを見ててもブランクを感じさせない動きと体つきでしたよ。
さて前置きが長くなりましたが試合内容。実は個人的にはこの中村歩選手が現役時代から結構好きな選手だったので、彼女のプレーは絶対に見なければ!と思っていて、最初もう一つのB会場で見ていた途中に抜け出してA会場に到達した、まさにその時!
自分がB会場からA会場に移動したまさにその直後の1球です。0-0の3回表1死満塁で、東海理化の後藤祐月選手がレフト戦にタイムリーヒットを放つと、捕ろうとしたレフトの中村選手がまさかまさかの後逸。打った後藤も一気にホームに還る、ランニング満塁ホームランエラーになってしまったのでした~。見に行った俺が悪かったのか、あぁ~(笑)(ちなみに記録は二塁打と2点エラー)。
結局、この4点をきっかけに東海理化が14安打に6四死球を絡めて12点を奪い5回コールドの大勝となりました。まあ二人には再びチャレンジしてもらいましょう。

<レフトを守る中村歩選手(元佐川急便(1部)>

<ライトを守る日高よしえ選手(元佐川急便(1部)>


<ちなみに、4番センターは元東芝北九州の立花佑希子選手。このチームの方がもう長いかな>


【1日目・A会場第2試合】

YKK
240 20…8-6-1
000 00…0-4-0
佐川グローバルロジスティクス
(5回コールド)

YKK:○血分智香、安達麻優、東堤雅
佐川グローバルロジスティクス:●碇純香 - 石川すず
(本):
(三):
(二):宮坂佑希、大内麻里奈(Y)
【テーブルスコア】

<戦評>
佐川グローバルには元YKKの碇純香選手がいて、その碇が古巣YKKと対戦ということで喜び勇んで見に行ったらなんとなんと、先発投手がその碇本人で超ビックリ!顎が外れた(笑)
どうやら大会10日ほど前にエースの小原尚美(元ペヤング)が負傷してしまい、代わりの投手がいないということで急きょ登板することになったらしい。急造投手なのでコントロールを乱して苦しい場面もあったが、個人的には碇が投げているのを見られただけで満足。特にYKKで同期で仲良しの関口紅里との対戦なんて最高に微笑ましかった。
関口が大会前に碇に電話して「そっちのピッチャーどんな感じ?」って訊いたら、碇が「ん~、どうだろ、わからん」みたいな返事だったらしいが、そりゃ自分で投げるんだし、何とも言えんね(笑)
ちなみに佐川GLだと元ウェルネスの武蔵那菜選手を見るのも毎年楽しみだったのだけど、残念ながら昨年でひとまず引退してしまったらしい。

試合は初回、YKKが剣田の四球を横山の犠打で送った後に3番の金澤がタイムリー。その後青木にもタイムリーが出て2点を先制。
2回には関口が四球ご盗塁死、廣瀬がサードゴロの2死から、9番大竹が四球、剣田がレフト前ヒット、横山、金澤が連続四球で1点入った後、4番宮坂が満塁走者一掃の3点二塁打でこの回4点。
4回には先頭の宮坂が四球、青木の投ゴロで二塁に進んだあと大内の中越え二塁打で1点、暴投後に関口がレフトへの犠牲フライでこの回2点目でYKKは計8点となる。
一方の佐川グローバルは3回までに5番山本慧恵と9番森山実穂がヒットを放つも無得点。4回に先頭の石川すずが投手強襲の内野安打で出塁すると、大西舞のショートゴロエラーで一二塁、越智睦美が三前の犠打で送って1死二三塁とこの試合初の得点のチャンス。しかしここで5番山本慧恵がサードフライ、6番碇純香がライトフライで得点できず。5回にも先頭の和田千夏が中前にヒット。富山千愛のショートゴロで二封された後、富山が盗塁し、森山のセカンドゴロで2死三塁と最後の得点チャンスだったが、1番に戻って葛西莞奈が空振り三振に倒れ、結局完封で5回コールド負けとなった。

<古巣のYKK相手に先発した佐川GLの碇純香投手>


<この日の捕手は左投げの石川すず。碇とはとわの森三愛出身の後輩先輩のコンビ>


<碇純香対関口紅里、なんて対決見られるとは夢にも思わなかった(笑)>


<碇のこのバッティングフォームも健在!2部で4割打ったこともあるからね>


【1日目・A会場第3試合】

平林金属 400 0010…5-13-0
ペヤング 000 0100…1-7-2

平林金属:○中村絢夏、岡崎栞菜 - 佐藤倫、外間光
ペヤング:●野村ひかり - 清水菜々子
(本):
(三):
(二):
【テーブルスコア】

<戦評>
1回表にあげた4点が効いて平林金属が逃げ切り勝利。ペヤングは5回表無死満塁のチャンスに相手の超美技に味方の走塁ミスが重なって1点しか返せなかったのが痛かった。
平金は初回、先頭の福井実咲がレフト前ヒットで出ると呉屋知紀が送り、川渕真由が死球で一二塁。ここで4番の佐藤倫が右前に先制タイムリー、岡田千波が中前にタイムリー、外間光の内野安打を挟み、8番山本眞優が中前2点タイムリーと、5安打を集めて4点を先取。6回にも代打園田里紗がショートゴロエラーで出塁すると犠打とヒットを挟み佐藤倫が右前にタイムリーを放って5点目を入れる。
一方のペヤングは平金先発の中村絢夏に対し、4回までは1回裏に山下詩央里が中前に放った1本に抑えられ無得点。
しかしペヤングは5回に突如反撃。先頭の小松田夏菜が右前打、清水菜々子が投手強襲ヒット、小松真央が左前打と、6~8番の3連打で無死満塁の大チャンス。ここで代打に出た新開あみが左中間にジャストミート。抜ければ一気に3点が入りそうな二塁打性の打球だったが、レフトの福井実咲がタイミングドンピシャでダイビングキャッチ!この打球に対して走塁を焦った二塁走者が大きく飛び出してしまい、レフト福井からの返球で痛恨のダブルプレーとなってしまった(三塁走者はタッチアップで本塁生還)。
さらに2死二塁となったあと、1番高下ちなみがレフトにヒットを放つも、本塁を狙った二塁走者がまたもレフト福井からの好返球でタッチアウト。福井の二度にわたる好プレーで、打者5人全員が良い当たりのヒット性の打球を放ちながらも1得点でスリーアウトという、ペヤングにとっては非常に不運な攻撃回となってしまった。

<13安打を浴びながらも、2回以降は1失点と奮闘したペヤングの野村ひかり投手>


<1回表、先制タイムリーの放つ平金の佐藤倫>


<1回表、岡田千波もタイムリー>


<1回表、外間光も投手を強襲するヒット>


<1回表、山本眞優のセンター前で4点目>


<5回裏、無死満塁から代打の新開あみが左中間を抜けそうな打球を放つが>


<新開あみの左中間二塁打性の打球をレフトの福井実咲がダイビングキャッチ!>


<ライナーをダイビングキャッチした福井がセカンドに送球し、二塁走者が戻れずダブルプレー>


<5回裏、高下ちなみがレフト前ヒットを放つも、福井からの返球でホームタッチアウト>


<6回裏、無死一塁から山下詩央里がライトにポテンヒット性の打球を放つも一塁走者のスタートが遅れて二塁フォースアウト>

 

<7回裏、無死一塁から宮原葵の遊ゴロを併殺にする平金の二遊間>


【1日目・B会場第1試合】

佐川中国 000 1100…2-5-1
佐川東京 400 000x…4-6-2

佐川急便・中国:●三城京子、平佐みくに、陳彦君 - 鶴木真由
佐川急便・東京:○橋口麻弥、鈴木伶奈、飯田理夏子 - 楠美瑞紀
(本):保崎麻優(佐東)
(三):
(二):遠藤千夏(佐東)
【テーブルスコア】

<戦評>
佐川同士の潰し合いになったこの試合。過去の実力的には佐川中国が実業団1部OGとかも多くて格上だったのだけど、今年はその力関係が崩れた年となった。
ただ佐川中国には有名選手が二人いて、それは3番打者の元佐川急便1部の村中美紀と4番ショートの元日本精工(元甲賀医専)の植田りずみ。
さすがにこの二人の動くはちょっと抜きんでた感じがしたな。さらに6番熊谷みのりも元甲賀で數原顕子二世と呼ばれた逸材だし、監督はあの陳彦君さんだし、いろいろと楽しみな試合でもあった。
そんなマニア垂涎の試合も、1回の裏で決まってしまった。ヒットとエラー走者を二人出すと、4番の遠藤千夏が右中間に2点二塁打。さらに肝っ玉お母さんの保崎麻優が2点ホームランを放ち、佐川東京が一気に4点を先取する・
そんな試合にあって銀猫的な大注目が佐川東京のライトを守った「メガネ界のスーパーアイドル」こと外岡羽織。まあメガネ界と言っても総勢3人なわけだが(笑)

<5番投手として活躍するチームの新しい大黒柱、3年目の橋口麻弥。山梨学院大出>


<1部佐川急便でも活躍していた佐川中国の村中美紀。熊野OPで見た特大弾が忘れられない。そのバッティングは健在>


<佐川中国のショートは甲賀医専で主将を務め日本精工に進んだ植田りずむ。長身でスリムな体形はそのまま>


<佐川中国の先発は三城京子。磐田東高出身>


<1回表、右中間に先制の2点二塁打を放つ佐川東京の遠藤千夏>


<1回表、センターオーバーの2点二塁打を放つ佐川東京の6番保崎麻優>


<ホームランを放ちダイヤモンドを回る佐川東京の保崎麻優>


<3回裏、保崎麻優の大きな右飛を好捕する佐川中国の村中美紀。さすが元1部選手の守備>


<メガネ界のスーパーアイドル。「面白メガネ」こと、外岡羽織選手>


<佐川東京の2番手は鈴木伶奈投手。5回はややコントロールを乱してしまい涙の降板>


<4回裏、楠美瑞紀のバントがフライになると佐川中国の捕手鶴木真由がダイビングキャッチ!>


<佐川中国は最後は監督の陳彦君さんが自らマウンドに>


<佐川東京は3番手として元日本ウェルネスの飯田理夏子がリリーフし最後まで投げ切った>


【1日目・B会場第2試合】

佐川中京 000 0320…5-9-0
大阪HD 001 0000…1-4-2

佐川急便・中京:○松木あゆみ - 濱田夏希
大阪ホークスドリーム:●島田菜津美 - 吉田樹那
(本):
(三):林葉月(佐中)
(二):長尾梓(佐中)
【テーブルスコア】

<戦評>
大阪ホークスドリームはここ最近できた実業団登録のチームで選手は全員「(株)ヒューマンドリーム」という会社に所属で、ここはソフトボールの他にも野球やサッカー、バスケ、陸上など多くのスポーツチームを有する会社。
このチームを率いる「赤間隆行」さんとは、元デンソーの「森澤隆行監督」で、登録名も「森澤監督」。男子選手として活躍した後、レオパレス21コーチ、IPU環太平洋大コーチ、デンソー監督を歴任してきた実力者なので、このチームも早々に2部リーグに上がってくれるはず。その日が待ち遠しい。
さて試合はその大阪ホークスドリーム(以下、大阪HD)が先制。
3回裏、8番の杉浦仁美がレフト前ヒットで出ると山中桃香がサードゴロの進塁打。1番に戻って打席に入るのは田口美羽子。名前に聞き覚えがあるかも知れないが、森澤さんがデンソー監督時代に1年だけデンソーに所属していた選手で、その後は地元石川に戻って母校の金沢高校で外部コーチ的なこともやっていたようだが、この新チーム発足の話を聞いて再び現役選手として復帰したらしい。
その田口がさすがに元1部選手の貫録でライト前に巧く流し打って先制のタイムリーヒットを放つ。

一方の佐川中京。チーム発足10年目で、この大会に勝利したのは1年目の地元一宮大会でNECに勝った一度きり。今年はチャンスなのでなんとか2勝目を得ようと、5回に反撃に出る。
1点ビハインドの5回表、先頭の9番高山未由がライト前ヒット。長尾梓の投ゴロで走者が二塁に進むと、渡辺愛美のセカンドゴロを大阪HDに痛恨の失策が出て一三塁。このもらったチャンスに、今年は打撃が開花し3番を任されている「日本一髪の長いソフトボール選手」林葉月が低めのボールを綺麗に拾って右中間を真っ二つに破る逆転の2点三塁打。さらに4番服部美望のセンターへの犠牲フライも出てこの回一挙3点で試合をひっくり返した。
さらに6回にも黒田なつきのレフトフライを大阪HDが落球するミスで無死二塁。濱田夏希が犠打で送った後、竹田涼己がセンターへのタイムリーヒット。さらに1番長尾梓にもセンターオーバーのタイムリー二塁打が出てその差を4点とし大阪HDを引き離した。
投げては佐川中京のエース松木あゆみが田口美羽子のタイムリーによる1点に抑え被安打4で完投勝利し、チームとして10年ぶりの実業団大会2勝目をあげた。
大阪HDは先制しながらも要所で出てしまった二つのエラーが失点に結びついてしまったのが痛かった。

<3回裏、ライトに先制タイムリーを放つ大阪HDの田口美羽子(元デンソー)>


<5回表に右中間をライナーで真っ二つに破る逆転の三塁打を放つ林葉月。今年はバッティングが開花し中心打者に>


<トレードマークの長い髪をなびかせ三塁に滑り込む林葉月。でも以前はもっと長かったけどね>


<センターに3点目となる犠牲フライを放つ佐川中京の服部美望>


<エラー絡みで5失点したが、7回をしっかり投げ切った大阪HDの投手、島田菜津美(香ヶ丘リベルテ出身)>


【1日目・B会場第3試合】

佐川千葉 000 …0-2-1

大和電機 906x…15-11-0
(3回サヨナラコールド)

佐川急便・千葉:●油井明日香 - 小川奈津美
大和電機工業:○小西あかり - 岡村香織
(本):望月朱里(大)
(三):望月朱里(大)
(二):望月朱里、田中智佐世(大)
【テーブルスコア】

<戦評>
佐川急便グループの中では恐らく一番新しいチームで、若干チーム力が劣るかなあというのが率直な感想の佐川急便・千葉。さすがに一回戦が強力打線の大和電機相手だと厳しかった。
大和電機は打者17人で11安打13打点と爆発。特に1番の望月朱里がホームラン、二塁打、三塁打ときて、あと単打でサイクルヒット達成だったのだが、あまりにもチーム全体で打ち過ぎて3回コールドで終わってしまい、4打席目が回ってこなかった。
ボロ負けの佐川急便千葉だが、去年は東海理化に19-0の19点差3回コールドだったので、今年は点差が15と4点縮んだのは成長の証(まあ大和電機電機の攻撃が裏の回じゃなかったら20点以上取られそうではあったが…笑)。このままの調子でいけば4年後には1点差で勝利できる計算になる(笑)
ちなみに金田樹乃が初回先頭打者で、8番の小林保菜美が3回先頭車でヒットを放った。

<佐川急便千葉のエース油井明日香投手>


<望月朱里の二塁打で近藤紗帆が生還し初回8点目>


<3回裏、代打清水梓未がライト前タイムリーを放ち、無死のままこの回6点を奪ってコールド成立>


<原始人の足跡発見。この試合の途中で突然の豪雨があって1時間ちょっと中断。誰や裸足で歩いたの?(笑)>


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