【第54回全日本大学女子選手権大会(2019年インカレ)~2日目・2回戦の結果】

 大会2日目(8月31日)の第3、第4試合として行われた2回戦の結果、詳細をお伝えします。

 


 

【Aブロック】

<2日目第3試合(2回戦)>
東京国際大
 000 0000…1-4-1
 021 000x…3-5-2
日本体育大

【コメント】
 東京国際大、尾田海音、日体大、長谷川鈴夏の先発で始まった試合は、2回裏、日体大がキャプテン安川裕美のツーランホームランで2点を先制。3回にも1点を追加しリードを広げる。  東京国際大は6回、この回から継投した日体大の浅井茉琳に対し、中津日和が出塁すると続く大國結華のセンターに抜けそうなヒット性の打球をセカンドの亀田栞里がバックハンドで好捕。するとそのまま二塁にグラブトス。華麗な守備で4-6-3の併殺に仕留めてピンチの芽を摘み取り、7回の反撃も1点に抑えて逃げ切った。
 実はこの試合、個人的に感慨が深かったのは東京国際大のキャプテンの横山蒼選手が大学最後の試合となったこと。厚木商から直接1部リーグのペヤングに進むも、1年目でチームが休部に(その後チームは2部から復活したが)。このペヤング時代にひょんなことから顔見知りになり、ペヤング退社後はソフトボールを続けるために改めて大学に進むということで、春季交流戦や東日本インカレなど機会があるたびに応援を続けてきた。わざわざ大学に入り直してまで続けたソフトボール人生が、彼女の人生にとっても楽しいかけがえのない思い出としてずっと残っていってくれることを、心から願いたい。

<ペヤングで1年1部リーグを経験したあと東京国際大で4年間を過ごした横山蒼選手>

<継投の日体大、浅井茉琳投手>

<ヒット性の打球を併殺打にしたセカンドの名手、亀田栞里>

<2日目第4試合(2回戦)>
日本文理大
 410 0001…6
 000 340x…7
淑徳大

【コメント】
 この試合、実は隣のB球場で見ていた富士大vs.山梨学院大が延長11回の接戦だったため、途中途中でスコアを見ながら要所で足を運ぼうと思っていた。
 するといきなり日本文理が初回、淑徳大の先発朝倉莉奈を攻めて一気に4得点、そして2回終わって5-0。これは日本文理が楽勝どころか、コールで決まっちゃうかも、と思いながらついつい目を離した隙に淑徳大が2点を返し、さらに目を離した隙に見に行くと試合は淑徳大の大逆転で終わっていた。
 実際に見ていた人の感想でも、コールドで終わると思っていたら、5点を取った後の日本文理大は攻撃が雑になって追加点を奪えず。逆に淑徳大は0-5でもベンチの勢いや明るさは変わらずで、それが1点、2点と返すうちに逆にどんどん勢いが増していって一気に逆転したようだ。
 ただ日本文理大もただでは終わらず、最終回に1点を返して1点差とし、さらに満塁のチャンスで打者が左中間に良い当たりを放ったが、レフトに好捕されてあと一歩届かなかったらしい。

<途中経過を見に行くと淑徳大が反撃を開始>

<そして次に見に行くと試合は淑徳大の大逆転で終わっていた>

 

【Bブロック】

<2日目第3試合(2回戦)>
城西大
 000 0000 11…2
 000 0000 12…3
IPU環太平洋大

【コメント】
 城西大の松崎美南、IPU環太平洋大の後藤明日香、両投手の好投で試合は0-0のまま延長戦に。
 延長8回表、城西大は二塁走者を藤原奈実が確実に送った後、代打の長身、青山琴葉が体を折りたたむようにして確実にゴロを転がしてエンドラン成功、1点を先制する。
 IPU環太平洋大もその裏、武田彩香が確実にバントで送ると、岡田莉歩が三遊間をライナーで破るヒットで同点に。
 9回表、城西大がランナー三塁から岩佐美歩が一二塁間を破るタイムリーヒットを放ち1点を勝ち越し。
 9回裏、IPU環太平洋大は4番の桃原祐里が三塁を強襲するレフト前ヒットで二塁から西野が帰り同点。ただ桃原は無理に二塁を狙ってアウトになりチャンスは潰えかけたが、その後2死一塁から齋藤明日加の打席で一走の土井彩香が二盗。援護の空振りをした齋藤に代わり、カウント0-1から打席に入った代打の小山海がレフト前にヒットを運んで2死一三塁とチャンスを広げると(このヒットが効いた)、ここで1年生捕手の女鹿田千尋が三遊間を破るサヨナラタイムリーを放って試合を決めた。

<IPU環太平洋大先発の後藤明日香>

<良い当たりの打球を放つ城西大の薗部花実>

<8回表、1死三塁でのエンドランでサードへゴロを転がす代打の青山琴葉>

<このサードへのゴロで三塁から小暮沙希が生還して城西大が先制>

<代打でしっかり仕事をした城西大の青山琴葉>

<8回裏、IPU環太平洋大は岡田莉歩のレフト前ヒットで同点に>

<9回表、城西大は岩佐美歩のタイムリーで再び勝ち越し>

<IPU環太平洋大は9回裏、桃原祐里のタイムリーで同点>

<IPU環太平洋大は9回裏、1死無走者から再びチャンスを作り直した後、1年生の女鹿田千尋がサヨナラ打>

<2日目第4試合(2回戦)>
富士大
 000 0000 0000…0
 000 0000 0001…1
山梨学院大

【コメント】
 富士大の先発はこの大会初登板の1年生左腕井上あやめ。山梨学院大の先発はもちろんエースの信田沙南。信田は当然のことながら、井上も素晴らしいピッチングで強打の山梨学院大打線を翻弄。のらりくらりという感じだったがピンチらしいピンチもないまま7回を無失点で投げきる好投で試合は延長戦に。
 延長に入ると富士大は好投の井上からスパッと投手を交代させてエースで大黒柱の苅込千波が登板。この思い切ったスイッチも良かったが、とにかく苅込投手の度胸のあるピッチングが素晴らしかった。
 表の攻撃を無得点で終わってしまった富士大は8回裏、先頭打者に当たり損ねの内野安打を打たれて無死一三塁とされると、次打者を故意四球で歩かせての満塁策。無死満塁という大ピンチだったが、ここからが苅込投手の見せ場。内野ゴロ本封、見逃し三振、ショートハーフライナーと危なげなく3人で斬って取ると、続く9回も1死三塁から二人を故意四球で歩かせて満塁策。ここも二者三振で斬って取ると、続く10回も1死三塁から2者故意四球の満塁の場面で二人を凡退に。ヒットも外野フライも、もちろん四球も与えられない延長裏の回の満塁の場面を三度連続して抑えきったその度胸には正直感服した。
 ただ攻撃の方が投手陣を助けることができず。相手が信田投手なので仕方がないのだが、延長に入って8~11回と4度1死三塁の場面を作りながら得点を奪えず。さすがの苅込もいつまでも抑え続けることはできず、最後は11回裏に2死二塁から菊地朋美に左中間を深々と破る二塁打を打たれてサヨナラ負けを喫した。しかし出てきた3投手が全て素晴らしいピッチング。延長11回を1対0の、見事な投手戦だった。

 ちなみにこの試合、B球場で行われたが前の試合も延長だったために時間が押して最後はかなり暗い中での試合となった。
 しかも唯一この球場だけ照明設備がないため、場合によっては途中で中断させて、会場をとなりのA球場に移して行う可能性もあるということが延長11回に入る前に両チームに告げられた。幸い11回で試合が終わったため会場移動はなかったが、できればそういう試合を見てみたかった気もする。まあ安城市には頑張ってB球場の照明設備と、A球場の観客席の屋根の設置をお願いしたいものだ。

<先発して山梨学院大を7回無失点に押さえ込んだ富士大の井上あやめ>

<8回から登板し、三度の満塁のピンチを完璧に抑えた富士大の苅込千波投手>

<この日は2試合に投げ、18回を無失点の好投だった山梨学院大の信田沙南投手。たださすがに翌日に疲れが残ってしまったか>

<1死二塁から左中間にサヨナラタイムリーを放った山梨学院大の菊地朋美>

【Cブロック】
<2日目第3試合(2回戦)>
中京大
 000 0300…3
 000 1000…1
大阪大谷大

【コメント】
 4回裏、大阪大谷大が1点を先制。
 中京大は5回表、2死から8番が四球で出ると、9番安山涼香の当たりはボテボテのセカンドゴロ。この打球に安山も必死に走ったがタイミングは微妙。大阪大谷大としては「アウトにしてよ~」と思いたくなる判定だったかも知れないが、無情の内野安打で2死一二塁。ここで打席に入ったのが最も頼りになる1番の佐藤友香。初球を叩いた打球はライナーでセンターの左へ。同点タイムリーにはなるなと思ったが、突っ込んで来たセンターが痛恨の後逸。二塁走者だけではなく、一塁走者の安山も生還して逆転、打者走者の佐藤まで生還して一気に3点を奪って逆転した。
 この場面、当たり的にはホームで刺すのは厳しかったのでセンターも無理して突っ込まなくても、というところだが、ただ大谷大が中京大に勝つにはこのまま1-0で逃げ切る展開しかなかったように思える。それを考えると、結果的に後逸してしまったが無理をしてでも思い切って突っ込んできたセンター北垣は責められない。あれはギリギリのプレーだったと思う。それよりやはりあの内野安打が悔やまれる。大阪大谷大には運もなかった。

<中京大の先発は元日本福祉大、福井フェニックスの宇野かんな投手の妹の(はずの)宇野あかね>

<5回表2死一二塁からセンターへヒットを放つ佐藤友香>

<この佐藤の打球に対して大阪大谷大のセンター北垣柚月が猛チャージも痛恨の後逸>

<この打球をみて打った佐藤も一気にホームに生還>

<2日目第4試合(2回戦)>
清和大
 100 00…1
 400 4x…8
園田学園女子大

【コメント】
 この4試合目は別会場の延長戦観戦が長引いてほとんど見られなかった。
 たださすが園田学園女子大。この日の1試合目(1回戦)はあわや敗戦かという接戦だったが、2試合目にしてエンジンがかかってきた。こういう大事な大会に合わせて調子を上げてくるのはなかなかやろうとしてやれるものではないが、そこが伝統校たる所以か。

<ただスコアを見ると先制したのは清和大。その場面の盛り上がりを見てみたかった>


【Dブロック】

<2日目第3試合(2回戦)>
東海大
 000 0001…1
 001 010x…2
金沢学院大

【コメント】
 金沢学院大が序盤で2点をリード。先発の福田莉花も好投して試合は7回表に。1死を取った時点で、経験を積ませる意味もあってか投手を新人の原茂那に交代。しかしこれをきっかけに東海大が猛反撃に出る。
 まず先頭の代打鈴木菜緒がヒットで出塁すると、齊藤結心も投手への内野安打で出塁。続く横尾渚はアウトになったが強烈な打球で、さすがにそれを見て2死となったが金沢学院大は投手に先発の福田莉花がリエントリー。しかし東海大は反撃の手を緩めず、吉田汐里が意表を突くセフティーバントを決めると、送球の乱れもあって二走鈴木が一気に生還して1点差に。さらに田村ひかりもヒットで繋いで満塁と一打逆転の大チャンス。しかし最後は遠畑さくらがレフトフライに倒れて反撃もここまで。敗れはしたが東海大は最後まで諦めない素晴らしい戦いだった。

<1死から代打の鈴木菜緒がレフトへヒット>

<齊藤結心もヒットで続き、>

<横尾渚はアウトになったが強烈な打球(だったはず)>

<ここで金沢学院大は先発の福田莉花が再出場>

<吉田汐里がセフティバントヒットで相手守備の乱れも誘う>

<田村ひかりもヒットで繋いで2死満塁に>

<ここで一本出ればヒロインになれたが、遠畑さくらは左飛に倒れてヒロインになり損ねた>

<2日目第4試合(2回戦)>
同志社大
 000 0010…1
 000 0000…0
星城大

【コメント】
 両投手の好投で0-0のまま迎えた6回表。同志社大は2死一塁の場面で岩本成未が低いライナーでショートの頭を越えて左中間を真っ二つに破る二塁打を放つと一塁走者が一気に生還。この1点が決勝点となった。

 

 

【3日目・準々決勝】

<A会場-第1試合>
IPU環太平洋大 vs. 山梨学院大

<B会場-第1試合>
金沢学院大 vs. 同志社大

<A会場-第2試合>
中京大 vs. 園田学園女子大

<B会場-第2試合>
日本体育大 vs. 淑徳大

【3日目・準決勝】
<A会場-第3試合>
(IPU環太平洋大or山梨学院大) vs. (日本体育大or淑徳大)

<B会場-第3試合>
(中京大or園田学園女子大) vs. (金沢学院大or同志社大)

 

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