【2018年新人賞について】
一塁手および捕手として出場してほぼ規定打席にも達した(1打席不足)デンソーの吉松梨乃が新人賞を受賞。
第1節の太陽誘電戦にスタメン一塁手として初めてリーグ戦に出場。その試合で3点ビハインドの7回裏に同点に追いつく起死回生の2点タイムリーを放つという華々しいデビューを飾り、その後前半戦はほぼファーストのレギュラーとして出場。第4節の伊予銀行戦の終盤、大差がついた時点で初マスクを被ると、後半戦では山澤葵と併用される形でレギュラー捕手の一人として活躍した。ファースト、捕手として半ばレギュラーで出場して8打点をあげているので、まあまあ新人賞も納得だが、ただ捕手の名門日本体育大から鳴り物入りで入団したことを思うと、もう少し上を期待しただけに成績的にはやや物足りなかった。新人賞受賞は多分に「ライバル不在」が幸いした面が大きかったが、2年目以降に本当の開花を期待しよう。きっとリーグを代表する捕手になるはずだ。
同じ日本体育大からHondaに入った永友遙も1年目から活躍。打順は主に8番や9番で、代打を出されることも多かったので規定打席にはわずかに達しなかったが、ほぼサードのレギュラーとして十分な働きだったように思う。
新人の中で唯一規定打席に達したのが大垣ミナモの今川瑞希。この今川に加え、大垣ミナモでは松井陽日、和島野乃香、倉根沙枝の大卒4選手がほぼレギュラークラスで活躍した。
個人的に評価したいのがHondaの塚本蛍とSGホールディングスの藤原麻由の二人の高卒新人。
塚本は高卒とは思えないパワフルなスイングで1年目から代打の切り札的な存在で、終盤はDPとして出場することもあった。藤原も塚本と同じような左のパワーヒッターで後半はDPでのスタメンもあり、9節の大垣ミナモ戦では今年の高卒新人打者で唯一の本塁打を放ち、全日本総合の山梨学院大戦では代打でコールドを決める満塁本塁打も放った。小柄ながらパンチ力のあるこの左打者二人には2年目以降の飛躍を大いに期待したい。
☆☆新人賞・吉松梨乃(捕、デンソー:日本体育大卒)☆☆
(16試合、打率0.222、45打席、8安打、 8打点、1二塁打、0三塁打、2本塁打、102守備機会、0失策)
~2008年以降の新人賞受賞選手の成績~
●2017・中溝優生(遊、太陽誘電:佐賀女子短期大学佐賀高卒)
(22試合、打率0.229、63打席、11安打、 2打点、0二塁打、0三塁打、1本塁打、52守備機会、2失策)
●2016・長谷川優理(遊、戸田中央総合病院:日本体育大卒)
(20試合、打率0.203、64打席、11安打、 7打点、2二塁打、0三塁打、4本塁打、76守備機会、2失策)
●2015・那須千春(遊、日立:上山明新館高卒)
(22試合、打率0.394、74打席、26安打、16打点、2二塁打、0三塁打、7本塁打、93守備機会、4失策、OPS=1.15)
●2014・山本葵衣(D、ペヤング:木更津総合卒)☆☆
(22試合、打率0.258、71打席、17安打、10打点、2二塁、0三塁、2本塁; 0守備機会、0失策、OPS=0.689)
●2013・知久幸未(中、トヨタ自動車:山梨学院大卒)
(22試合、打率0.349、70打席、22安打、15打点、4二塁、0三塁、3本塁; 8守備機会、0失策)
●2012・村井美保(三、戸田中央総合病院:東海学園大卒)
(22試合、打率0.204、57打席、11安打、 3打点、4二塁、0三塁、0本塁; 90守備機会、4失策)
●2011・長﨑望未(中、トヨタ自動車:京都西山高卒)
(20試合、打率0.353、72打席、24安打、22打点、2二塁、0三塁、5本塁; 14守備機会、0失策)
●2010・小柳薫(一、豊田自動織機:東京女子体育大卒)
(22試合、打率0.302、62打席、16安打、13打点、6二塁、1三塁、1本塁;132守備機会、0失策)
●2009・加藤恵理(三、Honda:東北福祉大卒)
(21試合、打率0.250、61打席、14安打、 5打点、5二塁、1三塁、1本塁; 68守備機会、1失策)
●2008・内田千恵美(中、戸田中央総合病院:早稲田大卒)
(22試合、打率0.250、70打席、16安打、 9打点、2二塁、0三塁、2本塁;140守備機会、1失策)
<第1節太陽誘電戦で同点2点タイムリーを放つ吉松梨乃(デンソー)>
<塚本蛍(Honda),第8節豊田自動織機戦で>
<藤原麻由(SGホールディングス),全日本総合山梨学院大戦で満塁ホームランを放つ>
<2018年度の新人選手打撃成績(所属は最後の項目に記載)>
【全新人打者合計】
守備機会:429
失策数:14
打席数:447(昨年の新人は全556打席)
安打数:68
二塁打:8
三塁打:2
本塁打:5
打点:23
三振:119
【OPS ~ トップ7(20打席以上、7選手のみ)】
0.710(45) 吉松梨乃
0.701(24) 藤原麻由
0.558(41) 永友遥
0.550(32) 塚本蛍
0.337(38) 松井陽日
0.248(62) 今川瑞希
0.195(27) 和島野乃香
(※昨年のトップ;0.625(42) 堤加菜子)
【出塁率 ~ トップ7(20打席以上)】
0.293(45) 吉松梨乃
0.293(41) 永友遥
0.292(24) 藤原麻由
0.250(32) 塚本蛍
0.216(38) 松井陽日
0.131(62) 今川瑞希
0.115(27) 和島野乃香
(※昨年のトップ;0.333(63) 中溝優生)
【打率 ~ トップ7(20打席以上)】
0.227(24) 藤原麻由
0.222(45) 吉松梨乃
0.200(32) 塚本蛍
0.147(41) 永友遥
0.121(38) 松井陽日
0.117(62) 今川瑞希
0.080(27) 和島野乃香
(※昨年のトップ;0.229(63) 中溝優生)
【安打数~(安打を放った全21選手,昨年は24人)】
8 吉松梨乃
7 今川瑞希
6 工藤環奈
6 塚本蛍
5 永友遥
5 藤原麻由
4 松井陽日
3 切石結女
3 鎌田優希
3 水津佳那英
3 倉根沙枝
2 柴三奈
2 上松優希
2 大平あい
2 加福直子
2 和島野乃香
1 深沢未花
1 福井晴日
1 奥田芽衣
1 加藤愛夢
1 櫻岡春香
(※昨年のトップ;11 中溝優生)
【本塁打,昨年は3人で3本】
2 吉松梨乃
1 永友遥
1 藤原麻由
1 櫻岡春香
【三塁打,昨年は1本】
1 塚本蛍
1 鎌田優希
【二塁打,昨年は8人で8本】
1 深沢未花
1 工藤環奈
1 加藤愛夢
1 吉松梨乃
1 永友遥
1 藤原麻由
1 上松優希
1 塚本蛍
【打点,昨年は計22打点】
8 吉松梨乃
3 鎌田優希
2 伊波菜々
2 塚本蛍
1 深沢未花
1 工藤環奈
1 永友遥
1 藤原麻由
1 上松優希
1 大平あい
1 櫻岡春香
1 山内早織
(※昨年のトップ;7 堤加菜子)
【四球,昨年は計24四球】
3 奥田芽衣
2 吉松梨乃
2 永友遥
2 藤原麻由
1 小寺真琴
1 深沢未花
1 切石結女
1 鎌田優希
1 伊波菜々
1 塚本蛍
1 水津佳那英
1 松井陽日
1 川村莉沙
1 加福直子
1 今川瑞希
1 山内早織
(※昨年のトップ;5 松田愛実)
【三振~ワースト10】
18 倉根沙枝
14 川村莉沙
13 松井陽日
9 山内早織
9 工藤環奈
7 福井晴日
6 加福直子
6 上松優希
4 伊波菜々
4 合田智子
3 鎌田優希
3 塚本蛍
3 今川瑞希
3 柴三奈
3 加藤愛夢
3 櫻岡春香
2 切石結女
2 小島あみ
2 甲斐はづき
1 吉松梨乃
1 深沢未花
1 大平あい
1 白石穂花
1 曽根はん奈
(※昨年のワースト;14 中溝優生)
【犠打】
4 吉松梨乃
1 水津佳那英
1 今川瑞希
1 和島野乃香
1 松井陽日
1 倉根沙枝
(※昨年のトップ;7 松成あゆみ)
【犠飛,昨年は2人で2犠飛】
1 吉松梨乃
【盗塁,昨年は計24盗塁】
4 加福直子
3 吉松梨乃
1 和島野乃香
1 松井陽日
1 川村莉沙
1 山口みどり
(※昨年のトップ;4 蟹沢夏帆)
【打席数-安打数(試合数)~全新人選手】
62-7(22) 今川瑞希(大垣ミナモ)
45-8(16) 吉松梨乃(デンソー)
41-5(22) 永友遥(Honda)
38-4(17) 松井陽日(大垣ミナモ)
32-6(18) 塚本蛍(Honda)
27-2(16) 和島野乃香(大垣ミナモ)
24-5(11) 藤原麻由(SGホールディングス)
18-3(13) 水津佳那英(SGホールディングス)
18-3( 9) 倉根沙枝(大垣ミナモ)
16-2(14) 加福直子(日立)
15-6(10) 工藤環奈(ビックカメラ高崎)
12-1(10) 奥田芽衣(デンソー)
11-2(11) 上松優希(ビックカメラ高崎)
11-0( 9) 山内早織(ビックカメラ高崎)
10-0(14) 川村莉沙(太陽誘電)
9-3(13) 鎌田優希(太陽誘電)
8-2( 9) 大平あい(豊田自動織機)
8-3( 4) 切石結女(トヨタ自動車)
7-1( 5) 櫻岡春香(デンソー)
6-1( 6) 加藤愛夢(シオノギ製薬,内野手)
6-0( 6) 小島あみ(デンソー)
5-0( 8) 甲斐はづき(伊予銀行)
5-1( 4) 深沢未花(トヨタ自動車)
4-2( 4) 柴三奈(伊予銀行)
3-0( 7) 伊波菜々(トヨタ自動車)
2-0(12) 白石穂花(シオノギ製薬,捕手)
2-1( 2) 福井晴日(SGホールディングス)
1-0( 1) 小寺真琴(豊田自動織機)
1-0( 1) 曽根はん奈(太陽誘電)
0-0(17) 山口みどり(日立)
0-0(11) 千葉咲実(シオノギ製薬,投手)
0-0( 9) 勝股美咲(ビックカメラ高崎,投手)
0-0( 8) 原奈々(デンソー,投手)
0-0( 7) 稲垣葵衣(Honda,投手)
0-0( 3) 藤井美雪(大垣ミナモ,内野手)
0-0( 1) 並木あかね(SGホールディングス,投手)
0-0( 1) 大橋茜(シオノギ製薬,外野手)
0-0( 0) 松本華乃(大垣ミナモ,捕手)
0-0( 0) 末澤理穂子(Honda,捕手)
※甲賀医専出身の水津も新人扱いとした。
【参考:以下は昨年の上位選手】
62(22) 松成あゆみ(伊予銀行)
61(22) 松田愛実(日本精工)
63(22) 中溝優生(太陽誘電)
55(22) 藤本麗(ビックカメラ高崎)
42(20) 堤加菜子(トヨタ自動車)
35(18) 立川夏波(SGホールディングス)
26(18) 高橋亜珠美(戸田中央総合病院)
29(16) 中村光里(SGホールディングス)
22(10) 榎本千波(デンソー)