【2018年2部リーグアドバンスセクション第1節掛川大会:日本精工 vs 大和電機 ~ アドバンスのライバル対決は日本精工が1点差で逃げ切る】

日本精工 000 0000 4…4
大和電機 000 0000 3…3

日本精工:○山田夏生、白川果歩 - 馬場未波
大和電機:●北山柚花、大串都未希 - 岡村香織
(本):
(三):
(二):角山瞳(大)

 

【戦評と、今年のアドバンスセクションについて】
 延長8回に日本精工が4点を奪い、これでさすがに決まっただろうと思ったがその裏、大和電機は2点を奪ってなお無死一二塁。ここで打席に入った大和電機が誇る大砲中嶋瞳がレフトに完璧な打球。強い逆風など無関係なもの凄い当たりで、上がった瞬間には遥かレフト後方に消える逆転サヨナラスリーランかと思ったが、風に大きく流されポール左のファールゾーンに。その後は犠打に切り替えさらに1点を追加したものの、結果的に1点差の惜しい敗戦になった。ただやっぱり「大和電機の試合は面白い!」と思わせてくれる最終回の攻撃だった。
 一方の日本精工もさすがに昨年1部を経験しただけあって試合巧者。8回表は1死三塁で打者中村白がエンドランを成功させて勝ち越し点を奪ったが、あの打席、2ストライクまでは普通に打っていてファールもあったがカウントが2-2になった時点でのエンドラン。内野も油断するしピッチャーもストライクを投げてくるし、やるとしたら一番成功しやすいタイミングだったかも知れない。それに打者がバットに当てることに関してはチームで一番頼りになる中村。織機にいた3年間は同じセンターで常に狩野亜由美の守備もバッティングも一番間近で見てきたある意味後継者なので、軽くバットを出してショートに転がすくらいはお手の物だっただろう。大和電機もあそこで読んで読んで1球外せるくらいになるとワンランク上に行けるのだが、でもさすがにあの場面でそこまで求めるのは意地悪か(笑)

 今年のアドバンスセクションは実力的には「日本精工の1強」と思われがちだが、実はそう簡単にいきそうに無いのがこの大和電機の存在。
 2015年の実業団選手権で「1部チームの実力」のあったシオノギ製薬を下して優勝した時から実力的にはいつ2部で優勝してもおかしくはなかったが、昨年大串都未希投手が加わったことで投手陣がパワーアップし、今年は北山柚花が成長したことで1試合任せられる投手が更に増えた。ベテランの小西あかりも、西奥間沙紀も控えているので投手陣は十分、いつ1部に上がっても恥ずかしくはない。
 加えて中嶋瞳という最強スラッガーもいるし、前後を打つ望月朱里と新田和音もホームラン打者で、この3人が初回から出てくる打線は迫力満点。
 個人的なことを言わせてもらうと、ここ最近はこの大和電機の試合を見るのがもしかしたら一番楽しみかも知れない。どこからホームランが出るか分からないし、小柄な打者でもフルスイングで外野の頭を越すし、とにかく楽しみませてくれるチームなのだ。
 UT、UR、UYの「頭文字U三悪人(笑)」に乗っ取られ私物化された日本代表に憤ってソフトボール見るのにも嫌気がさしてきたそこのあなた、大和電機の試合を見ることを是非ともオススメします(笑)

 そんな2チームの対戦は、ホープセクションの「靜甲vsNEC-PF」と同様に今年のセクション1位を争う重要な試合であり、その期待に応えてくれてとにかく面白い試合だった。
 詳細は下記に譲るとして、結果は日本精工の1点差勝利。第1戦は大和電機が勝ってくれると今後の展開として更に面白味が増したのだが、しかし負けたとは言え8回表の4失点をその裏に3点奪い返して1点差にしたのだから立派。後半の直接対決でも結局は勝利が義務づけられるので、1点差の敗戦なら並んだ状態と思って差し支えなさそう。
 とにかく今後は日本精工と大和電機の勝敗には大注目。そしてそこに若返った試合巧者のドリームシトリンと、突如打線爆発のYKKがどう絡んでくるか。選手数は減ったが逆にまとまりが生まれて、第1節3連敗ながら全て1点差の平林金属、投手陣の不調で大敗もあったがもともと力のある花王コスメが足下をすくえるかも興味深い(ウェルネスも頑張れ)。

<2-4で迎えた8回裏、無死一二塁で中嶋瞳が完璧に捉えるも、強い風に流されて無念のファール。逆転サヨナラスリーランにならず>


<日本精工vs大和電機の第1ラウンドは1点差で日本精工勝利。決着は後半戦に持ち越し>



 

【試合詳細】

 

【日本精工~スタメンと交替選手】
1(8):中村白
2(4):黒木美佳
3(5):新美天理
4(3):安井聖梨奈
5(D):江口裕里
6(2):馬場未波
7(9):山本悠未
8(6):松田愛実→(打)谷口みなみ→(再6)松田愛実
9(7):西岡彩乃
FP(1):山田夏生→(1)白川果歩

 

【大和電機~スタメンと交替選手】
1(9):望月朱里
2(5):中嶋瞳
3(8):新田和音
4(2):岡村香織
5(3):田中智佐世
6(D):清水梓未
7(7):近藤紗帆→(打)小柳結→(再走/7)近藤紗帆
8(4):角山瞳
9(6):今崎七海
FP(1):北山柚花→(1)大串都未希

 


 

【1回表:日本精工~0点】
中村:空振り三振
黒木:見逃し三振
新美:四球
安井遊後方ポテン安(詰まったが良いところに落ちた)
江口左前打
 ※打球はジャストミートでレフトの前に。イージーバウンドになってレフトの近藤が落ち着いて本塁にストライク送球。余裕を持ってアウト

<出せば必ず何か仕事をする江口裕里がチャンスにレフトにヒット>


<この打球を捕ったレフトの近藤紗帆が落ち着いて本塁へストライク返球>


<タイミング的には余裕を持ってアウトに>


【1回裏:大和電機~0点】
望月中前打
中島:投ゴロ併殺打(ジャストミートしだが投手正面で1-6-3)
新田:二ゴロ

<無死一二塁で中島瞳の強い打球は投手正面>


<1-6-3の併殺打でチャンスが潰れる>


【2回表:日本精工~0点】
馬場:遊直
山本:遊飛
松田:一ゴロ

 

【2回裏:大和電機~0点】
岡村:三ゴロ
田中:四球
清水:中飛
近藤:二ゴロ

<大和電機の豪快なフルスイングを代表する田中智佐世のバッティング>


【3回表:日本精工~0点】
西岡:遊飛
中村:右飛(一瞬おっ、と思ったが逆風なのでどんどん戻され平凡なフライ)
黒木:スラップ・二ゴロ・好プレー

<黒木美佳の緩いゴロを巧く処理するセカンドの角山瞳>


【3回裏:大和電機~0点】
角山:左飛
今崎:空振り三振・振り逃げ
望月:空振り三振(アウトコース振らされる)
中島:空振り三振

 

【4回表:日本精工~0点】
新美:中直
安井:遊飛
江口:二ゴロ・好プレー

<江口裕里のセンターに抜けそうな打球も角山瞳が好プレーでアウトに>


【4回裏:大和電機~0点】
新田:左直
岡村:見逃し三振
田中:二直

 

【5回表:日本精工~0点】
馬場:二飛
山本:三飛
谷口(打←松田):空振り三振
 ※代打の谷口に代わり松田が再出場

<二飛を処理する角山瞳。ただこの日は強風で高いフライを捕球するのはみんな一苦労>


【5回裏:大和電機~0点】
清水:左飛
小柳(打←近藤)右前打
 ※新人の小柳、初打席初ヒット
 ※小柳に代わり一塁走者に近藤が再出場
角山左前打
 ※レフトファールフライを西岡が落球した後にヒット
今崎:二飛
 ※今崎、カウント3-0から果敢に打ちに行くもファール。ただちょっと高目のボール臭かった。でもその積極性こそが大和電機のソフトボール
望月:空振り三振
 ※望月粘るも再び外のファストボールにやられる

<新人の小柳結、代打で初打席初安打>


<日本精工のレフトの西岡彩乃も高~いファールフライを落球。とにかく風に流される。その後打ち直しでヒットを打たれてひやっとしたが、なんとか無失点で一安心(西岡推しとしては叱咤激励の意味も込めてあえてこの写真を貼る、笑)>


【6回表:日本精工~0点】
西岡:四球
中村:一ゴロ二封
 ※一二塁間抜けそうな速い打球だったが、ファーストの田中が逆シングル好捕
黒木一塁線・右前打
 ※前進守備のファースト田中の右を抜けてギリギリでベース上通過
新美:遊ゴロ・三封
 ※三遊間抜けそうな打球を今崎がダイビングキャッチ、サードに投げてフォースアウトのファインプレー!
安井:四球
江口:三邪飛
 ※仕事人江口だったが、ここは北山が踏ん張る

<中村白の打球は一二塁間を抜けそうな強い打球もファースト田中智佐世が好プレーで二封>


<新美天理が三遊間を真っ二つ!>


<完全に抜けたかと思ったが、ショートの今崎七海がダイビングキャッチで三封。この日の大和電機の内野陣はよく守った>


【6回裏:大和電機~0点】
中島:遊ゴロ
新田:投ゴロ
岡村:見逃し三振(岡村はこの試合、山田に合わず)

 

【7回表:日本精工~0点】
馬場:遊邪飛
山本:二ゴロ
松田:遊ゴロ・ファインプレー

 

【7回裏:大和電機~0点】
田中:空振り三振
清水:三邪飛
近藤:投直・弾くゴロ

 

【8回表:日本精工~4点】
 ※二塁走者に松田
西岡:一犠打
中村三ゴロ(エンドラン成功)
 ※2ストライクまでは強打、ファールでカウント2-2となりエンドランをかけてきた
黒木左前打
新美左前打(黒木は三塁へ)
安井:故意四球(一三塁から満塁へ)
江口押し出し死球
 ※カウント2-0から肩を直撃。北山はすでに限界だったか
 ※大和電機は投手交代、北山大串
馬場遊弾く2点左前適時打(初球)
 ※投球後に二塁ベース方向へ守備位置を移動しかけたショートの今崎が逆を突かれる。定位置なら処理できたか
山本:捕邪飛

<1死三塁で強打をし自打球ファールの中村白、これでカウントは追い込まれたが>


<ここで三走松田愛実とエンドラン、ショートに転がし日本精工は1点を奪う>


<日本精工はさらに2死走者なしからチャンスを広げて、満塁から江口裕里が押し出し死球で追加点。さらに馬場未波の2点打で計4点>


【8回裏:大和電機~3点】
 ※二塁走者に近藤
角山左中間適時二塁打
今崎一二塁間・右前打(一三塁に)
望月:遊ゴロ・適失
 ※三遊間深いところ、松田がファンブルし三走の角山が生還。記録はエラーだと思うが、深い打球で捕っていても一塁はセーフで満塁にはなっていたと思う
中島:一犠打(二三塁に)
 ※飛距離十分の逆転スリーランの打球が風に大いに流されてファールになった後に
新田二ゴロ(三塁)
岡村:右邪飛

<8回裏、大和電機も反撃開始。まずは角山瞳が左中間を破って1点を返す>


<さらに今崎七海も一二塁間を破って一三塁とチャンスを広げる>


<今崎、一塁ベース上で得意顔>


<1番に帰って望月朱里が三遊間へゴロ>


<サード新美天理のグラブの先をかすめてショートの松田愛実が追いつくも弾いてしまい2点目が入りなお無死一二塁>


<ホームラン性の大飛球のあと、犠打に切り替えた中嶋瞳。この選択は賛否あるが、強打とどちらが良かったかはなかなか決められない。ただ日本精工はホッとしたはず>


<1死二三塁から新田和音がセカンドに転がして3点目。1点差にできたことで中島の送りバントもひとまずは意味があったか>


<最後はチャンスに強い岡村香織の一打にかけたが、ライトに打ち上げてしまい万事休す>


【試合終了】

<ベンチでもたもたしていて集合の挨拶に大幅に遅れた今崎七海(笑)>


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