【2018年日本リーグ1部第8節横浜大会③:織機 VS 日立 ~ K・リケッツ好投4安打完封。初回の佐藤光紗のツーランで織機が逃げ切る】

織機 200 0000…2-8-1
日立 000 0000…0-4-2
※会場の記録では織機のヒットは7で日立のエラーが3だが、8と2が普通と思う※

豊田自動織機:海部栞菜(登板せず)、○ケイラニ・リケッツ - 永溝早紀
日立:●岡村奈々、泉花穂、小薗美希 - 清原奈侑、鈴木理恵
(本):佐藤光紗(織)
(三)
(二):清原奈侑(日)

<戦評>
 試合内容に入る前にひと言。
 やっぱりこの10月の第8節に行われる保土ケ谷球場での横浜大会は、なんか良いですね。
 決勝トーナメントが京都西京極球場で行われていたときもそうだったけど「ああついに日本リーグもこの季節が来たなあ…」と感慨深い気持ちになります。最終節が甲府で行われる時もそんな感じだけど毎年開催ではないし、決勝トーナメントも京都じゃなくなって久しいし、今こういう気分にさせてくれるのはこの保土ケ谷くらいかな。
 ただ今回少し残念だったのが、台風の影響で気温が高すぎて、スタンドに運ばれてきたイチョウの落ち葉以外にはあまり秋を感じられなかったことと、そして、日立が今年弱すぎて緊張感に欠けたこと。やっぱり秋は涼しくて、そして日立サンディーバは強くあってくれないとね(笑)

 さて、直前の試合でライバル戸田中に快勝した織機はこの試合が連戦。
 戸田中に勝利した勢いそのままに、初回に日立先発の岡村奈々を攻め、2番村上ほのかがライトへのクリーンヒットで出ると3番佐藤光紗が右中間へ完璧なツーランホームラン。試合開始直後にあっさりと2点を先制する。
 しかし終わってみれば得点はこの2点だけ。1回の攻撃も佐藤に続き洲鎌夏子が四球、中森菜摘が内野安打でチャンスを作り、代わった泉花穂から金江爽友がライトにヒットを放ったが松本怜奈の好返球で本塁タッチアウトで無得点。するとその後はチャンスを作りながらもやや雑な攻めで得点を奪えず、攻撃の形としては織機は大いに課題を残したが、ただシーズンもこの佳境にきて史上稀に見る大混戦の中にあっては、もはや内容云々でなく「勝利」という結果が何よりも全て。とにかく織機にはとても大きな勝利だった。
 一方の敗れた日立。今年はこれで完全に脱落。それどころか入れ替え戦争いすらちらついてきた。先日の国体では日立単独チームとして神奈川県代表で参戦し、IPU環太平洋大単独の岡山県に敗れるという屈辱も経験したし、冗談抜きで入れ替え戦とか行ってしまうとシャレにならなくなる。
 ただチームの雰囲気は決して悪くないのでそれも杞憂に終わるだろうが。


【豊田自動織機:先発と交代選手】
1(6):髙坂香月
2(7):村上ほのか
3(3):佐藤光紗
4(5):洲鎌夏子
5(4):中森菜摘
6(D):ケイラニ・リケッツ→(DP1)K・リケッツ→(走)下山実咲→(再DP1)K・リケッツ
7(9):金江爽友
8(8):カースティ・メリット→(走)大平あい→(再8)K・メリット
9(2):永溝早紀→(打)田口美佳→(再2)永溝早紀
FP(1):海部栞菜→(FP解除)

【日立:先発と交代選手】
1(9):松本怜奈
2(4):松岡くるみ
3(8):山田恵里
4(6):那須千春
5(D):木村千春
6(7):田邊奈那
7(2):清原奈侑→(2)鈴木理恵→(再打)清原奈侑
8(3):林佑季
9(5):倉本美穂→(打)松畑美希→(再5)倉本美穂→(打)数馬史穂
FP(1):岡村奈々→(1)泉花穂→(1)小薗美希



【1回表:豊田自動織機~2点】

髙坂:見逃し三振
村上右前打
佐藤右中間2点本塁打
洲鎌:四球
中森ショート左内安
 ※ショートの那須が三遊間の打球を追いついて振り向きざまにセカンドに送球も逸れてセーフに。
 ※打球の位置やタイミング的には明らかにヒットだが、会場の記録では「失策」扱い。これはおかしい。
 ※日立はここで投手交代、岡村泉花穂
リケッツ:左翼線邪飛
金江一二塁間右前打
 ※二塁から洲鎌が本塁突入も松本怜奈の好返球でやや余裕を持ってアウト。これはタイミング的には無理だった。

<右中間に完璧なツーランを放つ佐藤光紗。本当にここぞという時に頼れる打者>

<三遊間の打球に追いついて振り向きざまに二塁送球も逸れてセーフに。これをエラーにしてしまうのは野手にも打者にも可哀想。タイミングもたぶんセーフだし>

<先発出場の金江爽友がライトにクリーンヒット>

<金江のヒットで二塁から俊足洲鎌夏子が本塁突入もさすがにあの打球では楽にアウトに。松本怜奈の返球も完璧だった。写真はタッチされた後です>

【1回裏:日立~0点】
 ※織機は投手が海部からリケッツへ交代。
松本
投ゴロ
松岡遊内安
 ※平凡な正面へのゴロだが髙坂がバウンドを合わせるため一歩下がって捕ったためセーフに。
山田
四球(ストレート)
那須右前打
(ライナーで)
木村
空振り三振(インコース)
田邊
遊飛
 

【2回表:豊田自動織機~0点】
メリット右前ポテン打
 ※永溝の時に送れずに、盗塁を試みるも二塁アウト
永溝:遊飛
髙坂:見逃し三振(3球)

<1回途中からリリーフした泉花穂。その後織機の攻撃をピタッと止める>

【2回裏:日立~0点】
清原:見逃し三振(3球)
:遊ゴロ
倉本:一ゴロ(ラインギリギリ)

【3回表:豊田自動織機~0点】
村上:見逃し三振(3-0から3-2となり)
佐藤:中飛
洲鎌:一ゴロ

【3回裏:日立~0点】
松本:二ゴロ
松岡:右飛
山田左前打(うまく流す)
那須:三ゴロ(三塁線、洲鎌がバックハンド好捕)

<三塁線の打球を好捕する洲鎌夏子>

【4回表:豊田自動織機~0点】
中森:左直
リケッツ:投ゴロ(ボテボテ)
金江中前打(セカンド左をライナーで抜く)
メリット:四球
(打)田口:空振り三振(ファールで粘るも最後はアウトコースをハーフスイング)

【4回裏:日立~0点】
木村:遊半直(髙坂が下がりながらジャンプして好捕)
田邊:見逃し三振(普通のストライクを田邊がなぜか見逃し、永溝がびっくりして落球もタッチしてアウト)
清原中前二塁打
 ※強い打球がセカンド左を抜けセンターに。芝の切れ目で大きく弾かれメリットの顔面直撃。逸れる間に清原は二塁へ。
 ※メリットが治療のため一旦ベンチに。
 ※テンポラリー走者に田邊
:一飛

<清原奈侑のセカンド横を抜けた打球が芝生の切れ目で大きく跳ねてK・メリットの顔面直撃。この大会芝生でイレギュラーは2回もあった。しかし顔で止めてなかったらランニングホームランになっていたかも>

【5回表:豊田自動織機~0点】
髙坂:スラップ投ゴロ(初球)
村上:四球(ライトポール際への大ファールあり)
 ※佐藤の時に二盗
佐藤:四球(ストレート。ストライクゾーン急に狭くなる)
 ※ここで日立は投手と捕手交代、泉花小薗清原鈴木
洲鎌:左飛
中森
 ※中森の打席で二走の村上が三盗。判定はセーフもその前に離塁アウトを宣告される。

<スラップばかりやってる村上ほのかが珍しく強打した打球がライトポール際にあわやホームラン。やればできるじゃん。>

【5回裏:日立~0点】
(打)松畑:中飛(初球、センターへ大きな当たり)
松本:三ゴロ
松岡:遊ゴロ

【6回表:豊田自動織機~0点】
中森:二ゴロ(一塁へヘッスラ)
リケッツ中前打(ちょこんと当てる感じで)
 ※代走に下山
 ※金江の打席で下山が二盗失敗。エンドランで金江が空振りしてしまったか?
金江:二ゴロ失(真正面のイージーゴロ)
メリット左前打
 ※代走に大平
永溝:見逃し三振(ファールで粘ったが)
 ※リケッツメリット永溝がそれぞれ再出場

【6回裏:日立~0点】
山田:左飛(初球)
那須:四球(ストレート)
木村:空振り三振
 ※ファールで粘るも、最後は体の正面にきた投球に思わずバットを振ってしまい空振りボールデッド。
田邊:遊直(強烈な打球も正面)
 ※ちょっと角度があれば全日本総合の時のように左中間への同点ツーランになるような打球だったが…。

<体の真正面に来た投球に思わずバットを振ってしまった木村千春。「思わず振ってしまいました」としか言い様がないだろうな(笑)>

【7回表:豊田自動織機~0点】
髙坂:遊ゴロ
村上:一ゴロ(強烈な打球で林が弾いたが拾い直す)
佐藤:遊ゴロ失(三遊間の打球だがこれはエラーでも仕方がないか)
洲鎌:二飛

【7回裏:日立~0点】
(再)清原:遊ゴロ失(正面のゴロ、見事なトンネル)
:二ゴロ・守備妨害(一走の清原が緩いゴロを足に当ててしまう)
(打)数馬:三ゴロ二封(一塁転送も数馬が必死のヘッスラでセーフに)
松本:右飛

<名手髙坂香月の珍しい見事なトンネル。この大会は水戸久瑠実もトンネルしたし那須千春もエラーしたし、イレギュラーも数回あったし髙坂にも跳ねてぶつかったし遊撃手が受難。もしかしたらグランドが荒れていたのかも。>

<代打で出てきて三ゴロも必死の一塁ヘッスラでゲッツーを阻止した数馬史穂>

<しかし最後の打者松本怜奈が右飛に倒れゲームセット>

<前半戦のリベンジで日立を完封した織機のケイラニ・リケッツ>

【試合終了】

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