【投手に関するベスト5~2012年1部リーグ】

 2012年シーズンの1部リーグ所属投手のそれぞれの記録に関するベスト5を。
 回当たり、試合当たりの統計値については「20回以上」の回を投げた投手、打者当たりの統計値については「50打者以上」と対戦した投手を対象にして計算を行った。
 (20回、50打者という基準は、より多くの投手についてランキングするためと、およそこれくらいの登板があれば妥当な数値が得られそうだという経験に基づいている)。

【2011年のベスト5】
【2010年のベスト5】
【2009年のベスト5】


【投球回数】
123.0 山中しほ
114.6 安福智
110.6 上野由岐子
110.3 江本奈穂
97.3 ダニエル・ローリー

※最多投球回は山中しほの細腕繁盛記。去年は120で安福智、一昨年は102で伊藤美幸、一昨昨年は137で藤原麻起子。

【完投・完封】
<完投数>
12 江本奈穂
12 安福智
11 李琪
11 呂偉
11 上野由岐子

※2012年の完投王は大鵬薬品の江本奈穂とシオノギ製薬の安福智の両投手に決定!


<完封勝ち>

8 モニカ・アボット
6 上野由岐子
4 森真里奈
4 ダニエル・ローリー
3 江本奈穂
3 ジョーダン・テーラー

※アボットの8完封は圧巻。上野も届かず。

<完投勝ち(完封除く)>
5 李琪
4 モーガン・メロー(Honda)
3 呂偉
3 ダニエル・ローリー
3 上野由岐子

※粘り強く投げ抜くのが李の信条。意外と完封が少なかったHondaのメロー。

<完投負け>
11 安福智
8 江本奈穂
7 呂偉
6 山中しほ
5 田家由里、李琪

※個人的に毎年一番注目しているのがこの項目。そのチームにとって無くてはならない「大エース」の証明でもある。今年のシオノギを一人で背負って立った安福にとって、11完投負けは逆に胸を張って誇れる勲章だ。


【対戦打者数】
<シーズン合計>
520 山中しほ
501 安福智
459 江本奈穂
408 上野由岐子
387 ダニエル・ローリー

【投球数】
<シーズン合計>
1,943 安福智
1,918 山中しほ
1,848 江本奈穂
1,622 ダニエル・ローリー
1,573 上野由岐子

※球数、対戦打者ともにベスト3の山中、安福、江本。上野をも上回る大車輪の活躍。

<1回あたり投球数・少ない5人>
13.6 重藤恵理佳
14.2 上野由岐子
14.4 ジョーダン・テーラー
15.0 モニカ・アボット
15.1 モーガン・メロー

※かつての露久保望美のように、意外な投手が顔を出すのがここ。今年ようやくブレイクした重藤が13.6でトップの数字。やはり活躍する選手は何かしら特徴がある。

<1回あたり投球数・多い5人>
20.3 西村瑞紀
18.6 西岡里恵
18.0 ジャスティン・スメサート
17.9 藤田倭
17.8 田家由里

※前半戦の2節以降は思うように自分の投球ができなく静かにユニフォームを脱いだ西村。やはり数字上も本来の彼女の実力からはほど遠かった。

【防御率】
<ベスト5(かっこ内は投球回)>
0.37( 95.3) モニカ・アボット
0.38(110.6)  上野由岐子
0.72( 97.3)  李琪
0.78( 44.6)  山根佐由里
0.92( 83.3)  ジョーダン・テーラー

※規定回には達しなかったがそれに近い回を投げて4位に食い込むさすがの山根。

<ワースト5(かっこ内は投球回)>
6.79(22.6) 西村瑞紀
3.76(54.0)  田家由里
3.43(49.0)  栗田美穂
3.26(38.6)  西岡里恵
3.05(20.6)  長尾美希

※ここに顔を出すのはある意味活躍して回を沢山投げた裏返しでもあるし、良いときと悪いときの差が激しい一面を表してもいる。田家以下、来年は悪くとも通算2点台の防御率を目指そう。


【被安打】
<シーズン合計>
112 山中しほ
104 安福智
94 江本奈穂
76 藤田倭
74 信長香菜

※この5人は5人ともチームのエースで沢山投げた。

<被打率・ベスト5>
0.102 モニカ・アボット
0.145 ダニエル・ローリー
0.155 山根佐由里
0.157 上野由岐子
0.167 ジョーダン・テーラー

※アボットの被打率1割も、むしろ逆に「そんなに打たれていたのか」とすら思ってしまうのが恐ろしい。
※昨年もアボットに続いて2番目に被打率の低かった山根、今年も上野を上回り堂々の3位。そろそろシーズン通してエースとしての活躍を見たい。

<被打率・ワースト5>
0.406 西村瑞紀
0.380 井俣茉莉
0.360 村上絵莉愛
0.333 松本優香
0.317 長尾美希

※去年は素晴らしかったが今年の井俣は全然ダメ。来年は一からやり直し。
※シオノギの若手コンビ、村上と松本は来年はどちらかが一本立ちしないと非常に厳しい。今年打たれた経験を是非とも良い方向に生かしてほしい。

【被本塁打】
<シーズン合計>
8 金尾和美
8 藤田倭
8 江本奈穂
6 安福智
5 栗田美穂

※前半戦フル回転したHondaの金尾が江本、藤田と並んで1位。藤田と江本の8本は意外だった。そんなに打たれていたのか。

<被本塁打率(1試合当たり)>
1.3(3) 山口憲子
1.2(3) 井俣茉莉
1.1(2) 梅津佳奈子
1.0(2) 松本優香
0.9(5) 西岡里恵

※馬渕に打たれた満塁弾と国体1回戦での被本が印象に残ったが、なんとか1位にならずに済んで良かった梅津。


【奪三振】
<シーズン合計>
154 モニカ・アボット
126 上野由岐子
125 ダニエル・ローリー
116 李琪
102 ジョーダン・テーラー

※コメントする気も起こらなくなるくらいの毎年アボットと上野。ノーコンのダニエルだが、ここぞという場面で三振を奪えるのが最大の強み。

<奪三振率・高い5人(一打者を三振に取る確率)>
0.456 モニカ・アボット
0.324 ジョーダン・テーラー
0.323 ダニエル・ローリー
0.309 上野由岐子
0.304 李琪

※全盛期の日立ソフトウェアの山田恵里がヒットを打つ確率くらいで三振を奪うアボット。だから何って言われたらまあ何だが。

<奪三振率・低い5人(一打者を三振に取る確率)>
0.011 長尾美希
0.013 山口憲子
0.047 村上絵莉愛
0.048 松本優香
0.057 中村友佳

※全盛期のHondaの中村瞳がヒットを打つ確率くらいで三振を奪う長尾。だから何って言われたらまあ何だが。


【四死球】
<シーズン合計与四球>
44 安福智
41 山中しほ
39 ダニエル・ローリー
36 呂偉
34 藤田倭

※何度も言うが四球王も頑張った証。

<1試合あたり与四球数>
3.37 田家由里
3.26 西岡里恵
3.16 藤田倭
3.05 黒川春華
3.01 ジャスティン・スメサート

※絶対にダニエルだと思ったけど田家だった。田家の荒れ球はむしろ持ち味ではないだろうか。Hondaの西岡は第二の瀬川になれそうな逸材。

<シーズン合計与死球数>
13 ダニエル・ローリー
10 山中しほ
10 藤田倭
10 モニカ・アボット
8 呂偉

※絶対にダニエルだと思ったらようやくやっぱりダニエルだった。ダニエルの死球はかするとかじゃなく思いっきり背中の真ん中にズドン。ただデンソーの野木ちゃんを骨折に追い込んだ死球だけは避けたかった。まあ野木ちゃんも打ちに行ってしまったから仕方がないが。

【暴投】
<シーズン合計暴投数>
5 ダニエル・ローリー
5 田家由里
4 ジャスティン・スメサート
3 藤田倭
3 山中しほ

※期待を裏切らないダニエル。そして田家。しかし適度に荒れるのは打者を抑える秘訣なのだろう。


【参考~全投手の投球回と対戦打者数】
123.0 520 山中しほ(日立ソフトウェア)
114.6 501 安福智(シオノギ製薬)
110.6 408 上野由岐子(ルネサスエレクトロニクス高崎)
110.3 459 江本奈穂(大鵬薬品)
97.3 387 ダニエル・ローリー(豊田自動織機)
97.3 382 李琪(戸田中央総合病院)
95.3 338 モニカ・アボット(トヨタ自動車)
92.6 372 呂偉(日立マクセル)
83.3 315 ジョーダン・テーラー(デンソー)
76.6 329 ジャスティン・スメサート(佐川急便)
75.3 342 藤田倭(太陽誘電)
67.6 296 信長香菜(佐川急便)
64.6 286 金尾和美(Honda)
61.6 251 森真里奈(太陽誘電)
54.0 258 田家由里(戸田中央総合病院)
– – – – – – – – – – – – – – – – – – –
※規定投球回ここまで(51回)※
– – – – – – – – – – – – – – – – – – –
49.0 209 栗田美穂(豊田自動織機)
46.3 174 モーガン・メロー(Honda)
44.6 170 山根佐由里(トヨタ自動車)
38.6 174 西岡里恵(Honda)
33.0 132 重藤恵理佳(デンソー)
22.6 119 西村瑞紀(日立マクセル)
20.6  89 黒川春華(ルネサスエレクトロニクス高崎)
20.6  94 長尾美希(日立マクセル)
18.3  69 中野花菜(ルネサスエレクトロニクス高崎)
17.6  94 井俣茉莉(大鵬薬品)
16.6  72 染谷美佳(デンソー)
16.3  76 山口憲子(日立ソフトウェア)
15.3  75 豊崎貴世(日立マクセル)
14.6  62 近藤光(デンソー)
13.6  62 松本優香(シオノギ製薬)
13.3  57 梅津佳奈子(大鵬薬品)
13.0  51 尾﨑望良(太陽誘電)
13.0  63 村上絵莉愛(シオノギ製薬)
12.6  53 中村友佳(トヨタ自動車)
9.0  42 山下絢(ルネサスエレクトロニクス高崎)
8.6  45 洞井絵梨香(シオノギ製薬)
7.3  37 山田麻未(デンソー)
7.0  31 高橋知子(日立ソフトウェア)
7.0  35 関根有希(佐川急便)
6.3  23 北岡志帆(豊田自動織機)
5.6  28 佐藤佑樹(日立ソフトウェア)
4.6  30 小澤芙美子(大鵬薬品)
4.0  16 上村さつき(トヨタ自動車)
4.0  28 稲元沙貴(Honda)
2.0  14 江里口淳子(豊田自動織機)
2.0  11 村瀬文香(トヨタ自動車)
1.6  14 鈴木碧(大鵬薬品)
1.0  3 梶岡祐女也(佐川急便)
1.0  7 橋爪春奈(戸田中央総合病院)

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