【2018年日本リーグ決勝トーナメント・準決勝(2日目第1試合):太陽誘電 VS トヨタ自動車 ~ トヨタ、アボットの好投と鈴木鮎美の一発で誘電を沈める】

太陽誘電
 000 0000…0-2-0
 000 001x…1-6-0
トヨタ自動車

太陽誘電:●藤田倭 - 青木千春
トヨタ自動車:○モニカ・アボット - 峰幸代
(本):鈴木鮎美(ト)
(三)
(二)

<戦評>
 0-0で迎えた6回裏、先頭で打席に入った鈴木鮎美がセンターに豪快に放り込んで均衡を破ると、昨日からの連投となったモニカ・アボットが太陽誘電打線を2安打完封。トヨタ自動車が勝利して決勝戦に駒を進めた。
 トヨタは2回裏にリズムよく攻撃が進んで一気に1死二三塁とすると、打者古澤春菜、三走渥美万奈のコンビでカウント3-1からエンドラン。役者もカウントも揃っていて99%成功する場面だったが、誘電バッテリーがアウトコースに投げて古澤を空振りに。あの場面で意図的に外したとしたら誘電バッテリーは凄いことだと思うのだが、ただのコントロールミスだろうか。ただ古澤の動きなどから見て瞬時に外したような気もする。とにかくエンドランを外して打者を空振りさせると、捕手青木千春が三塁に送球。しかしこれが少しタイミングが遅れて渥美がタッチをかいくぐって間一髪セーフ、かと思ったが判定は無念のアウト。これで絶好の先制機を逃したトヨタ自動車は藤田倭に抑えられてその後はチャンスも作れなかった。逆に4回までノーヒットの太陽誘電は5回に2安打でチャンスを作るなど、このまま進んで延長に入っていたら徐々に誘電にも流れが行きそうなところだっただけに、最高の場面で生まれた鈴木鮎美の決勝ホームランだった。

 太陽誘電は今年は前半戦苦しみ、後半戦でなんとか盛り返してギリギリで4位通過。しかし決勝トーナメントでは実力を発揮し、前日の豊田自動織機戦に勝利し、さらにこの試合も王者トヨタ自動車と互角の戦いをし、前半戦Bクラスからの下克上優勝も夢ではなかったのだが最後はアボットの前に屈した。
 ただこの試合も1番打者にファーストで右打者の佐藤みなみを使い、ファーストの大塚枝里香をライトに回し左打者の青木千春をFP捕手にするなどの万全のアボット対策。リーグではおそらく初(?)でライトを守った大塚も準備はしっかりとやってきていたようで、少ない選手数ながらも、どんな戦い方でもできるように全選手が鍛え抜かれているところを見せつけてくれた。やはり今年も良いチームだった。

<0-0で迎えた6回裏という、理想的な場面で決勝のホームランを放った鈴木鮎美>

<藤田倭も期待通りの好投を続けたのだが、一発に泣いた>


【太陽誘電:先発と交代選手】
1(3):佐藤みなみ
2(5):山本晴香
3(9):大塚枝里香
4(1):藤田倭
5(7):原田のどか
6(8):河野美里
7(4):丸本里佳
8(D):尾﨑望良
9(6):中溝優生
FP(2):青木千春

【トヨタ自動車:先発と交代選手】
1(7):塚本智名
2(5):鈴木鮎美
3(9):長﨑望未→(走)堤加菜子→(再9)長﨑望未
4(8):山崎早紀
5(6):渥美万奈
6(D):アリソン・アギュラー
7(4):坂元令奈
8(3):古澤春菜→(打/3)山下りら
9(2):峰幸代
FP(1):モニカ・アボット

 


【1回表:太陽誘電~0点】
佐藤:空振り三振
山本:空振り三振
大塚:見逃し三振

【1回裏:トヨタ自動車~0点】
塚本:空振り三振
鈴木:遊ゴロ
長﨑二遊間中前打(良い当たりではないがゴロでセカンド左を抜ける)
山崎:遊ゴロ

【2回表:太陽誘電~0点】
藤田:見逃し三振(3-2から外角いっぱい)
原田:四球(3-2)
河野:二ゴロ併殺打

【2回裏:トヨタ自動車~0点】
渥美右翼線安打(クリーンヒット)
アギュラー遊左内安
坂元:三犠打(あっさりと決める)
 ※古澤の打席でカウント3-0から3-1となったところでトヨタはエンドラン敢行
 ※古澤が瞬時にバットの短く持って当てに行くも、見破られたかアウトコースに外されバットが届かず空振り
 ※捕手→サードと渡って飛び出した三走の渥美がタッチアウト!
 ※しかし、このプレー、どうも渥美はタッチされていなかったのかも…。塁審の死角になったか
古澤:四球(一二塁に)
:二ゴロ(グラブトス)

<エンドランをかけるも古澤春菜が空振りし、三走渥美万奈が戻りきれずタッチアウト。ノータッチにも見えたが、勝利したことで大事にならずに済んだ>

【3回表:太陽誘電~0点】
丸本:空振り三振(最後は高め、悔しがる)
尾﨑:見逃し三振
中溝:空振り三振(頭の高さ)

【3回裏:トヨタ自動車~0点】
塚本:二ゴロ
鈴木:左飛
長﨑:中飛

【4回表:太陽誘電~0点】
佐藤:遊ゴロ
 ※頭より上のボールをジャストミートした良い当たりだったが
山本:三ゴロ(初球)
大塚:四球(3-0から3-1にするも)
藤田:空振り三振(3球)

<アボットの糞ボールをジャストミートする佐藤みなみ>


【4回裏:トヨタ自動車~0点】

山崎:投ゴロ(藤田好捕)
渥美:三ゴロ(ボテボテ、山本が好プレー)
アギュラー:二ゴロ

<山崎早紀のボテボテの投ゴロを軽快なフットワークでアウトにする藤田倭>

<渥美万奈のボテボテの三ゴロをジャンピングスローで一塁アウトにするサードの山本晴香>

【5回表:太陽誘電~0点】
原田三遊間左前打(クリーンヒット)
河野:三ゴロ二封
 ※サード鈴木、難しいバウンドをなんとか抑えて二封
丸本左前打(綺麗に合わせる)
尾﨑:空振り三振
中溝:中飛

【5回裏:トヨタ自動車~0点】
坂元:二ゴロ
(打)山下スラップ三強襲左安(ライナー)
:投ゴロ二進
塚本:三半直
 ※代打の山下がそのままファーストに

<スラップでサード強襲のレフト前ヒットを放つ山下りら>

【6回表:太陽誘電~0点】
佐藤:中飛
山本:左直(良い当たり)
大塚:一ゴロ

【6回裏:トヨタ自動車~1点】
鈴木中越本塁打
 ※打った瞬間わかる完璧な当たり
長﨑三弾く左前打(三遊間良い当たりではなかったが山本が弾く)
 ※一塁代走に
山崎:二ゴロ併殺(4-4TO-3)
渥美:見逃し三振
 ※厳しいコースではなかったが思わず見逃してしまう
 ※代走の堤に代わり長﨑が再出場

<小さな体でパンチ力抜群の鈴木鮎美。藤田倭の剛球をセンターに豪快に放り込む!>

<打球はセンターフェンスを悠々越える。あの名手河野美里ですら、まったく追う気をなくすような打球>

<真っ先に鈴木鮎美を本塁で迎えたのは好投を続けているアボットだった>

【7回表:太陽誘電~0点】
藤田:空振り三振
原田:中飛
河野:左飛

【試合終了】

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