太陽誘電（リーグ戦4位）
010 1000…2-5-1
000 0100…1-6-0
豊田自動織機（リーグ戦3位）
太陽誘電：藤田倭(0/0回)、○尾﨑望良、藤田、尾﨑、藤田、尾﨑、藤田、尾﨑、藤田、尾﨑 － 青木千春
豊田自動織機：海部栞菜(0/0回)、●ケイラニ・リケッツ － 永溝早紀
（本）：
（三）：
（二）：藤田倭（誘）
＜戦評＞
5回裏、豊田自動織機は押し出しで1点を返し、1-2と1点差に迫り、なお2死満塁の場面でバッター中森菜摘の打球は一二塁間へ。ゴロで転がった打球がライトに抜けて二者が生還し、織機が逆転に成功か！？と思った矢先、セカンドの丸本里佳がドンピシャのタイミングでダイビングキャッチ！すぐさま起き上がって一塁に送球しアウトにする超ファインプレーで、この最大のピンチを救った。
しかし織機もこれでは終わらずさらに粘って最終回。ヒット3本で作った2死満塁のチャンスで打者は再び中森。投手尾﨑望良が投じたアウトコースの投球に上手く合わせると打球はレフト頭上へのライナー。前進気味に守っていたレフトの頭上を抜ける逆転サヨナラタイムリーかと思ったが、後半7節からFPとしてレフトの守備専門についている川村莉沙が一直線にバックして最後は半身でキャッチし試合終了！
この二つのファインプレーでピンチを救った太陽誘電が織機をなんとか振り切って、翌日の準決勝戦に駒を進めた。
とにかく太陽誘電は「必死に守り切った」試合だった。
先発左腕の尾﨑望良が素晴らしいピッチングで好投を続けると、5回のピンチには右腕藤田倭との小刻みな継投。織機打線が1番から左→右→左→右→左とジグザグに続く場面では、尾﨑→藤田→尾﨑→藤田→尾﨑と打者一人ずつ交互にスイッチ。7回裏の場面でも同じように交互にスイッチ。結果、藤田は打者4人中3人を出塁させたので成功したとは言いがたいが、「なんとしてでも必死に防ぐ」というこの姿勢が、野手陣のファインプレーにもつながったのだろう。
それにしても織機は惜しい、悔しい試合だった。あそこまで攻める展開ならなんとか勝たせてやりたかったが、これはもう運が悪かったとしか言いようがない。ケイラニ・リケッツも序盤と終盤は素晴らしいピッチングで誘電打線を抑えていただけに、4回に突如崩れて3四死球を与えて1失点したのが悔やまれる。
今年の日本リーグは前半戦戸田中央総合病院とシオノギ製薬の快進撃やSGホールディングスの2年続けての躍進など様々なことがあったが、結局この日誘電が勝利したことで、決勝トーナメントの1日目の結果も2日目の顔ぶれも、去年と全く同じということになってしまった。
＜ケイラニ・リケッツも良いピッチングだったが、4回の自滅が痛かった＞
＜好投した太陽誘電の尾﨑望良。一昨年に続きここ神宮球場での相性は抜群＞
【太陽誘電：先発と交代選手】
1(9)：原田のどか
2(5)：山本晴香
3(8)：河野美里
4(1)：藤田倭→(OPO)→(走)子安愛美→(再OPO)→(1)→(OPO)→(1)→(OPO)→(1)→(OPO)→(1)→(OPO)
5(3)：大塚枝里香
6(D)：尾﨑望良→(1)→(走)川村莉沙→(再1)→(DP)→(1)→(DP)→(1)→(DP)→(1)→(DP)→(1)
7(4)：丸本里佳
8(2)：青木千春→(打)佐藤みなみ→(再2)青木千春
9(6)：中溝優生
FP(7)：川村莉沙→(走)→(7)
【豊田自動織機：先発と交代選手】
1(6)：髙坂香月
2(8)：カースティ・メリット
3(3)：佐藤光紗
4(5)：洲鎌夏子
5(4)：中森菜摘
6(D)：ケイラニ・リケッツ→(1)→(打)山科麻由佳→(再1)K・リケッツ
7(9)：金江爽友→(打)横野涼→(再9)金江爽友
8(7)：村上ほのか→(打)田口美佳→(再7)村上ほのか
9(2)：永溝早紀→(打)宮本愛里→(再2)永溝早紀
FP(1)：海部栞菜→(FP解除)
【1回表：太陽誘電～0点】
原田：空振り三振
山本：空振り三振
河野：左飛
【1回裏：豊田自動織機～0点】
髙坂：三直
メリット：四球
佐藤：左飛
洲鎌：左飛
【2回表：太陽誘電～1点】
藤田：三遊間・遊安
※ショートの髙坂が三遊間難しい打球をグラブに当てて弾く
大塚：右前打
※バントを2球ファールの後、強打すると高く弾んでファーストの頭を越える人工芝ヒット
※二塁代走に子安
尾﨑：三ゴロ（二三塁に）
丸本：二ゴロ（打点）
※初球に三走子安との間でエンドラン成功
青木：空振り三振
＜丸本里佳がエンドランを決める＞
【2回裏：豊田自動織機～0点】
中森：空振り三振
リケッツ：四球
金江：空振り三振
村上：スラップ三安（高く弾む）
永溝：空振り三振（体に当たるストライクあり）
【3回表：太陽誘電～0点】
中溝：二ゴロ（ボテボテ）
原田：死球（腹直撃）
山本：二ゴロ・タッチアウト二封
河野：見逃し三振
＜難しい打球をいとも簡単に処理する名手中森菜摘＞
【3回裏：豊田自動織機～0点】
髙坂：スラップ三安（高く弾む）
メリット：投弾く二ゴロ（走者二塁）
佐藤：見逃し三振
洲鎌：右飛
＜スラップで高く転がして内野安打を放つ髙坂香月＞
【4回表：太陽誘電～1点】
(再打)藤田：四球（ストレート）
大塚：中前打（クリーンヒット）
尾﨑：遊ゴロ二封
※高く弾んだ難しいバウンドの打球、髙坂が前進してアウトにする隠れたファインプレー
※尾﨑に代わり一塁代走にFPの川村
※川村が二盗で二三塁に
丸本：投ゴロ
※投→三→本→三でタッチアウト。その間に丸本は二塁に進んで二三塁に
(打)佐藤：死球（肘をかすめる）
中溝：押し出し四球（3-2から）
原田：右飛
※代走FPの川村がレフトへ。尾﨑が再出場で投手に
＜中溝優生が3-2から四球を奪って押し出し＞
【4回裏：豊田自動織機～0点】
中森：遊ゴロ
リケッツ：空振り三振
金江：空振り三振
【5回表：太陽誘電～0点】
山本：一ゴロ
河野：三ゴロ
藤田：左越エンタイトル二塁打
※ライナーでレフト線に飛びワンバウンドでフェンスを越える
大塚：二ゴロ（中森好プレー）
＜この大舞台のピンチの場面でもクールにプレーする中森菜摘。中森のグラブには打球が吸い付く＞
【5回裏：豊田自動織機～1点】
村上：セフティバント一ゴロ（間一髪）
(打)宮本：空振り三振
髙坂：四球
※粘って際どいコースも見逃して奪い取る
※誘電は投手交代、OPOの藤田が投手、投手尾﨑がOPOに
メリット：投ゴロ失
※投手左のゴロを藤田がお手玉
※誘電は投手交代、OPOの尾﨑が投手、投手藤田がOPOに
佐藤：投安（当たり損ねが幸い）
※誘電は投手交代、OPOの藤田が投手、投手尾﨑がOPOに
洲鎌：押し出し四球
※誘電は投手交代、OPOの尾﨑が投手、投手藤田がOPOに
中森：一二塁間二ゴロ
※ライトに抜けたと思ったが、セカンド丸本がダイビングキャッチ！
＜村上ほのかのセフティバントは上手かったが大塚枝里香が好プレーでアウトに＞
＜粘って際どいコースを見逃し四球を奪う髙坂香月＞
＜右打者のカースティ・メリットに対して藤田倭が登板。誘電はここから小刻みな継投＞
＜そのメリットの打球は藤田がお手玉するエラー＞
＜さらに藤田は降板、再登板したが洲鎌夏子に押し出し四球を与えてしまう＞
＜2死満塁の場面で中森菜摘の打球は一二塁間へ＞
＜この打球を丸本里佳がダイビングキャッチでアウトにするスーパープレー＞
【6回表：太陽誘電～0点】
尾﨑：二半直
丸本：一ゴロ・TO（強烈な打球、ファースト佐藤が好捕）
青木：遊ゴロ
【6回裏：豊田自動織機～0点】
(打)山科：投弾く遊ゴロ（良い当たりだったが）
(打)横野：三ゴロ
(打)田口：空振り三振
【7回表：太陽誘電～0点】
中溝：空振り三振
原田：空振り三振
山本：一二塁間右前打（コロコロと抜ける）
河野：空振り三振
【7回裏：豊田自動織機～0点】
永溝：中前打（クリーンヒット）
髙坂：スラップ遊安（高く弾む）
※誘電は投手交代、OPOの藤田が投手、投手尾﨑がOPOに
メリット：捕邪飛（詰まった）
※誘電は投手交代、OPOの尾﨑が投手、投手藤田がOPOに
佐藤：見逃し三振（インコースいっぱい）
※誘電は投手交代、OPOの藤田が投手、投手尾﨑がOPOに
※織機は二塁テンポラリー走者に佐藤
洲鎌：三塁強襲安（満塁に）
※誘電は投手交代、OPOの尾﨑が投手、投手藤田がOPOに
中森：左直
※レフト頭上を抜けたかと思ったが、川村が背走キャッチ！
＜最終回、先頭の永溝早紀がセンターへクリーンヒット。織機も簡単には終わらない＞
＜さらに髙坂香月がスラップで内野安打。この選手は本当に頼りになる＞
＜1死一二塁の場面で期待の佐藤光紗だったがインコースギリギリで見逃し三振。しかしこれは尾﨑の投球が素晴らしかった＞
＜洲鎌夏子がサードを強襲するヒットでつないで再び満塁のチャンス＞
＜中森菜摘が上手く合わせた打球はレフトの頭上をおそったが…＞
＜レフトの守備専門FPの川村莉沙が背走してキャッチ！！＞
＜このピンチも守り切った誘電が勝利し、3位以上を確定させた＞
【試合終了】